ロボット用OS「ROS 2」の日本のエコシステムについて興味深い事実が判明した
私は工学系の素養がないため、そこはChatGPTに頼りっぱなしであることをお断りしておきます。私の専門領域は海外の産業市場調査であり、特定の産業の未来予測等を自分の強みとしています。現在はAIが使えるので中国語、ドイツ語、フランス語等の言語の壁も消失して調査可能領域が飛躍的に拡大しました。
現在注力しているのはロボティクス全般のうちいわゆるヒト型ロボ(ヒューマノイド)と自動車業界のSDV動向、中でもADAS関連です。双方にNVIDIAの技術スタックが関係しており、Omniverse上でデジタルツインを構築してトレーニングやシミュレーションをすることによって従来は得られなかった高速な試行錯誤ができることに妙味を見出しています。
以下でROS 2についてChatGPTに書かせているのはNVIDIAのロボット開発技術スタックの中でロボット用OSとしてROS 2の占める役割が大きいからです。
ROS 2について(以下はChatGPTによる)
ROS 2(Robot Operating System 2)は、ロボット開発のためのオープンソースのミドルウェアプラットフォームです。名前に「Operating System(OS)」とありますが、実際にはLinuxやWindowsの上で動く「分散処理のための通信基盤+ライブラリ群」です。以下にわかりやすく解説します。
ROS 2とは?一言でいうと...
ロボットに「目・耳・脳・手足」を与えるための共通言語(ソフトウェア基盤)
ROS 2の基本的な役割
ロボットには多くの機能が必要です:
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センサーからのデータ取得(カメラ、LiDARなど)
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地図作成(SLAM)
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自己位置推定(Localization)
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経路計画(Path Planning)
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モーター制御(Actuation)
これらの処理を、モジュール(ノード)単位で管理・通信できるようにするのがROS 2の役割です。
ROS 2の基本構造
構成要素 | 機能 |
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ノード | センサー処理、制御、認識などの単位プロセス |
トピック(Topic) | ノード間で非同期にデータをやり取りする通信手段 |
サービス(Service) | 同期通信を行う手段(リクエスト・レスポンス形式) |
アクション(Action) | 長時間処理のための非同期・途中キャンセル可能な命令 |
DDS(Data Distribution Service) | ROS 2の通信基盤、ミドルウェアを抽象化 |
ROS 1との違い(なぜROS 2が必要?)
比較項目 | ROS 1 | ROS 2 |
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リアルタイム性 | 低い | 対応可能(RTOSとも連携) |
セキュリティ | 非対応 | DDSベースで暗号化・認証対応 |
OS対応 | Linuxのみ | Linux、Windows、macOS、RTOSなど広範囲 |
分散処理 | 弱い | IoT/分散システムに対応 |
ROS 2の実行環境
通常は以下のような構成で使われます:
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OS:Ubuntu Linux(22.04が主流)
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開発言語:C++、Python
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ハードウェア:NVIDIA Jetson / Raspberry Pi / Intel PC
ROS 2が使われている分野
分野 | 利用例 |
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自動運転 | 地図生成、車両制御、センサー融合(AutowareもROS 2ベース) |
サービスロボット | 清掃ロボット、案内ロボット、配送ロボットなど |
産業ロボット | 協働ロボット(コボット)、検査用アーム |
ドローン |
飛行制御、映像認識、障害物回避 |
ROS 2とNVIDIAの関係
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NVIDIAは「Isaac ROS」というROS 2に最適化された高速モジュール群を提供しています
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Jetson OrinなどのGPUで、ROS 2ノードをGPUアクセラレーションで実行
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Isaac Simと連携すれば、仮想空間でトレーニングしたモデルをROS 2上に展開可能(Sim2Real)
一言でまとめると
ROS 2は「ロボット界の共通言語」。そしてNVIDIAはその加速装置。
日本国内でROS 2を産業用途で活用している(または活用を開始している)企業は、以下のカテゴリに分類して推察・整理できます。公開情報・技術発表・製品構成・研究連携・導入支援パートナーなどを総合的に踏まえたものです。
カテゴリ別:日本でROS 2を活用していると推察できる主要企業
1. 産業ロボットメーカー(ロボット本体の開発企業)
企業名 | 活用の推察根拠 |
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川崎重工 | 自律型搬送ロボット「Nyokkey」などROSベースで開発中 研究開発部門でROS 2活用を表明 |
安川電機 | 産業用ロボットとROSインターフェースに関する共同研究多数 |
不二越(NACHI) | 協働ロボットの開発でオープンなミドルウェアに関心。公的研究との接点あり |
ダイヘン | 溶接ロボットの自律制御開発において、ROS 2環境での実証を開始 |
2. サービスロボット/自律移動ロボット(AMR)系企業
企業名 | 活用の推察根拠 |
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ZMP | CarriRoや自動運転向けソフトでROS 2を採用(技術資料あり) |
Mujin | 一部システムでROSベースの認識・経路計画ライブラリを組み込み |
ティアフォー(Tier IV) | Autoware(自動運転OS)のベースがROS 2 |
アスラテック(ソフトバンク系) | V-Sido × ROS連携など、企業パートナー向け提供 |
3. 自動車・重工系(実証実験・研究開発)
企業名 | 活用の推察根拠 |
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トヨタ/Woven by Toyota | ROS 2ベースのAutowareと連携。Woven CityでROS利用 |
日産自動車 | 自動運転向けにROSベースの実験車両を使用(英語論文あり) |
本田技研工業(Honda R&D) | 認識・推定系でROSを用いた研究発表が複数存在 |
三菱重工 / IHI | 無人搬送、重機の自律化プロジェクトでROS 2を採用している研究発表あり |
4. 通信・エレクトロニクス系(ROS 2連携ソリューションを提供)
企業名 | 活用の推察根拠 |
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NTTデータ | ROS 2 + 5Gのリアルタイム遠隔制御実験(展示会事例あり) |
NEC | 自律移動型ロボット×顔認証ソリューションなどでROS活用 |
オムロン | サービスロボット分野でROSベースの統合プラットフォーム導入 |
パナソニック コネクト | 配送ロボットの研究開発部門でROS 2ベースの設計に取り組んでいる事例あり |
5. 大学/公的研究機関との連携を通じて活用
機関名 | 企業との関係性 |
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産業技術総合研究所(産総研) | ROS 2技術の国内拠点。民間企業との共同研究多数 |
名古屋大学・東京大学・東北大学など | ROS 2でロボット開発を行う研究室が多く、企業との共同研究が豊富 |
NEDO・JST | 国プロ(例えば「移動知能ロボット技術開発」)でROS 2ベースの環境が使われる傾向 |
補足:ROS 2導入を支援する国内ベンダー
企業名 | 特徴 |
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RT Corporation(RT社) | ROS 2教材・トレーニング提供、国内普及に貢献 |
Hacarus | ROS 2 + AIアルゴリズムの軽量推論基盤を提供中 |
TechShare | ROS対応のハード・センサー販売と導入支援を展開 |
結論:日本の産業界にも広がり始めたROS 2エコシステム
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ROS 2はもはや研究用ツールではなく、量産前提のプロトタイピング基盤
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導入企業は「サービスロボット系が先行し、産業ロボット・自動車系が続く」流れ
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「研究開発 → 技術部門 → 製品組み込み」という3段階を踏む企業が多い
ROS 2のエコシステム(開発者・ユーザー・企業・研究機関などの関係者)は、明確な公式人数統計は存在しませんが、各種の定量的・定性的な指標から推定することは可能です。以下に整理してお答えします。
結論:ROS 2エコシステムの推定人口(2025年時点)
項目 | 推定規模 |
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全世界のROSユーザー総数 | 約50〜100万人(ROS 1含む) |
ROS 2ユーザー数(移行者含む) | 約10〜25万人 |
日本国内のROS 2ユーザー | 約3,000〜5,000人規模 |
推定根拠:エコシステムの規模を示す公開データ
1. GitHubレポジトリのアクティビティ
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Star数:約8,000(2025年現在)
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Fork数:約2,000以上
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コントリビューター:約400名超(主に開発者)
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→ コントリビューターはROS 2の核の開発者層。利用者はこの数十倍規模と推定
2. 開発メーリングリスト / ディスカッションフォーラム(ROS Discourse)
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Discourse(https://discourse.ros.org/):
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月間アクティブユーザー数:数千人規模
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ROS 2カテゴリの投稿:週30〜50件
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→ 技術的な議論・トラブルシューティングを行う中核層は1〜2万人と見られる
3. ROSCon(国際ROSカンファレンス)参加者数
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年間参加者:約700〜1,200人(うちROS 2が9割以上)
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地域別:北米・欧州・アジアからの参加
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例:ROSCon 2023 Kyotoは過去最大規模(約1,200人)
→ ROS 2のコアコミュニティは世界で1〜2万人規模
4. 産業界での導入企業数(NVIDIA, AWS, BOSCH, TRIなど)
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NVIDIA Isaac ROSユーザー:約数百企業(開発者会議より)
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Autoware(ROS 2ベース)関連:Tier IVと連携企業が数十社以上
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Amazon Web Services:AWS RoboMaker(ROS 2対応)契約企業多数
→ 商用利用層は数千〜1万企業規模(開発者含めて10万ユーザー級と推定)
5. ROS Japan Users Group(日本国内)
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Slackコミュニティ:約3,000人超
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ROSCon JP 2023の参加者:約300〜400人規模
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技術系YouTuberやQiitaでも活発
→ 日本国内の実働層は3,000〜5,000人(研究・実証・製品開発含む)
エコシステムを構成する層の内訳
層 | 人数比率 | 内容 |
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核開発者(OSS貢献) | 1% | GitHub上でROS 2本体に貢献 |
アプリ開発者・応用研究者 | 10〜20% | ロボットアプリ、SLAM、認識系などの利用者層 |
利用ユーザー(商用・PoC) | 30〜40% | ロボット導入企業、開発者、プロトタイプ層 |
学生・研究室 | 40〜50% | ROS 2を教育・研究で使っているエントリーユーザー層 |
補足:ROS 2が採用される理由
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DDSベースの堅牢な通信設計(商用対応OK)
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セキュリティ・リアルタイム性・マルチプラットフォーム対応
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NVIDIA、Intel、Amazonなど業界大手が公式支援
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ROS 1からの移行が進行中(2025年でほぼ置き換え段階)
はい、日本の高専(高等専門学校)や大学のロボコンにおいて、ROS 2は関係しています。正確には、「直接使っているチームも増えているが、全体としては過渡期であり、まだROS 1や独自制御も多い」というのが現状です。
以下、技術教育・競技レベル・産業連携の3つの視点から整理します。
1. 教育機関でのROS 2の位置づけ
◎高専・大学での利用状況
教育機関 | ROS 2との関係 |
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高専ロボコン(全国高専ロボコン) | 競技ルール上は自由。ROS使用は「技術的に進んだチーム」が中心 |
NHK学生ロボコン | アクチュエータ制御やSLAMにROS 2を使うチームが増加中 |
大学のロボット開発(例:灘大、東大、京大) | 研究室ではROS 2が主流、教育でも導入が進む(SLAM, Navigation, AI処理) |
産総研・NEDO連携高専 | ROS 2ベースの実証実験やハッカソンに参加する学生が多い |
2. ロボコンとROS 2の技術的接点
ロボコンでROS 2が有利になる要素:
項目 | ROS 2活用の意義 |
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センサー融合(LiDAR, IMU) | Navigation StackやSensor Fusionモジュールが使える |
SLAM / 自己位置推定 | ROS 2標準モジュールで容易に実装できる |
経路計画・タスク分解 | Nav2 / Behavior Tree / Action Serverなどが利用可能 |
カメラ映像の処理 | OpenCVやYOLOとの組み合わせがROS 2でしやすい |
3. 実際の事例(日本国内)
高専事例:
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長野高専:ROS 2ベースでAGV制御を研究、地域の産業連携プロジェクトにも活用
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苫小牧高専:ROSベースの環境認識プロジェクトを学生が研究
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都城高専:全国ロボコンで自律制御+LiDAR SLAMを実装(ROSベースの模様)
大学事例:
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東京大学 JSK研:ROS 2本格導入。人型・四足歩行・ドローンで活用
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名古屋大学 未来社会創造機構:Autoware(ROS 2)ベースで自動運転教育
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立命館大学 / 慶應義塾大学:学生ロボコンでROS 2ベースの制御を採用した例あり
4. 教育カリキュラムとしてのROS 2導入も進行中
教材/支援制度 | 内容 |
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RT Corporationの教材 | 高専・大学向けにROS 2のステップ教材を提供 |
ROS Japan UG(ユーザーグループ) | 学生向けイベント・ハンズオン・チュートリアル支援多数 |
NEDO・経産省の人材育成事業 | 「ROSエンジニア育成」を目標とした産学官連携研修が複数実施中(例:EdgeTech+) |
結論:ロボコンとROS 2は"学術 × 実践 × キャリア"の架け橋に
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勝ちに行くチーム/将来産業ロボットを志す学生は、ROS 2を積極的に学んでいる
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教育としても「卒業後、産業で使えるスキル」として学校側も導入を進めている
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ロボコンとROS 2は、キャリア直結の学びと実践をつなぐ場になりつつある
これでROS 2の技術的な位置付けと日本のROS 2開発者エコシステムがよく理解できました。興味深いのは高専や大学でロボコンを目指す学生達の間にもROS 2が浸透している様子が窺えることです。日本のロボット産業の未来は明るいですね。
このように文系の人間でも、しつこくしつこくChatGPTに質問していくことによって、わからなかったことがわかるようになります。海外産業調査畑の人間としてはそれぐらいの理解であっても、こうしたヒト型ロボの市場規模を推計する調査はできるので、それはそれで良いと考えております。お読み下さってありがとうございます。
引き続き、よろしくお願い申し上げます。