衛星データ利用ビジネスの促進
経済産業省は2024年4月15日、「第2回 産業構造審議会 製造産業分科会 宇宙産業小委員会」を開催しました。
本委員会では、宇宙戦略基金での実施を検討中のテーマ案について検討・議論がなされています。
宇宙戦略基金で取り組むべき特に緊要性の高い課題では、日本の民間企業による国内外の成長市場の獲得が早期に見込まれ、また、宇宙活動の自立性の確保に直結する衛星及び宇宙輸送の分野にまずは重点を置いて取り組む方針です。
重点となっているのは以下の3つの取組みです。
衛星コンステレーションビジネスの加速化
・米Starlinkを始め、世界的に衛星コンステレーションの構築
・商業化に向けた動きが加速。• 日本の衛星コンステレーションビジネスを早期に確立する必要。
・衛星の量産化のためのサプライチェーンの強靭化が必要。
民間ロケットの輸送能力強化
・衛星コンステレーション構築等により、増加する国内外の衛星打上げ需要を支えるため、民間ロケットのサプライチェーン強化が必要。
衛星データ利用ビジネスの促進
・衛星データを活用したソリューションが新たな価値創出や社会課題解決の鍵に。
・日本の衛星データを活用したサービスを海外で創出していく。
この中で、衛星データ利用ビジネスの促進に焦点をあててみたいと思いまます。
衛星データ利用システム背景・目的海外実証(フィージビリティスタディ)(経済産業省)
背景・目的
我が国の宇宙産業市場規模の拡大に向けては、衛星やロケット等の宇宙機器産業だけでなく、宇宙機器を利用したソリューション市場の拡大が必要不可欠。また、衛星データを利用したソリューションビジネスにおける事業開発に当たっては、当初から海外市場も見据え、グローバルな市場を獲得していくことが重要。本テーマでは、海外における社会課題等に対応する衛星データ利用システムの開発・実証を支援することで、我が国の衛星データ利用ソリューションをグローバルに社会実装し、地域課題や地球規模課題の解決に貢献するとともに、我が国の衛星データ利用ビジネスがグローバル市場を獲得することで、宇宙ソリューション市場の拡大と地上課題解決の好循環を実現することを目指す。なお、海外の政府機関や現場ニーズの把握、事業スキームの精緻化等のため、まずは2年間程度のフィージビリティスタディ(FS)として実施し、その後の大規模な事業の検討につなげることとする。
本テーマの目標
グローバル市場を獲得できる衛星データ利用ソリューションの創出を目指し、本テーマではまずはフィージビリティスタディとして、支援を行う各事業において、海外におけるニーズや社会課題等に対応した衛星データ利用システム及びこれを用いたビジネスの実現可能性の検証を行うとともに、システム開発・実証及び社会実装に向けた計画の策定を完了する。また、これを踏まえ、政府支援のスキームの在り方についての方向性を整理する。
技術開発実施内容
(1)衛星データ利用システムの開発・実証(補助)
-(2)の事業で整備する基盤を活用しつつ、重点実証国等の海外におけるニーズや社会課題等に対応した、国内衛星を含む衛星データを利用したシステムの開発・実証に向けた実現可能性調査や検証等を支援する。具体的には、ソリューションの基本機能の開発・実証、ビジネス化に向けた実現可能性検証等を支援する。(2)衛星データ利用システムの開発・実証基盤の整備(委託)
-(1)における衛星データ利用システムの開発・実証を実施するために重点実証国・地域(泰、尼、 越)等において必要となる開発・実証基盤の整備(例:ニーズ調査、フィールド調査、マスタープラン作成、共通ツール・コンテンツ整備、キャパシティビルディング支援、連携先となり得る現地政府機関、企業等とのマッチング支援等)を実施する。
出典:経済産業省 第2回 産業構造審議会 製造産業分科会 宇宙産業小委員会 2024.4