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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

シンガポール政府系ファンド・テマセクが国外インフラ事業向けのプロジェクトファイナンス機能を整備

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シンガポールの政府系ファンドTemasek Holdingsがプロジェクトファイナンス部門を創設しようとしていると報じられています。

Singapore Minister: Temasek In Talks To Develop Project-Financing Institution
Singapore's Temasek in talks to setup project financing firm

記事によると、現在、シンガポール国外、特に新興国における巨額の資金を必要とする長期プロジェクトにおいて資金供給機能が不十分だそうです。プロジェクトファイナンスによる融資機能が整備されれば、港湾を含む複数のセクターが恩恵を受けるとのこと。これはシンガポール政府でも日本で言うところのパッケージ型インフラ輸出を考えていることを示しています。

シンガポールのお膝元であるASEAN諸国では現在、インフラ整備が急速に進んでおり、ベトナム、ミャンマー、さらにはインド洋をはさんだチェンナイなどで港湾を含む物流関連のプロジェクトが多数動きつつあります。それらの成約を狙っているのかも知れません。

Temasek Holdingsは運用資産が1,340億ドル。シンガポールの主要企業を傘下に収め、出資企業の世界展開を後押ししています。シンガポール航空、携帯電話シングテル、チャンギ国際空港、コンテナターミナル運営会社PSAなどがTemasekの傘下。空港運営、コンテナターミナル運営はいわゆる国際インフラ事業の範疇にあり、シンガポール企業が新興国などにおいて、ファイナンス・設計・建設・オペレーションを丸ごと獲得することには大いに合理性があります。特に港湾部門ではシンガポール港自体がコンテナ取扱数世界一であるので、PSAの競争力も高いものと思われます。

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