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リサーチのプロとして長いこと歩んできた今泉大輔です。ChatGPT出現以降、Facebookで「ChatGPTとMidjourneyのビジネス活用を探って行く勉強会」を立ち上げ、「ビジネスパーソンにとってのAI」の観点で米国情報を収集して来ました。知的アウトプットの質と量を向上させるプロンプトの開発にも取り組んでいます。

【実務家向け】米国で逼迫するAIデータセンターの電力事情 - マッキンゼー2024年9月レポート

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Alternative2025Feb26B.pngだんだんと優秀さが際立ってきたGrok3でAIデータセンター関連のレポートを探させた所、日本では見つけられずに米国のレポートを何本か拾ってきました。Google検索ではできなかった狭くて深いネット探索です。

うちマッキンゼーが2024年9月に作成した以下のレポートを読んでみたところです。

How data centers and the energy sector can sate AI's hunger for power
データセンターとエネルギー業界は、AIの膨大な電力需要をどのように満たすことができるのか?

冒頭で興味深い数字が並んでいたので、ChatGPTに翻訳させました。

急増する計算能力とデータ需要は、計算能力の向上と同時に、電力消費に対するチップの効率低下によってさらに加速しています。例えば、CPUの性能効率が2倍になるまでの期間は、これまでの2年ごとからほぼ3年ごとに延びています

さらに、2030年までに米国で必要とされるデータセンターの追加容量50ギガワット(GW)以上と見積もられており、これを実現するためにはデータセンターインフラだけで5,000億ドル以上の投資が必要になります。

1GWは原子力発電所一基分の発電容量(100万kW)ですから、2030年まで米国では原発50基分の発電所新設が必要ということになります。これは巨大です!

オフグリッド型の発電設備の建設も焦点

その他、興味深い点を箇条書きで記します。

米国ではNorthern Virginia、Santa Clara、California、Phoenixにデータセンターのハブがあり、新設DCは電源確保に時間がかかっている。米国外ではDublin、Amsterdam、Singaporeで新規顧客は電源確保が難しくて待ちの状態。

Alternative2025Feb26D.png

出典:Mckinsey: How data centers and the energy sector can sate AI's hunger for power, Sep 2024 米国にはDCの電源で見たマーケットがPrimary、Secondary、Emergingと3ランクあり、それぞれがどこに存在しているかがわかる。

・データセンターの建設には18〜24カ月、電力インフラの整備には3〜5年(ガス・再生可能エネルギープロジェクト)、送電網の開発には7〜10年が必要。このタイムギャップを埋めるために、多くのハイパースケーラー(Google、Amazon、Microsoft等の大規模データセンター運営企業)は、コア市場外の地域でキャパシティ拡大を進めています。(今泉注:上記のハブ以外の地域でキャパシティ拡大を進めている)

・Iowa、Wyoming、Indiana、Ohioなどの州では、少なくともトップ4のハイパースケーラーのうち2社が投資を行っている。

電力会社が需要増に追いつかない地域では、送電網の外で独立した電力供給システムの開発が求められているオフグリッド型の発電設備の建設、既存施設の高密度化、補助電力の提供といった事業機会がある。

・低炭素化要求により中長期的には洋上風力、核融合、地熱、ガスCCS(炭素回収・貯留)なども供給元として期待されるものの、短期的には主に太陽光と陸上風力が主流となる見込み。

・新しい電力網の構築には電力設備の供給が不可欠。発電機や電力分配ユニット(PDU)を開発する小規模企業の成長、50~100kW超の高出力ラックの増加に伴う変圧器・配電設備の需要拡大、モジュール化技術の進化(機械、エンジニアリング、配管)(今泉注:さくらインターネットのコンテナ型GPUデータセンターもここに入る) による建設スピードの向上などの投資機会がある。

日本のAIデータセンター新設にも発電所新設や送電網の課題があるはず

日本は島国であり、電力事情は米国とは根本的に異なりますが、AIデータセンターが莫大な電力を必要とし、その電源を何に求めるか?という課題は米国と同様にあります。また電源はあっても送電網がボトルネックになることもあります。この辺、あまり論じられていないようなので、少し調べて展望を得たいと思います。

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