テレビ局を傘下に持つ新聞社向けの新しい広告媒体
最近米系ニュースサイトをちょくちょく見ていますが、Yahoo! Financeで新しいフォーマットのニュース提供が始まっているのに気づきました。
例えばこれ。ナビゲーター役のSarah Lacyさんが左右に顔を動かしてしゃべるのが非常に新鮮ですが、それは本題ではなく…
(1)左側に動画があり、
(2)右側に要約記事があり、
(3)ページ全体を単一のスポンサーが独占している(動画部分も含む)
という形態が非常に新しいと思いました。
テクノロジー的にはまったく新味はありません。
けれども、情報取得側からすると、わりと便利です。というのも、テキストによる要約があるから。
情報取得目的でニュースサイトを巡り歩いている際に、動画ほど邪魔なものはありません。というのも、動画には一覧性がないから。情報を把握するのにすべて見なければなりません。普通は動画をスキップしてしまいます。
そこでテキスト部分の意味が出てきます。テキストがあることで、それをさっとスキャンすることができ、そうすると自分にとって必要な情報であるかどうかがすぐにわかります。
このテキスト要約と動画という情報提供フォーマットは、まったく新味がないように見えながらも、実はかなり普遍的な要素を持っていると思います。
テキスト部分にとって動画が付加価値になります。例えばこのページではSarah Lacyさんが左右に顔を動かしながらしゃべるのを見て、少し楽しい気分になることができます。テキスト部分をSarah Lacy本人が書いているのもポイントです。
動画部分にとってはテキスト部分が先導役となります。動画に含まれるキーワードがすでに文字になっていることで、一瞬にして脳が認識でき、興味があればクリックします。動画のビューを上げる効果があります。双方相まって、非常に理想的な情報提供環境となっています。
そしてこのセクション全体をScottradeというオンライン証券会社が独占的にスポンサードしているのもなかなかいい感じです。Scottradeは動画冒頭でもロゴを表示させています。
このフォーマット、テレビ局を傘下に持つ新聞社のニュース配信に利用できるのではないでしょうか?広告媒体価値もかなり高いと思います。本来的には、時間が”ない”人のための情報配信フォーマットなので、忙しいビジネスパーソンを狙えるでしょう。
あと1つ言い添えたいのが、Sarah Lacyさん的なキャラクターからスターが生まれる予感があるということ。彼女を検索してみると、しっかりとした自分のページを持っており、単著もあるジャーナリストだということがわかります。こういうネットでの露出。キャラ。マスク。しゃべり方。そして本人によるテキスト。本人が登場する5分ほどの動画。こういうクロスメディア環境から、次代の新しいスターが登場するということは、ないでしょうかね?