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翻訳・WEB・キャリアを極める~楽しく正しく新しい会社経営&オリンピックへの道~

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上手なプレゼンって何だろう?
今の私なら、「聞き手の心を動かし、具体的なアクションを起こさせること」と答える。新入社員の私にとっては、「流暢に話し相手によくわかったよ、と言ってもらうこと」だったと思う。

それまで私は先輩社員のSales時のプレゼンを聞いたことは一度もなかった。そこで、OAフェアーで、淀みなく新商品の説明をする女性のスタッフをお手本にしていた。

時間にまかせて私がやったこと

・原稿を一字一句まで作る
・アドリブを入れる要素も残し、パターンをいくつか作る
(笑いをとるなどは思いもつかなかった)
・暗唱するまで練習する

この時点でプレゼンを上司に見せたところ、流暢に話す私を褒めてくれた。

さて、さらに練習していると、上司に私のプレゼンがどう聞こえるのか知りたくなった。そこで

・テープレコーダーに取って聞いてみた

自分の声というものをテープレコーダーで聞いた時は、こんな声をしているのかと随分がっかりしたが、アクセントがおかしいところなどを修正した。

すると、今度は自分の立ち居振る舞いが気になる。今度は

・ビデオに取ってみた

当時はビデオを持っている人も少なかったが、ビデオを手に入れて録画。表現豊かなポーズについては最初からあきらめていたので、挙動不審な行動をとっていないかをチェックし、極力動きが少ないようにした。

さて、万全と思って臨んだプレゼンの練習会で、上司はこう言った。
「う~ん、なんだかうまく言えないけど、前より下手になったぞ。どうしてだろう、流暢に話しているのだが・・・慣れすぎているというか・・・とにかくこれ以上練習するな。今のままやれば、やればやるほど下手になるぞ」

同期で一番繰り返し練習している自負があったから、この上司のコメントには本当にがっかりした。しかし、練習すればするほど、言葉が上滑りになっていることに自分自身でも気が付いていた。

スピーチの練習に一生懸命で、目的がなんだかわからないプレゼンになりつつあったのだ。当初あったはずの顧客への興味・愛も随分失せていた。「仏作って魂入れず」状態だ。

それからは、練習をせずして、何が悪かったのかを一生懸命考えた。どういう思考錯誤をしたのか詳細は忘れたが、本番直前になって、最初の頃に行ったプレゼンの迫力を取り戻したのに、上司はほっとしていた。

後にも先にも、プレゼンの練習をしすぎたのは、この時だけだ。
一生懸命取り組んで、にもかかわらず壁にぶつかって、そして最後にその壁を破ったことは、その後、大きな自信になった。

最近はいい意味で力が抜けたプレゼンをしたいと思っていたのだが、実家で古い資料を見つけ、初心を忘れちゃいけないなぁと反省したのであった。

大里真理子

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プロフィール

大里真理子

大里真理子

(株)アークコミュニケーションズ 代表取締役社長
<目指せグローバルなビジネスコミュニケーション!>
翻訳/通訳/ローカリゼーション・Web/クロスメディア制作・
ライティング・人材派遣/紹介を営む

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