2011年を勝手に予想してみる
2011年も始まりましたので、今年の予想でもしてみます。
■CPU(x86)編
CPUに関しては、IntelとAMDの両方とも2011年は大幅にリフレッシュされます。
・Intel
年明けにSandy Bridgeが発売されます。変更点は大きく2つあります(AVXもそうですが、これはまぁ、ソフトが揃えばの話なので)。GPUの搭載とトレーサーキャッシュです。前者の登場でローエンドGPUの市場は崩壊を促進するでしょうし、後者は消費電力あたりの性能向上(また性能自体も)は大幅に上がると思われます。
Sandy BridgeのインパクトはNehalem系が出てきたときよりも大きいため、PCの購入の促進に寄与してくれると予想しています。ただし、残念なのがDirectX 11をサポートしないところでしょうか。
・AMD
AMDははっきり言えば2011年飛躍の年にしたいはずです。3つの新製品が出ます。
サーバ及び上位CPUとしてBulldozerコアの登場です。AMDはBulldozerに関しては情報を小出ししています。それほどIntelを警戒しているのではないかと思われます。たぶん、予想外に性能がいいためではないかと。マルチスレッドソフトの向上は相当あがると思われます。また、久々にFXブランドの復活とデュアル構成版がでると噂が流れています。AMDのサーバ向けCPUの販売に大きく寄与すると思います。ただし、デスクトップPC向けは市場が縮小に向かっているため、あまり良い結果をもたらさないのではないかと思います(私個人の意見としては、これで自作したい)。
メインカテゴリにはLlanoが登場します。CPUコアはK10ながら、ミドルレンジのGPUを搭載します。昨今のCPUのトレンドでGPUを搭載しますが、性能と効果がどの程度有効か気になるところです。また、今回はCPUにGPUをくっつけただけのようなので、今後の展開が気になります。ノートPC向けにはある程度アピールになるかも知れませんが、Sandy Bridge相手には少し厳しいと思います。1年前に出ていれば少し違ったかも知れませんが、2012年のBulldozerコア対応版から勝負でしょうか。
ローエンドカテゴリにBobcatコアが登場します。これは2010年中に出荷されており、2011年の初めには製品が出荷が予定されています。AtomとメインカテゴリCPUとの性能差がどの程度あるのか気になるところです。もしかすると多くの人にとってこの程度のパフォーマンスが十分かも知れません。ローエンドカテゴリではAtomを追いやる可能性が高いと思っています。
■CPU(ARM)編
AppleのA4の"4"は、iPhoneの世代と同じ数字ではないかと思われます(違うかな?)。2011年には5世代目のiPhoneが出てきます。そうなると、CPUは変えてくるのではないかと思われます。具体的に言えば、コアをARM Cortex-A9に(具体的に言えば、"ARM、Samsungの32nmプロセスを用いたCortex-A9の最適化パッケージを発表")。A4はCortex-A8です。
Cortex-A8の1GHzの性能は2,000 DMIPSです。デュアルコアのCortex-A9の800MHzの性能は、4,000 DMIPS(またアウトオブオーダーです)です。コア数と周波数次第では2倍の性能が上がる可能性があります。また、iOS 4からはアプリがマルチで動くことが出来るようになるため、CPU側もデュアルコア化による性能向上は期待できるかも知れません(スマートフォンにマルチスプロセス・スレッドの必要性がどの程度...という議論もありますが)。
このため、A4の次世代がデュアルコアのCortex-A9になれば、出来ることが広がります。それこそ、Macbook Airクラスに入れるのもありなのではないかとさえ。その場合はiOSももっと高性能化(もしくは、iPhone/iPad系と枝分かれが必要だと思いますね)が必須になりますが。
また、TSMCやGFが28nmの製造が出来るようになるため、Cortex-A9の高性能化された製品が出てくると予想されます。このため、スマートフォン、メディアタブレット、Chrome OS搭載製品などは2011年で高性能化に伴い2010年とは違った利用方法が出てくると予想しています(PCの離脱化の加速)。
■GPU編
残念ながらシュリンクが2011年の後半にしかこないため、1H'11はそれほど目新しい製品はなく、Radeon HD 6970の出荷、GeForce GTX 460の後継機種(GTX 560)あたりは期待できると思われます。特に後者は、Radeon HD 68xx系と対抗される製品で且つ、最も売れ筋(ハイミドル)のため、市場的なインパクトが大きいと思われます。
また、DirectComputer/OpenCL/CUDAもそろそろ仕様用途がゲーム以外で一般化を模索された結果が出るのではないでしょうか。
スパコンのGPU利用ももう少し進むと思われます。特にGF110の省電力化も行われているため、早々にスパコンにも採用されると思われます。クラウドでもGPU対応も始まりましたし、CUDAの普及はもう少し広範囲に広まると思われます。
ただし、いいことばかりではなくCPUにGPUが搭載されるため、ローエンドモデルのは壊滅するでしょう(注:すぐに新しいCPUの普及率が向上するわけではないためすぐに全滅するわけではありません)。
多画面化に関してはゆっくりと広がるか27インチクラスが手に届く範囲に降りてくるかも知れません。私としては多画面化が普及してほしいと思っていますが、こればかりはスペースの問題もあるため、難しいかとも知れません。
■メディアタブレット
2010年はメディアタブレット元年でした。iPadショックとAndroidタブレットが発表されましたが、勢いが止まったとも言われています。
このあたりは、電子書籍の本格化スタートやiPadの後継機種次第でもうワンランク上にいける可能性があると思っています。iPadの後継機種関しては、現実歪曲空間の使い手があれほど7インチクラスを指を削らないと使えないと吼えていましたが、かの総帥はツンデレなので発言を鵜呑みにすることは出来ません。第一指を削らないといけないならiPhoneはだめですよね?と言う突っ込みが入るほど論理的でありません。このため、iPhoneを一回り大きくしたものがでると良いですね。持ち運んで本クラスの量のデータを見るには、5~7インチクラスがスイートスポットだと思います(ギャラタブももう少し軽いほうがいいのでは?)。
私としては、Web Storeとの連携、電子書籍のサポート率の向上、軽い機種のラインナップ充実があれば2011年はGartnerの予想よりも出荷台数(5,500万台)が増えると予想しています。
■OS
AppleはOSのリプレイス(Lion)を行います。MicrosoftはARM版Windowsの発表などもはあってもWindows 7の後継に関しては、時期的には無理でしょう。
それ以外のOSとしてはChrome OSに期待しています。最初のスタートはiPadを超えることは難しいと思いますが、ゆっくりと進むように思えます。こればかりはハードを手がけている経験の差(GoogleとApple)が出てくると思われます。
■ブラウザ競争
IE 9の登場が目玉になると思われますが、Microsoftが本当に気にしないといけいないのは、IE 9の後です。Chrome、Firefox、Operaは更新頻度を上げています。これは策定中のHTML5への対応などがあるためです。また、WEB Store等の対応や拡張機能(Javascript)での対応を考えると小出しで対応していくほうがスマートだと思われます。
ただし、Chromeの様に強制アップデートはいいことかどうか分かりませんが。
IE 9は過去のMicrosoftの方針から見ると大きなジャンプだったかも知れませんが、それでもまだまだ不足しています。またIE 9がゴールでないことは多くの人が認識しています。
このため、IE 9の次への対応次第ではIEのシェア低下を抑えることは出来ないでしょう。
Firefox 4でFirefoxのシェア低下が止まることを期待したいところです(私はFirefoxユーザ)が、出来がいいがどの程度Chromeに流れたユーザを取り戻すことができるの不明です。こればかりは、難しいですね。
Safariは、年1の更新ペースを維持するのか気になるところですし、GPUへの対応もどの程度行うのか気になります。このあたりはMac優先のブラウザだけにどうなるのか未知数です。
Chromeの更新とJavascriptの性能向上はこのまま行くでしょう。他に先進的なものを何を盛り込むのか気になるところです。
Operaは、2011年中は大幅なバージョンアップはないと思いますが、Opera miniのシェアが増えています。miniが、PC版に逆転する可能性があるかも知れませんが、2011年中はありません。また、拡張機能に関しては他のブラウザから比べると少し見劣りします。拡張も他のブラウザ並にしてくれることを希望しています(と、言うか拡張機能の統一もお願いしたい)。
■スマートフォン
出荷台数とOSシェアの推移に関しては、Androidのシェア増加はより進むでしょうし、スマートフォンの出荷台数は、2011年にはPCを超える可能性があります(Gartnerもそのようなデータを出しています)。
ただし、Googleがやりたいことがいまいち分かりません。Web StoreとAndroid系Marketは統合する予定はないのでしょうか。両方を統合してくれれば、結構面白結果になるのではないでしょうか。
■まとめ
2011年は、半導体の売り上げ予想を見る限りは、各デバイス出荷台数の伸びはプラスにこそなってもとてもいい一年になるとは思えません。2010年はiPadの登場があり市場が沸きましたが、2011年はカテゴリが創造されるほど製品が出てくるでしょうか。なかなか渋い年になるかも知れません。
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