DX解説(13)日本でデジタルトランスフォーメーション(DX)が進まない現状
新型コロナウィルスの世界的な感染拡大は、企業を「感染拡大を防ぎ顧客・従業員の生命を守りながら、いかに事業を継続するか」という観点が非常に重要となっています。
DXの実践は変化への対応そのものであり、DX先行企業では新たな事業環境に迅速に適応し事業継続が可能となる一方、DXが遅れている企業では事業継続が困難となるといった二極化がみられたと、指摘しています。
日本の産業界においてDXの更なる促進が求められる中、部門単位でバラバラなITシステムの運用(経営者、事業部門、IT部門での認識や足並みが不揃い)によって、
①システムが複雑化し保守運用が非効率(="負債化")
②データ利活用が困難になり事業環境の変化に応じた柔軟なビジネスが困難
③システム運用のノウハウが属人的となりブラックボックス化(=システム障害の原因に)
といった課題を指摘しています。
本WGでは、日本におけるデジタル化が急務となった今、DX推進のさらなる加速を目的とし、DXを推進する上での日本企業の課題を整理し、それらに対する施策を検討・とりまとめを実施しています。
DXレポート発行からの2年間の変遷をみると、
日本におけるDXの成果については、業務効率化が中心的な役割であり、新規ビジネス・サービス創出の付加価値向上までには至っておらず、成果を出している企業におけるカギは、全社的取組みの有無や組織文化にあることも見えてきているとしています。
WGでは、日本でDXが進まない現状や、DXの停滞要因は、各ステークホルダー間での対話不足を起因とした課題としてまとめています。
出所:経済産業省 デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会 中間とりまとめ 2020.12
※経済産業省は「デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会 中間とりまとめ」(2020年12月28日)を公表しており、この資料からも適宜引用しています。