カメラ画像利活用ガイドブックver3.0(案)
経済産業省・総務省は2022年2月16日、「カメラ画像利活用ガイドブックver3.0(案)」の意見公募手続き(パブリックコメント)を開始しました。
経済産業省・総務省は、IoT推進コンソーシアム・データ流通促進ワーキンググループの下に設置した、カメラ画像利活用サブワーキンググループ(座長:菊池浩明明治大学教授)において、利活用ニーズの高いカメラ画像を安全安心に利活用するために、事業者が配慮すべき事項等を検討し『カメラ画像利活用ガイドブックver1.0』を平成29年1月に公表、ユースケースを追加検討し改訂したver2.0を平成30年3月に公表しています。
令和3年~令和4年にかけて、国内外の動向を踏まえ、改正個人情報保護法との関係から対応すべき点や、プライバシー保護について注意喚起すべき点などを追加検討し、ver3.0として、パブリックコメントを公表しています。
本ガイドブックの位置づけは、以下のとおりです。
事業者が、カメラ画像等、生活者の情報を取り扱う場合には、個人情報保護法を遵守するだけでなく、生活者のプライバシーや肖像権といった人格的な権利・利益を損なうことのないよう、十分な配慮をすることが求められています。
そのため、カメラ画像を利活用する事業の検討・実施、カメラに写り込み得る生活者とのコミュニケーション等において、生活者と事業者間での相互理解を構築するために配慮すべき事項を、6つの適用ケースを踏まえて整理しています。
①店舗設置カメラ(属性の推定)
:店舗等に設置されたカメラで、来店客の人物属性(年齢・性別)を推定するケース
②店舗設置カメラ(人物の行動履歴の生成)
:店舗等に設置されたカメラで、来店客の店舗内の動線を分析するケース
③店舗設置カメラ(リピート分析)
:店舗等に設置されたカメラで、特徴量データを保持して、同一の人物が来店した際にそれを識別し、同一来店客の来店履歴、
行動履歴等を一定の期間にわたり紐づけしつつ取得し、分析するケース
④屋外に向けたカメラ(人物形状の計測):通行する人・車等を形状認識し、通行者の人数を計測するケース
⑤屋外に向けたカメラ(写り込みが発生し得る風景画像の取得)
:車両に外向きにカメラを設置し、街中の構造物や道路概況を取得・分析するケース
⑥駅構内設置カメラ(人物の滞留状況把握)
:駅構内に設置したカメラで撮影した通行者の位置をアイコン化して表示し、駅の混雑情報を配信するケース
ガイドブックの想定される読者と期待効果は、
・個人情報保護法等関係法令を遵守し、カメラ画像の利活用を検討する事業者。
※ 防犯目的や、特定の個人を識別する目的で取得されるカメラ画像の利活用は対象外。
・カメラ画像及びカメラ画像から生成される各種データの利用目的を定め、データ運用の責任を負う事業者(運用実施主体)に活用
いただくと共に、ベンダー企業等にも広く活用いただき、プライバシー保護の取組を進める一助となることを期待する。
の2点をあげています。
カメラ画像利活用ガイドブック改訂の概要は、プライバシーガバナンスやアジャイルガバナンス等の考え方を踏まえ、「4. 配慮事項」の全体構成や「4.1 基本原則」を再整理しています。
また、エッジ側で画像が処理されるケースや、クラウドサービスを利用するケースも増えてきたことから、「4.4 設計時の配慮」「4.8 管理時の配慮」等に、注意喚起すべき内容を追加しています。
「4.6 取得時の配慮」に関して、プライバシー配慮の観点から、撮影の対象となる場所において、最低限生活者へ通知されるべき情報項目を整理しています。
出典:経済産業省・総務省 カメラ画像利活用ガイドブックver3.0(案) 2022.2