DX解説(1)ビジネス・IT・社会の変遷
近年、「デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation:DX)」というキーワードが注目されています。
DX解説ということで、かなりの回数を設けて、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」について、解説をしていきたいと考えています。
経済産業省は2020年12月28日、「デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会 中間とりまとめ」を公表しており、この資料からも適宜引用していきたいと思います。
まずは、ビジネス・IT・社会の変遷について、紹介をしたいと思います。
インターネット以前
ビジネスの社会では、インターネット以前は、リアル店舗を中心に売り切り型のモデル、大量生産大量消費が中心でした。
ITの活用では、ホストコンピュータの利用が中心で、企業の利用用途に応じたSIが中心でした。
情報の管理分析も一部にとどまっており、フロッピーディスクなどに代表されるように、少量・種類限定のデータ活用にとどまっていました。
インターネットの普及
インターネットの普及により、ECサイトが利用されるようになり、クラウドコンピューティングの利用も進み、インターネットを前提としたシステムや、オープンシステムの利用が進みました。
また、インターネットの利用拡大により、グローバル化も進展し、GAFAも台頭しており、法規制のあり方についても議論が進みつつあります。
デジタルデンタープライズ
デジタルデンタープライズの出現により、ビジネスは多様化しています。企業はデータを活用したデータドリブン経営、製品のモノ売りではなくコト売り、製品のサービス化も進んでいます。物流においてもITやデータを活用したサプライチェーンの効率化・自動化が進んでいます。
マスカスタマイゼーションが進み、マーケティングのあり方も、オムニチャネルやOne to Oneによるパーソナライズなども進んでいます。
さらには、クラウドの技術の進化やAI、IoT、ブロックチェーン等の新技術、さらには、5Gなどの登場により、大量・多種類のデータ蓄積や処理技術も進み、よりデータの重要性が高まっています。
時代の変遷をみると、これまでITは、ビジネスにおいて人が担っている作業を効率化し、生産性を向上することを目的として利用されてきました。
時代を経るにつれテクノロジーは躍進し、業務効率化のレベルは格段に向上している。更には社会の変化と相まって、昨今では人では担いきれない部分をITで担い、新たなビジネスを創造することが可能になってきています。
出所:経済産業省 デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会 中間とりまとめ 2020.12