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作詞家(自動)が初音ミク、鏡音リンに出会ったら

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 歌詞ジェネレーターというか、自動作詞システムというのは既に存在してるんですね。ポジティブエッジという会社が開発している「LYRICA」というサービスがあることを知りました。inzeiO(印税王)というシェアウェアもありますが、こちらは、Mac OSの非OS XアプリケーションとPC-98シリーズのMS-DOSという古いソフトのようです。

 「LYRICA」のほうは現役で、2004年度IPA未踏ソフトウェアプロジェクトに選ばれ、2006年度においても継続が決まったそうです。サンリオが出していた左綴じの少女漫画雑誌で松苗あけみがぶ〜け以前に描いていたり手塚治虫のユニコが載っていたりしたリリカとは別物です。

 プロジェクトの概要から引用すると、

自動的に日本語の歌詞および日本語のキャッチコピーを生成するシステムを開発する。多量の歌詞とキャッチコピーを形態素解析し、語彙と品詞の並び方のテンプレートを抽出する。

状況に応じて適切な品詞テンプレートを選び、これに適切に語彙を埋めることによって歌詞を生成する。各語彙に対して、感情、時制、色、温度などの属性を付与して分類し、歌詞の作成時にユーザーが必要な語彙を容易に選べるようにする。さらに、ユーザー辞書、任意の書き出しに合わせたテンプレートの自動選択機能、自動的に韻を踏んだ語彙をリストアップする機能、単語の抑揚とメロディの高低をあわせる機能、などの実装も行う。

データベース部は複数のアプリケーションから利用できるようにXML Webサービスとして実装する。

 前回の開発で既にある程度の実装はできているようなので、ぜひ実物のサービスを見たいものです。

 その際、出来上がった著作物(歌詞、コピー)にどのような制限が設けられるのか、料金はどうなるのか、コピーライトがどう設定されるのかがいまのところ疑問ですが、そのサービスにキーワードを与えた人物に著作権が付与されるとすれば、(歌詞のできにもよりますが)作詞家業界は相当のインフレ状態に陥るのではないでしょうか。

 作曲のほうでは、「初音ミクとコンピュータ創作物について」で栗原さんが既に書かれていますが、Band-in-a-Boxというソフトがあります。わたしも「MP3からコードを抽出して、初音ミクに弾き語ってもらう」で取り上げたソフトで、安価であるにもかかわらず、自動作曲やソロを作る機能を持っています。

 この2つを組み合わせることで、歌詞付きの楽曲が量産できるわけで、この中から現在のニコニコ職人たちが「総当たり式」でそれなりの曲を作り出していったらきっとすごいことになりますね。

 上記のLYRICAでは、メロディーに適した歌詞を割り当てる機能があるようなので、そこの部分が自動化されるというのは興味深いです。

 これを、初音ミク、鏡音リンが歌うことで、Computer Generated Musicが作詞、作曲、演奏、歌唱まで完結してしまうわけですよ。

 歌唱まで出来てしまえば、そこから先もできます。

 「初音ミク3D化」、どのツールを使うべきか、で予想していた、.vsqファイルからリップシンクのデータを取り出すためのソフトは既に出来上がっているようですし、歌詞のキーワードから画像を抽出してアニメーションさせる通信カラオケ方式を使えば、ちょっとした動画までが自動生成可能になるはずです。

 さらに、3Dアニメーションであれば、「わたし」という歌詞が入ったときに、てのひらを自分の胸にあてる仕草とか、「わからない」で首をかしげさせたりとかを自動的に割り当てることも可能でしょう。

 ニコニコ動画には、初音ミクにお誕生日の歌をうたわせる動画をあげている人がいますが、「折々の歌」を初音ミクとその兄弟姉妹がうたう動画が世の中にあふれる日は、そう遠くないかもしれません。

§§§

 歌詞ジェネレーターには現役なソフトもありました。ジョークソフトと銘打っている自動作詞ソフト「驚異の自動作詞 ミーハー編」というのを試してみました。

夏を持て余しているから 汽車を嫌っている こんな時 プレゼントを気にしてほしいのよ

クリスマスも肌もいらないの 勇気がほしいだけ
約束は影では 打ち寄せるはずないもの

 ちょっと意味不明ですが(笑)

 で、GarageBandにMIDIを読み込んで、初音ミクに歌わせてみたものと合体させたのが、これ(夏を持て余して)。歌詞は最初の部分だけ。曲のスタイルは、“Pop Slow 16 LeeRit”。リー・リトナーのギター風16ビートのポップナスローナンバーだそうです。つうことは、歌声は杏里、ってことすね。

追記:すでにこのソフトを使った初音ミク作品が、ニコニコ動画にアップされていた(11月3日の投稿)のにいま気づきました。ここはありとあらゆる実験が行なわれているおそろしいところです……。(2007-11-21)
自動歌詞でミクに歌わせてみた

Comment(5)

コメント

tammy

作曲用途なら、MIXTUREも使えますね。
11/7から機能/フレーズ限定ですが、無償版が配布されています。
http://www.ssw.co.jp/products/mixture/index.html

初音ミクと言う歌手の登場と言い、今後日本の音楽はどこへ向かっていくのか、(レコード業界の対応含めて)色々な意味でその場に立ち会えるが嬉しくもあり悲しくもあり。(知人に儲かっていないらしい作曲家がいるもので…)

koya

MIXTURE、「無料」にひかれ、わたしもダウンロードしたんですが、CrossOver Macではインストールでこけてしまいました。Parallelsで再チャンレンジしてみます。このように業態の転換を強要するような新技術が鬼のようにでてくる業界って中にいる人たちにとってはつらいものがありますよね。

tammy

そういえば、歌詞生成で思い出したんですが、脳内メーカーに高校メーカーが追加されています。
この中で校歌が生成されます。
試しに「koya高校」やってみました。
http://usokomaker.net/koukou/?a=Koukou&oo=koya

あえて結果は書きませんが…

koya

tammyさん、おもしろいサイトですね。思わずいいメロディーが浮かんできそうないい校歌です。特定分野に特化すればこういうのも作りやすいんですかね。
週末にでも入学してそのメロディーを初音ミクに歌ってもらおうかと思います(笑)

「驚異の自動作詞 ミーハー編」の作者の山本です。記事に取り上げていただき、ありがとうございましたw

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