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昨日、「ツイッターを活用する自治体一覧」を投稿したところ、大変多くの反響をいただきました。これまで、自治体は地域SNSや地域ブログ、そしてYouTubeなど、様々なソーシャルメディアを活用してきています。

ここで、少し自治体が運営するソーシャルメディアの歴史を少しまとめてみたいと思います。

地域SNS

2005年12月9日、総務省は、「地域SNS等を活用した地域社会への住民参画に関する実証実験」が発表し、千代田区と長岡市にて実証実験を始めました【関連URL:e-コミュニティ形成支援事業】。その後、いくつかの自治体がその実証実験に参加をし、今に至っています。千代田区の「ちよっピー」や長岡市の「おここなごーか」は、サイトの更新情報を見る限りにおいては、今でも事業として継続しているようです。

また、2006 年 11 月から 2007 年 3 月まで「Web2.0 時代の地域のあり方に関する研究会」を4回実施し、地域2.0のあるべき姿を議論してきました。また。総務省が4月19日に公表した「地域SNSの活用状況等に関する調査の実施結果の公表」では、68.9%の人が“関心あり”と答えています。【関連記事:LASDEC】

地域SNSでは、西千葉SNS「あみっぴい」に代表されるように、民間企業が主導する事例も多く見受けられます。また、国際大学GLOCOMでは、「地域SNS研究会」を運営しており、9月11日には、「第7回地域SNS全国フォーラムin 掛川」が開催される予定です。


地域ブログ

地域SNSから少し遅れますが、2007年6月21日、和歌山の北山村において全国自治体初のブログポータルサイト「北山ブログ 村ぶろ」を運用開始しました。

今回の自治体運営によるブログポータルサイトの開設目的は、北山村及び紀州熊野地域のPRと地域の発展に寄与すること、また全国から「バーチャル 村民」となるブログ会員を募り、観光客の誘致や特産物の販売促進を図っていくというものです。

同時に、ブログによる収益事業としても平成19年度に収入600万円、平成21年度には、1,800万円の自主財源の確保を見込んでいました。(※観光・特産物事業等で総額3億円の達成を目標)

北山ブログ 村ぶろ」は2010年6月21日で3周年を迎えており、「おかげ様で3周年」の中では、以下のコメントが掲載されています。

おかげ様で3周年 (2010年6月21日)

平素は村ぶろをご利用いただきまして、誠にありがとうございます。
本日、2010年6月21日を持ちまして、村ぶろが3周年を迎えました。
いつも村ぶろを盛り上げていただきましてありがとうございます。

おかげさまで、会員数も15,515人(2010年6月21日現在)となり、たくさんの方々に参加いただき、一日のPVも30万を越え、たくさんの方に村ぶろをご覧いただいております。
これからも、紀州熊野地域と全国の地域との架け橋となり、地域の発展に貢献できるよう、スタッフ一同励んでまいります。
今後とも、村ぶろをよろしくお願い致します。

2010年6月21日
村ぶろ運営局

驚くことに、1日のPV数は30万というのは、驚異的な数値でしょう。ブログの会員数は、村民の人口の約570名を遥かに超えており、地域ブログは、地域外からのユーザも集め、大きな成果を収めていると言えるのかもしれません。


地域動画(YouTube)

地域動画という文言が適切かは自信がありませんが、自治体のYouTubeの活用の歴史も整理してみたいと思います。

2007年1月30日、会津若松市の公式サイトの「いにし映像博物館」にYouTube経由で記録映像を公開しました。今では、会津若松市のYouTubeの「公式サイト」を立ち上げ、動画再生回数も45万回を超えるなど、積極的に地域の情報発信をしていることが伺えます。

正確には追いかけていませんが、自治体では、以下のような自治体がYouTubeを活用しているようです。


地域ツイッター

参考ですが、3年以上の前の2007年6月3日、「地域Twitterによる地域コンテンツ配信と地域活性化の可能性を探る」の中で地域ツイッターの可能性について触れさせていただきました。

身近な[お店の安売り情報]、[今日の地域イベント情報]、[今日○×でいっしょに遊びたい人]等は、今から何かしたいと考えている人にとっては、リアルタイムな情報発信と共有は効果の高いものと考えています。また地域安全のための[不審者情報共有]、[地震・災害・犯罪情報]等の緊急連絡網的存在も同様に可能性としては考えられます。そのほか、[地域のボランティア]や[地域回覧板]等の地域活動情報の共有も比較的に手軽にできる可能性もあるでしょう。

地域Twitterは日ごろ近所でなにげなく会話をしている情報をネット上でリアルタイムに交流することによって、地域の交流範囲を広げていける可能性もあるのではないかと考えています。

ブログやSNSと比べて、インターフェースも簡易で一行でも気軽に登録できるので、地域住民のエントリーバリア(障壁)は下がると考えています。多くの住民の参加が参加し気軽に登録することによって、地域コンテンツは充実し地域一体となったコミュニティができる可能性も十分に考えられます

当時は、半信半疑で書いていたのですが、今では、当たり前のように使っている事例も多く見受けられるようになりました。

ほんの一部の取り組みを紹介しただけになりますが、こうやって、自治体運営のソーシャルメディアの歴史を紐解いていくと、自治体と地域の活性化のヒントが少し見えてくるのかもしれません。

 

■関連サイト

地域Twitterによる地域コンテンツ配信と地域活性化の可能性を探る (2007.6.3)

地域2.0と地域活性化(1) --地域SNSは普及していくのか? (2007.9.2)

地域2.0と地域活性化(2) --地域Twitterの可能性は? (2007.9.4)

地域2.0と地域活性化(3) --地域ブログマーケティング (2007.9.5)

地域2.0と地域活性化(4) --YouTubeやニコニコ動画じゃだめなのか? (2007.9.6)

地域2.0と地域活性化(5) --ブログポータルは成功したのか? (2007.9.17)

MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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