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通信衛星市場と衛星光通信

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経済産業省は2024年3月25日、「第1回 産業構造審議会 製造産業分科会 宇宙産業小委員会」を開催しました。

今回はこの中から通信衛星市場と衛星光通信についてとりあげたいと思います。

通信衛星市場の動向

通信の高速・大容量化に伴い、通信衛星ビジネスは従来の静止軌道から低軌道に主戦場が移行しています。

数百kgから1トン程度の小型衛星数百機~数万機を軌道上に配備するメガコンステレーションを、Space X、OneWebなどが推進。Space Xは既に5,000機以上を軌道上に配備済です。

より低速の通信衛星ビジネスは数十kg~の衛星を数十~数百機程度配備するモデル。多くの企業が参入しています。

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出典:経済産業省 第1回 産業構造審議会 製造産業分科会 宇宙産業小委員会 2024.3.25

低軌道衛星間光通信技術について

静止軌道の大型衛星の電波通信は通信容量が限られ遅延も大きい。また、地球低軌道の衛星は約90分で地球を1周する間に10分程度しか地上と通信が行えないといった課題があります。

安全保障分野等における高速・大容量・セキュアな通信のニーズに対応するためには、低軌道衛星間での光通信技術の導入が必要であり、日本を含む各国で技術実証が行われています。

また、移動通信システムの仕様の策定を行う3GPPでは、衛星やHAPSを用いた非地上系ネットワーク(NTN)の規格化が進展しています。NTNの社会実装に向けても、中核技術である光通信技術はその重要性を増しています。

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出典:経済産業省 第1回 産業構造審議会 製造産業分科会 宇宙産業小委員会 2024.3.25

低軌道通信衛星コンステレーション事業の例

低軌道通信衛星コンステレーション事業では、SpaceX社 Starlink(米)、Amazon社 Project Kuiper(米)、OneWeb社 OneWeb(英)の例を紹介しています。

それぞれの事業者では、通信事業者との連携も進んでいます。

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出典:経済産業省 第1回 産業構造審議会 製造産業分科会 宇宙産業小委員会 2024.3.25

日本の衛星光通信技術

日本の衛星光通信技術もみてみましょう。JAXA及びNICTが以下の実証事業を実施しています。これらの取り組みは日本が強みを持つ分野となっています。

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出典:経済産業省 第1回 産業構造審議会 製造産業分科会 宇宙産業小委員会 2024.3.25

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