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成長するビジネスチャット市場、2024年度の市場規模は2019年度の3倍近くの284億円に。今度は淘汰の動きも

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独立系ITコンサルティング・調査会社のアイ・ティ・アール(「ITR」)は、「国内のビジネスチャット市場規模推移および予測」を発表しました。

ビジネスチャット市場の2019年度の売上金額は105億6,000万円、前年度比41.6%増となり、CAGR(2019~2024年度)は21.9%、2024年度には300億円に迫る市場規模に拡大すると予測しています。

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出所:ITR 国内のビジネスチャット市場規模推移および予測 2020.10

上位4社の突出した伸びが市場を牽引し、市場の成長に大きく寄与しています。

個人向けチャットサービスの利用者拡大により、チャットはポピュラーな個人間コミュニケーションの手段として広く社会に定着しているとしています。

チャットの領域でも産消逆転現象がおきています。こうした社会的なトレンドにより、チャットのビジネス利用への抵抗感や懐疑的なマインドは薄れており、むしろその手軽さや利便性をビジネスでも積極的に活用したいと考える企業が年々増加しているとしています。

また、コロナ禍によって在宅勤務者のコミュニケーション手段として注目され、製造業や建設業、医療・介護事業者、飲食店などでは、PCを利用しない現場スタッフにも普及が進んでおり、業種・業態・企業規模を問わず、広範囲に需要が拡大している点をあげています。

私自身も社内でのビジネスチャットの利用機会は、新型コロナウイルスの影響もあり、かなり利用頻度は増えています。

利用拡大に伴い、ベンダー側もセキュリティの強化、各種業務システムとの連携拡大、利活用のための幅広い情報提供、きめ細かなサポートなど、ビジネス利用におけるさまざまな要望に応えるため、頻繁な機能強化や拡張、周辺サービスの充実を図っています。そうした動きも導入の拡大に拍車がかかっています。

その一方で、認知度が高いベンダーの製品・サービスや、コラボレーション・スイートの一部として提供されているサービスに需要が集中する傾向が見られ、今後淘汰が進むと予測しています。

確かに、市場としては成長するものの、特定の事業者に集中し、クラウド市場の流れと同様に、淘汰が進んでいくことになるでしょう。

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