PC出荷台数(4Q'12)~HP返り咲くけど...~
"Gartner Says Declining Worldwide PC Shipments in Fourth Quarter of 2012 Signal Structural Shift of PC Market"でGartnerから4Q'12のPC出荷台数が発表になりました。いつものようにグラフ化してみました。今回からはASUSのシェアも追加しています。
■PC出荷台数シェア
3Q'12でぎりぎりLenovoがHPを逆転しましたが、再度HPが逆転し返しました。1Q'13はLenovoは季節的要因のため逆転はできないと思いますが、2Q'13はもしかするとLenovoが再逆転するかも知れません。
2012年のPCは年間で-3.5%のマイナス成長で3.52億台でした。
Windows 8が起爆剤とはならなかったPCはどうなるのでしょうか?
Dellは株式非公開化に向けて行動を開始したと言われています。これは短期的な行動を株主から批判を受けないためとか。これは良いことかどうかわかりませんが、今のDellには大きな賭けは必要だと思います。現状を打破するには批判を省みない挑戦を行うべきです。
ASUSは、Nexus 7のタブレットも好調なようで今後AcerやDellを出荷台数で抜く可能性はあります。もっとも幸運なケースで1年後にはASUSはAcerもしくはDellを抜いている可能性があると考えています。
PCの不調はPCメーカだけではなくCPUを製造しているIntelにも影響を与えています。半導体売り上げの成長率に関しても、Intelは2012年はマイナス成長だったようですし、モバイルデバイスでもっとも成長率が高いQualcommにも株価で抜かれました。
PCは一般的なガジェットではなくなり、業務用もしくは一部のユーザにしか受け入れられないものになるのでしょうか?
Intelはこれを回避するためにUltrabookや小型のPC(NCU)キットや、Atomを使ったタブレットで提供するスタイルを多様化しようとしています。Atomのタブレットに関しては私は面白いと考えています。
LenovoのThinkPad Tablet 2は、重量と性能を考えるとiPadやAndroidタブレット以上の性能を見せています。これならばiPadやAndroidタブレットを選ばずにAtomタブレットを選択するのも決して悪い選択肢には見えません。ただし、iOSやAndroidはスマートフォンもエコシステムの中に入っていため、将来のソフト資産と過去のソフト資産を天秤にかけると今はちょうどつりあっていると思います。
もし、Atomで7インチタブレットや高解像度の製品が出てくればまた違ってくるかも知れません。現時点では性能とWindowsソフトの資産としては価値があるタブレットの選択肢が出てきたかなと思ってはいますが。
x86もしくはPCはこの分野にも進出が必須でしょうが、その場合は価格はまた安くならざるを得ないのではないかと思います。高額で取引できていたCPUでこの分野に進むのはIntelとしては苦痛かも知れません。
PCの需要がこのまま減っていくのか、それとも復活を果たすかはわかりません。今のままではマイナス成長が続くと思います。これを覆すにはよほどのことがおきないといけません。Atomタブレットの小型化して、ASUSのPadFoneの様な製品が出てきたら受けると思うのですが、消費電力的に難しいですかね。