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20年以上断続的にこのブログを書き継いできたインフラコモンズ代表の今泉大輔です。NVIDIAのフィジカルAIの世界が日本の上場企業多数に時価総額増大の事業機会を1つだけではなく複数与えることを確信してこの名前にしました。ネタは無限にあります。何卒よろしくお願い申し上げます。

ニデックがAIデータセンター市場の先端「液冷」企業である理由。2018年に買収した台湾企業が奏功

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セミナーで「液冷」を扱うことが多いので、日本で液冷を扱っている企業についても深堀調査をするのですが、早くから液冷が強い日本企業として浮上してきたのがニデックです。

ニデック:In-Row CDU ラインナップ

ニデックはご存じの通り、創業者の永守重信氏の不正により辛酸を嘗めている訳ですが、AIデータセンター関連市場の大きな柱である「液冷」分野では、他の日本企業にはない足場を持っています。NVIDIA系の巨大な市場が立ち上がる前から製造能力のある台湾企業を買収していて、それが奏功しています。

NVIDIA系の巨大市場の中で足場を築くには(長くなりますが...)、どのように分析しても、NVIDIAに近い距離を得て、Hopper → Blackwell → Vera Rubinと世代交代をしていくAI半導体に密接する各製品領域の最新の技術情報や仕様を押さえることが不可欠です。

液冷では「液浸」も一つの技術的な選択肢です。しかし、現在のAIサーバー、特にラックスケールAIシステムの液冷市場で売上を上げようとするのであれば、世界のAIデータセンターで大きな影響力を持つOpen Compute Project(OCP)の技術体系を理解する必要があります。

OCPでは、ラック側にOpen Rack Version 3(ORv3)があり、液冷側にはCooling Environments Projectの下にCold PlateやCDUなどの標準化活動があります。

ここで重要になるのが、Direct-to-Chip(DTC)液冷です。GPUやCPUに、内部に微細な流路を持つコールドプレートを取り付け、そこに冷却液(coolant)を流して、AI半導体から直接熱を回収します。

OCPでは、CDUからラック側のマニホールド、QD(Quick Disconnect)、コールドプレートなどを経て、再びCDUへ戻る液冷系を**Technology Cooling System(TCS)**として扱っています。この液冷系について、Cold Plate、CDU、ORv3 Blind Mate Manifold、Blind Mate Quick Connectorなど、各構成要素の要求仕様やインターフェース仕様が整備されています。

ORv3がDTC液冷の技術仕様を上から下まですべて規定している訳ではなく、ORv3のラック標準と、OCP Cooling Environments配下のCold Plate、CDUなどの液冷標準群が組み合わさることで、現在のラックスケールDTC液冷を実装するためのオープンな技術体系が形成されています。

ニデックが興味深いのは、このOCPの技術体系のかなり深いところまで入っていることです。同社はCDUだけでなく、QD、コールドプレートなども製品化しています。さらに2MW級CDUでは、GoogleがOCPに提供したProject Deschutesにも対応しています。

つまりニデックは、「液冷装置を作っている日本企業」というだけではありません。OCPが標準化を進めるDTC液冷のTechnology Cooling Systemを構成する主要製品を複数持ち、世界のAIサーバーの技術標準に沿って事業を展開している日本企業と見るほうが実態に近いのです。

東証プライム経営者が知っておかなければマズい「液冷」の4大要素 ―コールドプレート、QD/UQDコネクタ、マニホールド、CDU

このようにNVIDIAエコシステムの種々の技術標準に則って設計・製造しないと、市場で買ってもらえる製品にならないのです。

このNVIDIAに近い位置にいて現行世代~次世代の技術情報が取れるのが台湾企業です。以下のレポートで報じた通りです。

シャープが台湾の鴻海で製造するAIサーバー。他社が同じことをするにはどうすればいいか?

三菱電機が「液冷」で自前主義を捨て台湾・鴻海と組んだ理由。米国AIデータセンター市場で本格展開準備中

日本企業は一部の例外はありますが、情報収集能力はゼロに近いです。かろうじて小職が行う情報配布のセミナーに参加した企業だけが先端情報を入手できています。台湾企業が得ているのと同じ情報をディープリサーチアルゴリズムで特定してセミナーで配布します。(このような状況があるのは、台湾中心で動くAIサーバー/AIデータセンター関連動向に関心がなかった日本の新聞・雑誌に真因があると考えています。台湾で流通している世界最先端の情報が日本で報じられていないから、日本の経済人は知らないのです。)

そのような地の利がある台湾企業をニデックは2018年に買収し、台湾企業数社が液冷製品を相手先ブランドで製造するのに呼応して、ニデック子会社も製造し始めています。それが同社の現在の液冷製品ラインナップになっています。


ニデック.jpg

AIデータセンターの液冷というと、日本では2026年に入ってから急速に注目されるようになりました。

しかし、日本企業の中には、かなり以前からこの市場に布石を打ってきた会社があります。

ニデックです。

一般には、ニデックといえばモーターの会社というイメージが強いと思います。ところが現在のニデックは、AIデータセンター向けに、CDU(Coolant Distribution Unit=冷却液分配装置)を中心としたかなり本格的な液冷事業を展開しています。

しかも、単にCDUを1機種持っているというレベルではありません。

ラック内部に設置するIn-Rack型CDU。

複数ラックをまとめて冷却するIn-Row型CDU。

コールドプレート。

マニホールド。

ポンプ。

クイックディスコネクト(QD)。

これらを一つの液冷システムとして展開しています。添付資料でも、ニデックの製品群はCDUからQD、コールドプレートまで広がっていることが確認できます。 (今泉注:「添付資料」と言っているのは、こちらで一式を販売している液冷製品技術情報レポートの中に含まれるニデックのケーススタディレポート。以下も同様)

さらに、Supermicro、富士通、Lenovoなどと協業し、GoogleがOpen Compute Project(OCP)で公開した次世代CDU規格「Project Deschutes 5」にも対応しています。

この実態を見ると、ニデックは日本のAIデータセンター液冷市場で、もっと注目されてもよい企業だと思います。

では、なぜモーターの会社であるニデックが、ここまで液冷事業を作ることができたのでしょうか。

そこをたどると、台湾企業の買収、モーターで培った精密加工技術、そしてAIサーバーメーカーとの協業という3つの流れが見えてきます。

まず、CDUとは何をする装置なのか

ニデックの液冷事業を理解するには、まずCDUを理解するとわかりやすくなります。

AIサーバーでは、GPUなどの半導体にコールドプレートを取り付け、そこに冷却液を流して熱を回収します。

しかし、GPUを流れる冷却液を、そのままデータセンターの建物側の冷却水と一緒にするわけにはいきません。

そこで間に入るのがCDUです。

CDUには熱交換器とポンプがあり、

AIサーバー側の冷却液

と

データセンター設備側の冷却水

の間で熱を移します。

言い換えれば、AIサーバーとデータセンター設備の境界にある装置です。

添付レポートではCDUを「液冷インフラの心臓部」と表現し、ニデックがラック内部に置くIn-Rack型と、ラック列に設置するIn-Row型の両方を展開していることを整理しています。 ニデック資料

このCDUで、ニデックはすでに相当な実績を持っています。

2024年11月末には、AIサーバー向けオープン水冷式CDUの累計出荷が5000台に達しました。生産はタイ・アユタヤ工場で行っています。(ニデック「オープン水冷式CDU累計出荷台数5000台達成」)

さらに2026年3月に発表されたニデック、第一実業、カンネツの国内液冷アライアンスでは、ニデックについて「In-Rack CDUの累積出荷台数1万台の実績」と紹介されています。(カンネツ「AIデータセンター液冷化に『確実な実装』を」)

少なくとも数千台を量産してきた実績を持つ点で、研究開発段階からこれから参入する企業とは位置が違います。

250kWから300kWへ。さらに2MWまで持っている

製品を見ると、ニデックの現在位置がさらにわかりやすくなります。

2024年12月、ニデックはSupermicroと共同開発した、4Uサイズで250kWの冷却能力を持つIn-Rack CDUの出荷を開始しました。

これはOCP規格に対応し、NVIDIA GB200 NVL72を想定した製品です。ニデックは、このクラスの4U・250kW CDUを量産したのは世界初と説明しています。(ニデック「OCP規格4Uサイズ250kW CDUをSupermicroへ出荷開始」)

2026年6月には、さらに最大300kWまで冷却能力を高めた次世代In-Rack CDUの試作機を発表しました。

こちらは2027年第1四半期の量産開始を予定しています。(ニデック「最大300kWの冷却能力を備えたIn-Rack CDUを開発」)

一方、大規模なAIデータセンター向けには、2MW級のIn-Row CDUがあります。

添付資料では、ニデック標準のNIRシリーズと、GoogleのProject Deschutes仕様に対応した2MWプラットフォームを整理しています。 ニデック資料

Open Compute Projectの公式サイトにも、ニデックの「Project Deschutes 5 CDU」が登録されています。

冷却能力は2MW、流量1890L/分、アプローチ温度差3℃という仕様です。OCPはニデックを、このプロジェクトの日本企業のソリューションプロバイダーとして掲載しています。(Open Compute Project「Nidec - Project Deschutes 5 CDU」)

これはかなり重要です。

日本国内だけで使う独自仕様の液冷装置を作っているわけではなく、GoogleやOCPが進めるグローバルな液冷標準の中に入っているからです。

実は、台湾のサーマル企業を2018年に買収している

では、ニデックはどのように液冷技術を作ってきたのでしょうか。

ここで重要なのが台湾です。

ニデックは2018年、台湾のChaun-Choung Technology Corp.(CCI、超眾科技)の株式48%を公開買い付けで取得しました。

現在の社名は、Nidec Chaun-Choung Technology Corporation(ニデックCCI)です。

ニデック「Chaun-Choung Technology Corp.株式取得」

CCIは1973年創業の台湾企業です。

買収当時の主力は、

ヒートシンク。

ヒートパイプ。

ベイパーチャンバー。

サーマルモジュール。

などでした。

つまり、コンピューターや通信機器から出る熱をどう逃がすかを専門にしてきた会社です。

ニデックは当時すでに、サーバーなどに使われるファンモーターを持っていました。

そこへCCIのサーマル技術を加える。

ニデック自身も買収目的について、モーター製品とCCIのサーマルモジュールを組み合わせ、高付加価値の「サーマルソリューション」を提供すると説明していました。NIDEC CORPORATION

この買収は2018年です。

生成AIブームより、かなり前です。

現在のニデックCCIは、ヒートシンク、ヒートパイプ、ベイパーチャンバーだけでなく、液冷システムまで主要製品として掲げています。(Nidec Chaun-Choung Technology Corporation)

したがって、現在のニデックの液冷事業は、突然ゼロから生まれた事業ではありません。

モーターとファンのニデック

に、

台湾のサーマル技術

を加え、それをAIサーバーの液冷まで発展させてきた、と見ることができます。

なぜ台湾企業だったのか

ここも興味深いところです。

台湾にはFoxconn(鴻海精密工業)、Quanta、Wistron、Wiwynn、Inventecなど、世界のサーバーを作るODM企業が集中しています。

AIサーバーの新製品開発も台湾で非常に速いスピードで進みます。

ニデックは2025年4月、台湾の営業・開発拠点を拡張しました。

その理由を同社自身がかなり率直に説明しています。

「多数のODMメーカーが集積する台湾では、製品開発のスピードが速く、ニデックにも同じ速度が要求される」というものです。

新しい台北拠点では、開発・実験スペースと組立・評価設備を同じフロアに置き、顧客の要求に短期間で対応できる体制を作っています。(ニデック「AIサーバー市場活性化に伴う当社台湾体制の強化について」)

ここを見ると、ニデックが液冷をどの市場で開発しているのかがわかります。

日本だけを見ているのではありません。

AIサーバーを実際に作っている台湾のODM産業のすぐ近くで、冷却製品を開発しています。

三菱電機がFoxconnと組んだ理由にも通じる構造です。

三菱電機が「液冷」で自前主義を捨て台湾・鴻海と組んだ理由。米国AIデータセンター市場で本格展開準備中

モーター会社だったことが、むしろ液冷では強みになる

もう一つ面白いのが、ニデック本体のモーター技術です。

液冷装置の中では、冷却液を循環させるポンプが極めて重要です。

流量が不足すればGPUを十分に冷却できません。

一方で、ポンプは24時間連続して動かします。

故障すれば、高価なGPUが停止する可能性があります。

漏水も避けなければなりません。

ニデックのIn-Row CDUでは、シールレス構造のマグネットカップリング式ポンプを採用しています。添付レポートでも、回転軸を隔壁で分離し、磁力で動力を伝えることで軸封部分からの漏水リスクを減らす構造が詳しく分析されています。 ニデック資料

さらに、ニデックはHDD用スピンドルモーターで長年培った精密加工、気密性、量産技術を持っています。

添付レポートでは、流体動圧軸受で培った微細加工、高精度溶接、ろう付け、ヘリウムによる気密検査などが、液冷部品にも転用されている点を指摘しています。 ニデック資料

つまり、モーター事業と液冷事業は、一見すると別の事業に見えます。

しかし実際には、

精密加工。

ポンプ。

モーター制御。

流体解析。

量産。

気密検査。

という技術がかなり重なっています。

ここがニデックの液冷事業の強さです。

CDUだけではない。QDやコールドプレートまで内製化する

もう一つ見逃せないのが、製品をどこまで自社で持つかです。

液冷ではCDUだけが必要なのではありません。

GPUに接するコールドプレート。

ラック内に冷却液を分配するマニホールド。

サーバーを交換する際に冷却配管を簡単に着脱するQD。

これらが必要です。

特にQDは、液体が流れている配管を着脱する部品です。

わずかな漏れでも高価なサーバーに障害を起こす可能性があるため、精度と信頼性が要求されます。

ニデックはこうした周辺部品まで自社製品化しています。

2026年6月のInterop Tokyoでは、In-Rack CDU、In-Row CDU、最大1.6MWまで拡張可能なStack CDUに加え、QDなどもまとめて展示しました。In-Rack/In-Row CDUは同展示会のBest of Show Awardデータセンター部門でグランプリを受賞しています。(ニデック「Interop Tokyo 2026 出展レポート」)

ニデックの液冷事業をCDU単品だけで評価すると、全体像が見えにくい理由がここにあります。

Supermicro、富士通、Lenovoまでつながっている

液冷は、冷却メーカーだけでは完成しません。

実際のAIサーバーと接続して動かなければならないためです。

そのためニデックは、サーバー企業との協業をかなり進めています。

2024年にはSupermicroと250kW In-Rack CDUを共同開発しました。

2025年4月には、富士通、Supermicro、ニデックの3社で、AIデータセンターの高効率化に向けた協業を発表しました。

Supermicroが高性能GPUサーバーを供給する。

ニデックがCDUなどの液冷装置を供給する。

富士通が40年間のスーパーコンピューター開発で培った水冷技術と監視制御ソフトウェアを提供する。

という役割分担です。(ニデック「富士通、ニデック、Supermicro、3社の協業について」)

さらに2025年10月にはLenovoとも協業し、Lenovoの「Neptune」液冷技術とニデックのCDUを組み合わせる取り組みを始めています。NIDEC CORPORATION

つまりニデックは、自社製CDUを単独で売るだけではありません。

AIサーバーメーカーの液冷システムの中へ、自社製品を組み込んでいく戦略を取っています。

日本国内では、第一実業、カンネツと「実装」まで取りに行く

一方、日本市場では別の組み方をしています。

2026年3月、ニデック、第一実業、カンネツはAIデータセンターの液冷化を支援するアライアンスを立ち上げました。

ここではニデックがCDUなどのコア機器を供給します。

カンネツがチラー、ドライクーラー、配管、熱管理、事前の負荷試験などを担当します。

第一実業が調達やシステム全体の取りまとめを担います。

つまり、

ニデック=液冷コア機器

だけではなく、

設計→調達→施工→試験

までを一つのパッケージとして顧客へ提供しようとしています。(カンネツ「国産冷却アライアンスを始動」)

添付レポートでも、この3社の役割分担と、マルチベンダー調整を減らすワンストップ型の構成が整理されています。 ニデック資料  (今泉注:「添付レポート」「ニデック資料」と言っているのは、こちらで一式を販売している液冷製品技術情報レポートの中に含まれるニデックのケーススタディレポート。上と同様)

ここまで来ると、ニデックの液冷事業の姿がかなり見えてきます。

ニデックは「冷却装置メーカー」ではなく、ラック側液冷のプラットフォーム企業を目指している

ニデック自身が大型チラーから建設工事まで全部を抱えているわけではありません。

そこは三菱電機やVertivなどとは少し違います。

ニデックが強いのは、AIサーバーに近い液冷ループです。

コールドプレート。

QD。

マニホールド。

CDU。

ポンプ。

制御。

そして、それを量産する工場です。

一方、データセンターの建物側については、カンネツや第一実業のような企業と組みます。

サーバー側ではSupermicro、Lenovoなどと組みます。

この位置取りは合理的です。

AIサーバーと建物設備のちょうど間にある「液冷の中核部分」を押さえる。

そこがニデックの事業領域になっています。

日本企業でありながら、実際には台湾・タイ・米国・中国を結ぶ事業になっている

生産体制も日本国内だけではありません。

添付レポートでは、タイ・アユタヤをIn-Rack CDUなどの主要量産拠点とし、別のタイ工場で2MW級In-Row CDUの量産体制を構築、中国やフィリピンにも関連部品の生産を広げていることが整理されています。開発や顧客対応では、日本に加え、北米と台湾も使っています。 ニデック資料

さらに台湾では、先ほどのニデックCCIに加え、台北にAIサーバー向けの開発・評価拠点を置いています。

これは、液冷事業が日本国内向けの設備事業ではなく、最初から世界のAIサーバーサプライチェーンを相手にした事業であることを示しています。

ニデックの液冷事業が目立ちにくい理由

ニデックの液冷事業は、国内では実態ほど知られていないように思います。

理由の一つは、ニデックという会社のイメージが、依然として「モーター」に強く結びついているためでしょう。

もう一つは、液冷事業が、一般消費者が目にする最終製品ではないためです。

NVIDIAのGPUはニュースになります。

AIデータセンターの建設計画もニュースになります。

しかし、そのラックの中で24時間冷却水を循環させているCDUや、その配管をつなぐQDは、なかなか一般のニュースにはなりません。

ところが、AIサーバーのラック当たり消費電力が上がれば上がるほど、この部分は重要になります。

しかもニデックは、すでに数千台規模のCDU量産実績を持ち、250kW、300kW、2MWという製品を持っています。

Supermicroと共同開発し、GoogleのOCP仕様に入り、台湾ODM産業の近くに開発拠点を置き、タイで量産しています。

これは「これから液冷に参入する日本企業」とはかなり違います。

ニデックの液冷事業は、2018年の台湾企業買収から見るとわかりやすい

ニデックの現在の液冷事業だけを見ると、

「モーター会社がAIブームに合わせて、新しく冷却装置を始めた」

ように見えるかもしれません。

しかし、時系列をさかのぼると違う姿が見えてきます。

2018年に台湾のCCIを買収する。

↓

ファンモーターとサーマル技術を組み合わせる。

↓

ヒートシンク、ヒートパイプ、ベイパーチャンバーから液冷へ展開する。

↓

CDUを量産する。

↓

SupermicroなどのAIサーバーメーカーと共同開発する。

↓

OCPの液冷標準に対応する。

↓

CDU、QD、コールドプレート、マニホールドまで製品群を広げる。

↓

日本では設備会社、商社と組み、液冷データセンター全体を実装する。

という流れです。

この流れで見ると、かなり一貫しています。

AIデータセンターの液冷市場は、2026年になって突然生まれた市場ではありません。

その市場が大きくなる前から技術と企業を集め、実際に量産まで進めていた会社が、日本にもあります。

ニデックは、その代表的な一社です。

「モーターのニデック」という見方だけでは、現在の同社のAIデータセンター事業を理解することは難しくなっています。

これからAIサーバーの消費電力と発熱量がさらに増えていけば、GPUそのものだけでなく、GPUから出る熱を安全に運び続ける設備の価値も大きくなります。

その市場で、ニデックはすでにかなり前の位置を走っています。

参考資料・出典

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