Web3、NFT、メタバース、量子コンピューティングは「幻滅期」に ～ガートナー「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル：2023年」から

ガートナージャパンは2023年8月17日、「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル：2023年」を発表しました。

2023年に新たに追加したテクノロジの中では、生成AIと分散型アイデンティティが「過度な期待」のピーク期に位置しています。

特に注目度が高いのが生成AIで、ガートナーのアナリストは、

2023年、生成AIを巡るハイプが加速しています。現在、多くの企業が生成AIを積極的に試行・実験し始めています。今後12カ月以内に、ほとんどのテクノロジ製品／サービスに生成AI機能が組み込まれ、『どこでも生成AI』の状況になっていくでしょう

とコメントしています。

また、今回、「過度な期待」のピーク期に位置しているのが、分散型アイデンティティ (Decentralized Identity: DCI) です。

DCIは、ユーザーが分散型識別子 (Decentralized Identifiers: DIDs) を使用してさまざまなサービスに接続し、自分自身で (自己の) アイデンティティ情報を管理することを可能にし、トラスト、プライバシー保護、セキュリティの3つを確立することにより、サービスごとにプロバイダがIDを管理する従来のモデルに替わる認証手段として位置付けられます。

一方、2022年に「過度な期待」のピーク期に位置していたWeb3、NFT、メタバース、量子コンピューティング、イマーシブ・エクスペリエンスは、2023年版では幻滅期に位置付けられています。１年という期間で、一気に幻滅期まで落ち込んでいるのは、トレンドの浮き沈みが激しいと言えるでしょう。

個人的に注目度が高いのがWeb3の動向です。幻滅期には入っていますが、メタバースなどと比べると、落ち幅が低く、この数年でマーケットが成長基調になっていくのではと期待しています。引き続きウオッチしていきたいと思います。

出典：ガートナー「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル：2023年」 2023.8