オルタナティブ・ブログ > 『ビジネス2.0』の視点 >

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

DX解説(12)DX推進の足かせ、技術的負債の既存のレガシーシステム

»

日本では、DXがなかなか進まないという指摘がありますが、その一つの要因となっているのが、既存システムの存在です。

長年ビジネスを支えてきた既存システムは安定稼働しているため、一見すると問題がないように見えますが、技術的負債が隠れており、ビジョン実現を妨げる要因となっているケースが多くあるとしています。

技術的負債とは、

短期的な観点でシステムを開発し、結果として、長期的に保守や運用費が高騰している状態のこと

を指します。

既存のシステムは、負担目にしているシステム姿は、特に問題がなくみえており、システムの全貌は見えておらず、技術的負債が多く存在しているケースが多くなっています。

既存システムは運用保守に膨大なコストがかかり、新規機能の追加に期間やコストもかかるケースがあります。

この既存システムの運用保守の対応で、なかなか、DXでの推進にリソースシフトすることが難しくなります。

スクリーンショット 2021-01-17 150957.jpg

出所:経済産業省 デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会 中間とりまとめ 2020.12

技術的負債をもう少し詳しくみてみましょう。

長年の仕様追加・変更や開発担当の変更などにより、システムが複雑化したり、ブラックボックス化することにより、技術的負債が生まれており、技術的負債は、運用保守コストの増大や、新機能を追加する際の妨げとなり、デジタルトランスフォーメーションをはばむ要因となると指摘しています。

IT部門はビジネス部門の要望に対して、少しだけ改修したいのに、システムが複雑すぎて、調査に時間がかかることや、設計書が古くて今のシステム仕様がわからないといった課題もあります。担当者が退職してしまうと、さらにわからなくなるといった事象もおきるでしょう。

スクリーンショット 2021-01-17 151048.jpg

出所:経済産業省 デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会 中間とりまとめ 2020.12

※経済産業省は「デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会 中間とりまとめ」(2020年12月28日)を公表しており、この資料からも適宜引用しています。

Comment(0)