社会課題解決と経済成長の両立を目指す企業「ローカル・ゼブラ企業」
日本全国の地域社会が直面しているさまざまな課題は、決して小規模なものではありません。人口減少、高齢化、地域経済の停滞など、これらの課題は日本の未来にとって重要なポイントとなっています。
しかし、これらの問題を解決するための新しいアプローチが登場しています。それが、地域の社会課題をビジネスチャンスに変える「ローカル・ゼブラ企業」の創出です。
中小企業庁は2024年3月1日、「地域課題解決事業推進に向けた基本指針」を策定し、公表しました。
ローカル・ゼブラ企業とは?
本指針は、地域の課題を解決し、同時に経済成長を実現することを目指すゼブラ企業の概念に基づいています。ゼブラ企業とは、2017年にアメリカで提唱された、社会課題解決と経済成長の両立を目指す企業のことです。
ローカル・ゼブラ企業は、地域の課題を深く理解し、それを解決するためのビジネスモデルを構築します。
これらの企業は、地域内の他の企業や組織と協業しながら、新たな価値を創造し、革新的な技術やサービスを活用して、社会的なインパクトを生み出すことを目指します。そして、これらの活動を通じて収益を確保し、持続可能な経済の発展に貢献します。
基本指針の目的
基本指針では、このようなローカル・ゼブラ企業や地域課題解決事業の重要性を強調し、多様な関係者との協業、社会的インパクトの可視化、必要な資金や人材の確保など、企業が成功するためのキーポイントを明らかにしています。
地域の特性に応じた多様な主体が連携し、地域づくりに取り組むことが、地域の包摂的な成長を実現する鍵となります。
今後の展望
これらの取り組みは、地域に新たな希望をもたらすと同時に、日本全体の持続可能な成長にも貢献する可能性を秘めています。
地域課題解決事業推進の機運を高め、事業への共感による資金や人材の流れを生み出し、地域の包摂的な成長を目指すエコシステムが各地に構築されることが期待されます。
中でもローカル・ゼブラ企業は、自らの事業意図を明確にし、事業計画と連動したインパクト戦略を対外的に示せるようにする必要があります。
インパクト戦略を策定することで、事業を通じて生み出そうとする社会的インパクトに対して関係者から共感や理解を得て合意形成を進め、資金や人材の提供や、事業連携等につなげ、より大きなインパクトを生み出すことにつながるでしょう。
これらの取組は、地域の挑戦をビジネスチャンスに変えるための重要なステップであり、未来に向けた大きな一歩となるかもしれません。