DX解説(7)デジタルで変化するビジネス部門とIT部門の関係性
デジタルテクノロジーの進化、デジタルビジネスの進展により、ビジネス部門、IT部門の役割や関係性が変化してきています。
これまでは、ビジネス部門がビジネスを企画し、それらを支えるIT活用に関してはIT部門に要求をし、その要件に対応しつつ、安全な運用保守、省力化や自動化などの対応をしてきました。つまり、IT部門は、ビジネス部門のIT関連の業務を行う下請け的な存在が多かったのではないか考えられます。
一方、デジタルビジネスが進展する時代においては、ビジネス部門とIT部門とは対等の関係となり、共同で戦略立案し、業務の効率化だけでなく、自社のコアビジネスにつながる新たなデジタルビジネスの創出を進めていくパートナー関係を築くことが需要となっています。
このデジタルビジネスの創出になるのが、ビジネス部門が保有するデータです。IT部門は各ビジネス部門が保有するデータを収集統合し、価値あるデータとしてフィードバックをして、デジタルビジネスにつながる仕組みやフィードバックをしていく組織が重要となっています。
こういったビジネス部門とIT部門との共同による戦略立案によるDX推進が、他社より早く自社の競争の優位性を高める上で重要となっていくでしょう。
出所:経済産業省 デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会 中間とりまとめ 2020.12
デジタル施策は、将来的に「IT部門・事業部門の共同チーム」で推進するのが主流となるという調査結果も出ており、、デジタル化推進部門が、デジタル化施策を今後推進していく割合が高まっています。
一方で、IT部門中心で、デジタル化施策を推進する割合は、少なくなっています。IT部門が、今後、DXの推進の中において、どのような役割を担うか、試行錯誤がしばらく続くのかもしれません。
※経済産業省は「デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会 中間とりまとめ」(2020年12月28日)を公表しており、この資料からも適宜引用しています。