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PS4のCPUに関して疑問

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PS4のスペックに関して少し発表されました。詳しくは、以下のページがいいと思います。

PlayStation 4のCPUコアはなぜ「Jaguar」なのか
次世代ゲーム機「PlayStation 4」をSCEがニューヨークで発表
西川善司,PS4にまつわる6つの疑問に答えるそぶりをしてみる~PS4はPS4.1,PS4.2と進化する!?

PS4のCPU/GPUがAMDのAPUを選択しました。なぜAMDのものを選択したのでしょうか?SCEが選ぶことが出来たと思われる構成は以下があったのではなないかと推測しています。

1.Cellの拡張
2.Intelのx86+Larrabee
3.ARM系とGeForce
4.ARM系とPowerVRもしくはMali
5.AMDのx86+Radeon(APU)

1は相当早くに選択肢からこぼれたと思います。PS3がそれほど成功しなかったことCellがそれほど普及しなかったことです。また、XBox 306は最後はCPUとGPUを一つにしてシュリンクできたのに、Cell+GeForceの組み合わせはこの話はありませんでした。NVIDIAがIPを販売してくれなかったためでしょう。開発コストと収益ではとてもCellの拡張を選択できなかったと思います。

2は以前から噂がありましたが、選択されませんでした。現状のLarrabeeの系譜を見ているとこれを選択するのは相当リスキーだったと思います。また、ゲームメーカは経験が無いハードを選ぶことはCellを選択したときと同じことがおきる可能性があります。Cellの失敗を考えるとやはり選択しづらかったのではないかと思います。

3に関しては、IPの販売とNVIDIAの戦略を考えるとなかった選択肢ではないかと思います。NVIDIAがうんと言うほどコストは払うのは無理だったのではないかと思いますし、NVIDIAはTegraを相当力を入れていますし、Cortex-A15が28nmでは相当厳しいそうな現状を考えるとこれは難しいのではないかと思います。

4の選択肢は面白かったのではないかと思います。ただ、2013年の秋にARM系はCortex-A15が使用できますが、2013年2月の時点でCortex-A15を販売できているのはQualcommとSamsungだけです。Qualcommは専用コアをですので採用は出来ません。TIやSamsungの苦戦を考えると2013年にCortex-A15採用は若干リスキーだったと思います。また、PowerVR系は大規模の構成はできるとは言っていますが、実績はありません。モバイル形GPUの部分は据え置きタイプのゲームコンソールには少し荷が思ったでしょう。ARMのMailも実績は多くはありませんでした。

消去法から言っても5が最も有利です。2013年の時点で強力なCPU/GPUを準備でき、且つ将来の低コスト化のロードンマップをすぐに描くことが出来ます。

このため、SCEはPS4のAPUとしてAMDを選択したのではないかと思われます。

そのPS4のAPUですが、今後どのようにしていくのでしょうか?

PS4のAPUは詳しい情報は公開されていません。ですが、以下のことは分かっています。

・CPUはJaguarで28nmでは1コア3.1平方mm
・GPUはRadeon 7850/70のコアでしょう。バスは256bit。周波数が800MHz
・製造はTSMC

Jaguarコアを使ったCPUであるKabiniとTemashのダイサイズはまだ公開されていません。ただし、メディアタブレットのサイズでも入れる予定のためそれほど大きくないでしょう。たぶんサイズは前製品と同じ程度と予想されます。Kabiniの前製品であるZacateのダイサイズは77平方mmでした。

ZacateのCPUが占める割合は3分の1程度でした。AMDはIntelに対してGPUが優れています。差別化の意味でもGPUをプッシュしたいためGPU部分が大きくなるのは当然です。このため、28nmで製造されるKabiniも同じ程度の割合ではないかと思われます。そうなるとCPUの部分が4コア(L2込み)で25平方mm前後でないかと。

PS4のCPUはJaguarが8コアです。そうなるとCPU部分のダイサイズは50平方mm前後のサイズではないかと思われます。

Radeon 7850/70はPitcairnと言う開発コードで、ダイサイズは212平方mmです。このため、PS4のAPUのダイサイズは260~300平方mm前後ではないかと思われます(280平方mmかな?)。

XBox 360はスタート時に160平方mmのCPUとGPUでスタートしましたし、PS3もCellは200平方mmを超えたサイズでスタートしました。PS4のAPUが300平方mm前後でスタートしてもそれほどおかしな話ではないかと思います。

PS4のAPUの製造はTSMCで行われます。TSMCのロードマップは今のところ以下になっています。

・20nmは2012年第4四半期にリスクプロダクション開始
・16nmは2013年の第4四半期に立ち上げる。
・10nmは2016年に留まっている

PS4を2013年の11月に出荷することを考えると2Q~3Q'13で製造が出来ていないといけないでしょう。20nmの製造が2013年末と言われているため、PS4のAPUで選択できるプロセスは28nmしか実質ありません。

2014年にはTSMCの製造キャパにもよりますが、20nmにシュリンクが出来ている可能性があります。プロセスは大体2年毎に更新されますが、タイミングがよく2014年にはPS4はシュリンクして低コスト化が出来ているかも知れません。

16nm製造は2014~2015年と言われています。昨今のシュリンクの遅延を考えれば早くて2016年だと思われます。3年後にシュリンクできて低価格化とシェア拡大が起きるのではないかと予想されます。

また、PS4のAPUに関して一番疑問があります。それはAMDがそれを販売することがあるかです。2013年にAMDから販売予定のAPUはRichlandは基本的に現行のTrinityとあまり変わりません。このため、2013年にAMDが出荷予定のAPUの中でもっとも高性能ななのはPS4のAPUの可能性もあります(CPUはスループットの意味合いにおいて)。

PS4のGPUはリッチなのでゲーム系PCにメリットがあると思います。ただし搭載するメモリ量が8GBとPCとして少ないかと思いますが、CellもIBMが使用するものはXDR DRAMではなくDDR系を使用できるチップを使っていました。AMDが使うほうはDDR系のメモリを変更した製品もありかと思われます(開発費がどの程度違うかわかりませんが)。

また、ゲームコンソール系はシュリンク&スペックの固定化を行います。半導体技術が向上するため、昔はリッチな機能でもすぐに陳腐化します。ですが、CPUやGPU部分は周波数を上げることで性能は向上できます(限界はありますが)。このため、高周波数版をAMDに、それ以外はSCEに提供するような方針にして開発費の折半や歩留まりの向上などを行えば、開発コストの低下と製造コストの低下で一気にPS4の価格を下げることができます。AMDも開発費を下げたいでしょうから、SCEと組むのも悪くないと思います。

SCEがAMDのAPUを選択したのは開発費のリスクを考えれば妥当な選択です。若干CPU部分が弱いですし(GFが....)、バス幅は広すぎる気がしないでもありませんが、TSMCのロードマップが予定通り進めば他社よりも有利な状況を作ることができる可能性がありますし、AMDの提携がより深くなればお互いにAPUを使うと言うシーンがあるかも知れません。

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