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グローバル化する中で日本人はどのようにサバイバルすればよいのか。子ども×ICT教育×発達心理をキーワードに考えます。

子どもたちに配備してほしい端末・アプリについて

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情報教育に関するさまざまな取り組みをされている望月陽一郎 先生に、2013年から教育現場の状況や先生のお考えについてインタビュー形式で伺っています。

今回は望月先生が独自に調査された「GIGAスクール端末活用の現状と次期に期待するものについてのアンケート」を踏まえ、「次期更新で子どもたちに配備ほしい端末・アプリについて」をお聞きしました。

【望月先生 プロフィール】

大分県立芸術文化短期大学非常勤講師。Forbes Japan電子版オフィシャルコラムニスト。公立中学校理科教諭(理科)・大分県教育センター指導主事(情報教育)などを経験されています。自作の「micro:bit『サンプルプログラミング集』」などをサイトにて公開されています。

望月陽一郎 個人サイト:http://mochizuki.net/

次期更新で子供たちに配備してほしい端末について

―今回はまずGIGAスクール端末活用の現状と「近づいている次期更新で子どもたちに配備してほしい端末について」お伺いしたいと思います。

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「小学生に配備してほしい学習者用端末のOS」(20245月)n=152

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「中学生に配備してほしい学習者用端末のOS」(20245月) n=124

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「高校生に配備してほしい学習者用端末のOS」(20245月)n=71

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「特別支援学校に配備してほしい学習者用端末のOS」(20245月)n=54

―小学校・特別支援学校で特に希望が多いiOSiPad)では、「起動や操作性」「アプリの豊富さや特別支援に有効」「直観的操作性」「デバイスの特性や使い心地」などが理由としてあげられていました。

―「起動や操作性」は「起動が早い」という意見が多いのが印象的でした。端末の起動の速さについてはChromeOSが優位なのではないかと思っていたので、意外な結果でした。

望月先生:機種によって違いがあると思います。私もChromebookiPadの両方を使っていますが、年式的に古いChromebookのほうが起動時間は短いようです。Windowsと比較して、という意味かもしれませんね。

―「直観的操作」「デバイスの特性や使い心地」は、他のOSに較べて直観的に使えるからという意見が多数ありますね。私の場合、パソコンはWindowを搭載したレッツノート、スマートフォンはiPhone、電子書籍のマンガを読むときはiPadという使い方しかしたことがないため、iOSが直観的に使用できることは実感できるのですが、ChromeOSと較べてどうなのかという点はよくわかりません。望月先生は「直観的な操作」「使い心地」についてどう思われますか。

望月先生:先程も言いましたが、私はいろいろな端末を使い分けています。タッチすれば動かせるのは、iPadの魅力で、「閲覧用」として重宝しています。「作業用」として使うのは、もっぱらChromebookです。キーボードを多用するからですね。全体を見てわかるように、中・高校と進むと、ChromeOSWindowsの希望がiOSを上回ります

―希望が多い中学校高校など、ChromeOSを希望する理由は、「キーボードや操作性」「起動や操作の速さ」「メンテナンスや管理の手軽さ」「教育機関において使いやすい」「アプリやサービスの利用しやすさ」などでした。

―「起動や操作の速さ」については「iOS」も理由として多いのですが、「メンテナンスや管理の手軽さ」という意見がChromeOSの魅力の1つのように感じました。ChromeOSはどのようにメンテナンスや管理が手軽なのかを教えていただけますか。

望月先生:ChromsOS自体が「クラウド」で管理できるからだと思います。私もこの5年くらい、Chromebookをメインマシンとして使っていますが、Chromebook「端末」で、メインはGoogleアカウント」なのです。アカウントを入れれば自分のマシンにすぐなる、というのは大きなメリットだと思います。同じアカウントをiPadでもスマホでも使っているので、常に同期されているのです。

ChromeOSの魅力として、「共同編集や検索などを通して、個別最適な学びと共同的な学びを実現」しやすいというご意見もありました。学校でそれらを実現できたらたしかに非常によいことだと思われます。

―また、iPadMicrosoft365との相性がよくないため、Microsoft365ChromeOSで活用できないか試しているという意見も見られました。Microsoft365を使用するのであればWindowsの端末を使ってはどうかと思い、Windowsの端末を希望する理由を見たところ、「使用経験や慣れ」「将来性や教育のため」などが多かったようでした。

望月先生:慣れ、の中には「先生方が使い慣れている」という意味もあるようです。「将来性や教育のため」というのは、「大人になってからWindowを使うから」「教育プラットフォームとしてTeamsが児童にとって使いやすい」という意見もありました。

これは、「リーディングDXスクール」で言われている「ビジネスパーソンが活用しているソフトウェアを子供たちも同じように使う」というところにつながるのでしょうが、Windowsにこだわる理由はありません。

―確かに「Office等の使用に慣れさせるため」「PCを使わせたい」「教員が校務で使用しているのがWindowsなので、使い勝手が良い」等のご意見がありました。

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「次期更新後使いたいライセンス(中高一貫・高校)」(20245月)n=27

―中高一貫・高校で「次期更新後使いたいライセンス」の回答を確認すると、「Google for Education」「Microsoft 365 Education」が多いですね。Microsoftライセンスが一番多いわけではないのはどうしてでしょうか。

望月先生:それはGoogleのツールのほうが使いやすいからなのでしょう。私も共有やクラウド保存など、仕事ではMicrosoftOfficeより使うことが多くなっています。

次期更新で子供たちに使わせたいアプリ・サービスについて

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「子供たちに授業や自宅で使わせたいアプリ・サービス(小学校)」

20245月)n=104

―小学校で子供たちに使わせていきたいアプリ・サービスは「Google Classroom」「ロイロノート・スクール」「学習者用デジタル教科書」「Canva」「デジタルドリル」が多く、バラエティに富んでいますね。

望月先生:これまで調査した結果とほぼ同じなので、これまで使ってきた使いやすいアプリ・サービスを使わせ続けたい、という声が多いのでしょう。

また、10月でサービスが終了した「GoogleJamboad」ですが、今回の調査では選択肢からはずしています。どのサービスに移行しているのかというと、「ロイロノート・スクール」「Canva」「Googleスライド」などではないかと思われます。ここも近い内に調べてみたいですね。

後継サービスと言われている「FigJam」「Miro」などは、これよりも数が少ないので、グラフに出ていません。

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「子供たちに授業や自宅で使わせたいアプリ・サービス(中学校)」

20245月)n=59

―中学校では、「Google Classroom」「学習者用デジタル教科書」「ロイロノート・スクール」「Googleスライド」「Googleドキュメント」「Googleスプレッドシート」と、小学校よりGoogleのサービスが多いですね。

望月先生:やはり、小学校と比べて中学校ではインプットよりアウトプットの場面が多くなるので、希望するOSとしてChromeOSが多かったこととあわせて、ChromebookGoogleサービス」を使いたいということなのでしょう。

中学校でもCanvaの希望が多いですね。FigJamが若干見られます。

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「子供たちに授業や自宅で使わせたいアプリ・サービス(高等学校)」

20245月) n=27

―高校では、「Google Classroom」「Microsoft PowerPoint」「Googleスプレッドシート」「Microsoft Excel」「Microsoft Word」「Googleドキュメント」「Googleスライド」となっており、Microsoftのアプリが増えています。

望月先生:これが、高校で希望するOSとしてWindowsが増えている」理由なのでしょう。

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「子供たちに授業や自宅で使わせたいアプリ・サービス(特別支援学校)」

20245月)n=9

―特別支援学校の場合は回答者数が少ないのですが、多種多様な印象を受けました。

望月先生:そうですね。ここまで見てきて全体として次期更新で希望されているアプリ・サービスの傾向はわかると思います。

「希望OS、希望するアプリ・サービスは、校種や発達段階により異なる」ということですので、次期更新で言われている「都道府県ごとの共同調達」によって、県内が統一されてしまうと、こういった子供たちに合わせた端末・アプリが導入されない危険性があります。

共同調達に関するガイドラインでは、県内で統一しろ、と言われているわけではないので、現場の先生方の声を多く聴く場を設けて、子供たちの実情に合わせてほしいですね。

―なるほど。そうですよね。今回もアンケート調査に基づいて、いろいろなお話をお伺いすることができました。

次回は「学校における教育ICTの現状について」伺えればと思います。今回も貴重なお話をしてくださった望月先生、および記事をお読みくださった皆様、大変ありがとうございました。

>>「学校における教育ICTの現状について」につづく

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