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20年以上断続的にこのブログを書き継いできたインフラコモンズ代表の今泉大輔です。NVIDIAのフィジカルAIの世界が日本の上場企業多数に時価総額増大の事業機会を1つだけではなく複数与えることを確信してこの名前にしました。ネタは無限にあります。何卒よろしくお願い申し上げます。

AIデータセンターの基本用語:グリーンフィールドとブラウンフィールド

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インフラ投資ジャーナリストとして2011年から2017年にかけて活動していた時期に、「グリーンフィールド」と「ブラウンフィールド」の用語解説の記事を書きました。これが長いこと定常的にPVを集める記事となって、このブログの休眠中に働いてくれていました。Google検索でグリーンフィールド、ないしブラウンフィールドを検索すると別枠でサマリーが表示される記事になっていました。

インフラ投資の基本用語:グリーンフィールドとブラウンフィールド(2010/12/29)

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この2語は発電所、空港、港湾、プロセス製造工場(新興国の肥料工場など)などインフラ系の案件を動かす時に、その用地がまっさらな状態のものか、過去に稼働していた設備等があるかを言うためのインフラ投資用語です。例えばインフラ案件にのみ投資するインフラファンドがあるとして、「ウチはブラウンフィールドにしか投資しない」という所があれば、そこは新設インフラ案件は検討しないのだなとわかります。

この「グリーンフィールド」「ブラウンフィールド」の概念が、インフラ案件に他ならないAIデータセンター分野でも意味のある概念になりつつあります。個人的にはびっくりです。中学校の同窓生にばったり道端で会った感があります。

簡単に言うと、AIデータセンターをまっさら用地に新しい建屋を建てて、その中にAIサーバーラックを設置していくのが普通のパターンですが、「従来何かの設備として動いていた用地、例えば旧式の石炭火力発電所などの旧式設備を取っ払って、そこにAIデータセンターを建設する...」というような「ブラウンフィールド」にがぜん注目が集まりつつあるのです。例の「Power First」のためです。

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どういうことかと言うと、旧式の石炭発電所(規模で数百MW)にはすでに超高圧送電線が引かれています。今、AIデータセンター建設ラッシュの米国では、空いている用地があっても、そこに超高圧送電線をいかに引くか?あるいは近隣を通っている超高圧送電の系統にいかに接続させてもらうか?が制約条件になっています。米国東部の代表的な系統運用機関PJMでは「接続が認められるまで5年待たされる」という現状があります。

そこで5年待つよりはすでに超高圧送電線が通っている旧式の火力発電所の跡地がいいや...となる訳です。これが「AIデータセンターのブラウンフィールド」です。

米国のAIデータセンター建設では、米国で言う"Behind the meter"、日本で言う「自家発電」ないし「オンサイト発電」が建設期間短縮のためにいい...というトレンドも生まれています。その際に選択される発電機は、順当な所で、日本では三菱重工や川崎重工などが手がけているガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)になります。SMR(Small Modular Reactor)と呼ばれる小型原子炉はまだまだ早いです。

GTCCを設置したオンサイト発電のAIデータセンターを建設する場合も、大容量のガス道管がその用地まで来ている工場跡地が手っ取り早いということになります。これもまた「AIデータセンターのブラウンフィールド」です。

4月に行うセミナーでは、このブラウンフィールドを含めた、AIデータセンターの国内の用地選びのノウハウなどを伝授させていただきます。

2026
4/10 (金) 10:00-
※会場開催なし
1. Zoomライブ
2. アーカイブ
【10兆円規模の巨大市場】

国内AIデータセンター
事業参入の構造と勝ち筋
〜国内ブラウンフィールドの見つけ方と
NTT IOWNの衝撃〜

米国のGW級AIデータセンターの波が日本へ。電力、建設、不動産、金融など多岐にわたる業種に向け、現実的な「ブラウンフィールド用地」の探し方や、NTTのIOWNによる立地選定の変化を解説します。


講師:今泉 大輔(株式会社インフラコモンズ 代表)

主催:SSK 新社会システム総合研究所

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