【ほぼアニメ】1分39秒のジャズ・セッション。ソラガスキ氏が「一人6役」と「無音の魔法」で奏でる『さっつーのよい知らせ』第7話の音響解剖 by 野良衣ルカ
今泉注:
このブログ投稿は、野良衣ルカという27歳Z世代のチーフ・マーケティング・オフィサーのキャラクターを1年程度かけてGeminiの中で熟成させ、その上で彼女に書かせたテキストです。Geminiがバージョン4 Argonになったので、以前にはなかったきめの細やかさが加わり、しっかりと読める世界になっています。
以下では、作者ソラガスキが一人数役を演じている声優の演じ分けと、挿入されているサウンドエフェクトについて、ソニックブランディング的な分析をしています。
こんにちは、野良衣ルカです。
仕事帰りの電車の中や、ベッドに入ってスマホの明かりだけを灯す夜。なんだか頭の中が情報でいっぱいで、「ただ、純粋で心地いい音に浸りたいな」と思うことはありませんか?
今日みなさんにご紹介したいのは、クリエイター・ソラガスキ氏が手がける【ほぼアニメ】『さっつーのよい知らせ』の第7話・「出来心」です。
まずはぜひ、イヤホンかヘッドホンを装着して、この1分39秒の世界を再生してみてください。
一見すると、コピックとミリペンで描かれた温かみのある絵本のような世界。でも、ひとたび「耳」を澄ませて聴いてみると、そこには洗足学園音楽大学ジャズ科を卒業したソラガスキ氏ならではの、並々ならぬ「音感覚」と「声優としての圧倒的な演じ分け」が詰まっていることに気づかされます。
今回はマーケターとして、そして一人の熱狂的なファンとして、この第7話に仕掛けられた「声とサウンドエフェクト(SE)の魔法」を徹底解剖します。
- 再生0秒の衝撃と、息遣いが溶ける「夢のようだ〜」
動画を再生した瞬間、いきなりクライマックスの「夢のようだ〜」というフレーズから始まる構成(コールドオープン)に、まず心をつかまれます。
そして本編の中盤。さっつーが街へ探検に出かけて帰ってこないのをいいことに、残されたサメじろうとサメざぶろうが、貯まったポイントで1人1万円の「アフタヌーンティースペシャルコース」を堪能するシーンがやってきます。
背中に小さな羽が生え、黄金の光の中をふわふわと飛ぶ2匹のサメ。ここで響く「夢のようだ〜」という声を、ぜひ耳元で聴いてみてください。
普段の元気でやんちゃな地声から一転して、空気をたっぷり含んだウィスパー気味のファルセット(裏声)へと切り替わります。さらに鳥肌が立つのは、その声の減衰(フェードアウト)にピタリと重なるように、キラキラとした「ウインドチャイム(ツリーチャイム)」のSEが鳴り響くこと。声の息遣いと楽器の倍音が溶け合い、多幸感の余韻が耳の奥にじんわりと残る、まさに音楽家にしか作れない音響設計です。
- ひとりで6役以上!?声帯とグルーヴを操る「声優・ソラガスキ」の凄み
この作品、実は登場するすべてのキャラクターの声を、原作者のソラガスキ氏がたった一人で演じています。第7話だけでも、声帯のポジションと喋りのリズム(グルーヴ)を自在に変えながら、6役以上を完璧に演じ分けているのです。
- さっつーの無垢なハイトーン
- 「じ、じつはこのまちをちょっとたんけんしたくて」 とモジモジ切り出すときの少し詰まった発声から、許可をもらった瞬間の「あ、ありがとう!!」「じゃ、いってくるね!」 と弾けるような明るいトーンへの変化。声だけで、さっつーの純粋で愛おしい性格が伝わってきます。
- サメじろう&サメざぶろうの悪巧みとユニゾン
- 少しハスキーでわんぱくな少年声の2匹。秀逸なのは、出来心が芽生える瞬間 の「ね、ポイントいっぱいあるし...」という声を潜めたウィスパーボイスと、「いいねいいね!いこういこう!」と2匹の声を重ねたユニゾンの疾走感です。さらに翌朝、「パンやめて、いまから『ロイヤリティホスト』いこうよ!!!」 と叫ぶシーンでは、前日よりもタガが外れてテンションが振り切れている様子が、声の圧だけで表現されています。
- ウサギの店員さんの絶妙な「接客トーン」
- 「スペシャルコースふたりで2万円デス、アリガトウ」、「特上ステーキフルメガサイズ、ふたりで1万円です、ありがとう」。メインキャラたちのデフォルメされたアニメ声とは対照的に、少し鼻にかかったクールで淡々とした「お店のスタッフ特有のトーン」が、作品に絶妙なリアリティとシュールな笑いを添えています。
- ジャズのコール&レスポンスのような合いの手
- 画面が切り替わる際の「次の日」という落ち着いたナレーション に対し、すかさず画面左下の笠をかぶった小人が「えっ、もう!?」とハイトーンで素早くツッコむ間の良さ。このテンポ感は、まるでジャズのセッションを聴いているかのようです。
- 究極のコントラスト。ラストの「たんけん中。」で胸がキュッとなる理由
私がこの第7話でいちばん好きなのが、1分10秒からのわずか数秒間の演出です。
ロイヤリティホストで特上ステーキとパフェを追加し、どんちゃん騒ぎをするサメたち。そこから画面が一瞬暗転し、落ち着いた低いトーンのナレーションで「いっぽう、さっつーは」と入ります。
その直後。
超高音で、どこまでも無垢なピコピコ声で、さっつーの「たんけん中!」という声が飛び出してくるのです。
サメたちの「後ろめたい豪遊」の喧騒と、そんなことは露知らず、知らない街をトコトコと一生懸命に歩くさっつーの「純粋無垢さ」。この感情の対比が、長い説明セリフではなく、声のピッチ(音程)の落差だけで一瞬にして表現されています。
しかも、足音のSEにも注目してください。サメたちがお店へ突撃する時の「ドッドッドッドッ!」という重く速いビート に対し、さっつーが一人で歩く場面 では、砂利道を踏みしめる「ザッ、ザッ、ザッ」という乾いたリアルな足音だけになります。
その静かな足音を切り裂くように「ドォーン!」という衝撃音とともに響く、「全財産没収!!」という低くドスの効いた謎の怒号。可愛い「たんけん中」からわずか4秒後にこの迫力ある声を入れることで、次の第8話が気になって仕方がなくなる見事な引き(クリフハンガー)になっています。
- 「無音(休符)」と「環境音のレイヤー」が生み出す立体感
なぜ、ソラガスキ氏の動画はこんなにも耳に心地よいのでしょうか。それは、ただ場面に効果音を貼るのではなく、「無音(音楽でいう休符)」と「環境音のレイヤー」を計算し尽くして配置しているからです。
たとえば、さっつーが帰ってこなくてサメ兄弟が「・・・。」と黙り込むシーン や、翌朝味気ないパンをハモハモ食べながら昨日のアフタヌーンティーを思い出すシーン。ここでソラガスキ氏は、あえてBGMも声も消した「空白の1〜2秒」を作っています。この「休符」があるからこそ、直後の「ピコーン!」というひらめき音 や、回想のキラキラしたハープ風チャイム音 が、耳に鮮やかに飛び込んでくるのです。
さらに、アフタヌーンティーやロイヤリティホストの場面 では、サメたちの歓声の後ろに、実際のカフェやレストランのざわめき(ガヤ音)、ワゴンが「ガラガラ」と運ばれる音、フォークやナイフが「カチャカチャ」と皿に当たる音が幾重にもレイヤーされています。モノクロのペン画を見ているはずなのに、耳から「高級店の空気と香り」が立体的に立ち上がってくるのです。
そして1分18秒、本編のサスペンスフルな終わり方から一転して、メイキング映像(ペンでの一発描きとコピックの着彩)に切り替わる瞬間。軽快なパーカッションとピアノが跳ねるラテン・ジャズ調の音楽が流れ出し、ペンの走るリズムと音楽のグルーヴが心地よくシンクロして幕を閉じます。
おわりに:今夜は「耳から」さっつーの世界へ
最初は「かわいい手描きアニメだな」と思って見始めたはずが、気づけばソラガスキ氏が奏でる声と音のアンサンブルにすっかり魅了されている。それが『さっつーのよい知らせ』の底知れない沼なのです。
「たんけん中!」の愛おしい声も、「夢のようだ〜」の多幸感あふれる吐息も、一度聴いたらきっとあなたのお気に入りのフレーズになるはず。ぜひもう一度、今度は目を閉じて「音」だけに集中して聴いてみてくださいね。
▼『さっつーのよい知らせ』第7話・出来心 はこちらから
http://www.youtube.com/watch?v=qRqRxePT5r0
▼ソラガスキ氏のYouTubeチャンネルはこちら
https://youtube.com/@soragas1?si=JjLFVmfZECuyUU_P
#ほぼアニメ #さっつーのよい知らせ #ソラガスキ #アニメーション #声優 #サウンドデザイン #ジャズ #コピック #推し活 #夜に聴きたい #ソニックブランディング