オルタナティブ・ブログ > 教育ICT研究室 >

グローバル化する中で日本人はどのようにサバイバルすればよいのか。子ども×ICT教育×発達心理をキーワードに考えます。

みなさまは目で見ると入力できるパソコンをご存知ですか?

»

みなさま、はじめまして。片岡麻実です。普段はパソコン講師として、職業訓練校や企業研修の講師をしております。

近年、主に学習障害など紙の本を読むことが難しい方々に電子図書を作成して、読書の楽しみを味わっていただこうという厚生労働省の障害者自立支援プロジェクトの委員をさせていただいたこともあり、人材育成(キャリア教育)やITに関することに加えて、UD(ユニバーサルデザイン)や福祉にも関心を持っております。

最近はチャレンジドの方との交流も増え、自分では思いつかないステキなことをたくさん教えていただいているなあと、新しい体験が多くてうれしいかぎりです。このブログはITのブログなのですが、題名が「片岡麻実の人生サバイバル」なので、ITだけでなく人生全般の話題も時々、盛り込まれる予定です。

初めての記事なので軽く自己紹介を。私自身が文学部の出身で、大学院では中世日本文学の絵巻物を研究していたのに、やんごとない(?)事情により、パソコンをろくに使えないままソフトウエア会社に就職するというとんでもない社会人スタートを切りました。

何せWordはレポートを書くために文字入力と太字しか使えなかったし、EXCELはSum関数しか使えないという悲惨なレベルでした・・・・・・・・。プログラミングをしたことがないのに、諸事情で就職せねばならなくなりました。

しかし、一般の企業は文学部の大学院の女性学生は年齢が取りすぎなので、そもそも応募できないという状態になりました。就職活動を始めたのが大学院の修士の2年生の4月からなので、すでに私は24歳だったのです。

そんなど素人の片岡麻実がいきなりプログラマーに応募したのですから、そりゃ、ふつうは落ちます。プログラミングをしたことがないのにプログラマーに応募したのですから落とす方が普通です。

ただ、運がいいことに20社目くらいで正社員で就職できたので人生わからないものです。 就職してからが大変なことになりましたが、あきらめないで継続していると救いの手が伸びるのですから不思議です。たよりなさそうなのがよかったのでしょうか?なぜ就職できたのか今でも謎ではありますが、運がよかったらしく絵巻物を研究していた私がIT業界に入りました。

その後も運だけでしのぎ、300人ちょっとの中小企業で経営企画部で働いたりしたので、人材教育の仕事についている現在、その時の体験が役立っております。

経営企画部にいた時は社長や取締役が私が所属する部署に来てほぼ毎日会社の経営について話をしているので、経営者の人が考えていることが多少は会話から垣間見られたわけです。

私が偉くないのに「仕事ができる人、頭がいいのに仕事ができない人の差は?」などとキャリア教育の講座で話すのは、おそらく仕事ができると思われる経営者の方と出逢う機会が多かったからです。

決して私はできる社員ではないので恐縮なのですが、過去に運がいい経験をさせていただきました。

私の身の上はすでに長くなっておりますので、今日はこのあたりにしていよいよメインのお話へ。今日のメインの話題は「みなさま、目で見て入力できるパソコンを御存知ですか?」です。まずは以下の動画をご覧ください。

動画に出演されているのは、私の兄弟子の加藤高明さんです。日本ウェブ協会(W2C)の会員としてwebデザイナーとして御活躍の方です。私がWebデザインを勉強中なのもあり、兄弟子としてアドバイスをいただいております。兄弟子と書くと落語の世界みたいですね。

「この動画を私のサイトなどで紹介させてください」とご本人にお願いし、御快諾をいただけたのでご紹介できました。加藤さんありがとうございます。

「目でパソコンの操作をしたり、文字入力できるパソコン」の動画に登場されている加藤さんは体の動きにハンディがあるため、パソコンを操作するのも一苦労をされていらっしゃいました。

ところが北欧では、手を使わなくても目で見るだけで文字を入力できるパソコンが実際にあるそうで、加藤さんは日本語版のモニターとして動画でパソコンを操作されていらっしゃいます。

加藤さんは目で画面に表示されたキーボードを観ることでスムーズに文字がWordに入力されていらっしゃいますが、私が加藤さんのパソコンで同様のことを試したら最初はうまくいきませんでした。

どうやらパソコンが視線をセンサーなどで感知しているらしく、身長の差があるために私の目線が加藤さんより上だった模様。片岡は座高が高いのです......。

そこでキャリブレーションをして、視線の認識をまず「片岡仕様」に変えていただきました。そして、同じところを0.7秒見つめたら文字を入力にしていただきました。最初はなれませんでしたが、コツがつかめると手を使わなくてもWordに文章が入力できました。びっくりしました!

キーボードの配置も一般のキーボードと同じものもありますし、iPhoneのように携帯使用のキーボード表示にも切り替えられました。その他、数種類のキーボードの配列・表示があるようでした。

日本は技術力が高いといいますが、北欧では実際にこのようなパソコンが製造され、販売されていることに衝撃を受けました。「あったらいいな」が外国では本当にあったのです。

このような目で見ると文字を入力したり、ソフトを操作できるパソコンが日本でも普通に買える状態になれば、寝たきりでほぼ体が動かない方も、自分で目で入力することが可能です。高齢者の方や何らかの事故で負傷された方、病気などの方も、自己表現したり、生活に潤いを出すことが可能になるかもしれないのです。

現実にこのようなパソコンが存在しているので、日本でも一般の方々もあたりまえに使えるように普及してほしいものです。

ITが人生をハッピーに変える力があるのだなあ、とこの目で入力するパソコンを知って感じました。

私もパソコンの講座をする際は、「ITって使い方によってはハッピーをもたらす可能性もあるんだよ」ということを伝えていきたいです。

プログラミングの授業だと生徒さんがどよーんとしてしまうこともありますが、
ハッピーをたくさん伝えていけることをみなさまにもぜひお伝えしたいなあと考えております。ITだけに特化した内容ではないブログですが、今後ともよろしくお願いいたします。

関連記事

  1. みなさまは目で見ると入力できるパソコンをご存知ですか? ←本編
  2. 携帯未対応サイトを携帯対応にするために-情報格差の解消のために-
  3. ユニバーサルデザイン(UD)を実現する取り組み・2「Adobe Readerの読み上げ機能」-情報格差を解消するために-
  4. ユニバーサルデザイン(UD)を実現 取り組み・3「DAISY XML規格」 -情報格差を解消するために-
  5. 加藤高明さんが語る「ユーザが使いやすい企業サイト」の秘訣とは
  6. 加藤高明さんが語る「みんなと同じようにタックスペイアになりたい」を実現するために
Comment(11)