人口減少時代(1)2050年には、約6割の地域が人口半減以下、1/3は無人地域、高齢化率4割に
国土交通省は2014年3月28日、「2050年を視野に入れた国土づくりに向けて ~新たな「国土のグランドデザイン」(骨子) 」を公表しました。
急激な人口減少や少子化、グローバリゼーションの進展、巨大災害の切迫など、国土を巡る大きな状況の変化や危機感を共有しつつ、2050年を視野に入れた中長期の国土づくりの理念や考え方を示しています。
国土交通省は、日本は、急激な人口減少・少子化、高齢化が進み、2050年の人口は約9700万人になり、約6割の地域で人口が半減以下に、うち1/3の地域は人が住まなくなり、どの国も経験したことのない約4割の高齢化が進むと予想しています。
出所:国土交通省:新たな「国土のグランドデザイン」(骨子) 2014.3.28
グローバリゼーションの進展、巨大災害の切迫やインフラの老朽化、食料や水・エネルギなどの制約などの地球環境問題も深刻化しっていくと予想され、持続的な豊かさや安全に暮らせる日本のあり方が問われています。
国土交通省では、国民の幸せな暮らしを実現していくため、多様性(ダイバーシティ)の再構築や、連携革命、災害への対応など方向性を示しています。
国土交通省では、これらの課題などに対して、コンパクトな視点とネットワークの構築、移動と交通・連携の促進、地域経済を支える産業の活性化、災害に強い国土へのリノベーションなど10の基本戦略を示しています。
出所:国土交通省:新たな「国土のグランドデザイン」(骨子) 2014.3.28
日本の将来の将来推計人口の動向では、社人研の中位推計では、出生率1.35程度で推移するとした場合、 総人口は、2050年では1億人、2100年には5千万人を割り込むまで減少すると予測しています。一方、今後20年程度で人口置換水準(2.07)まで出生率が回復した場合は、人口減少のペースは緩やかになり、総人口は2110年頃から9千5百万人程度で安定的に推移しており、出生率の回復が今後の最重要課題となっています。
出所:国土交通省:新たな「国土のグランドデザイン」(骨子) 2014.3.28
大都市圏・地方圏別の将来推計人口(中位推計)の動向を年齢別の推移では、全ての地域で若年・生
産年齢人口の減少や高齢者の増加が進み、東京圏では高齢者が大幅に増加し、地方圏での生産年齢人口の大幅に減少すると予想しています。
出所:国土交通省:新たな「国土のグランドデザイン」(骨子) 2014.3.28
国土全体での人口の低密度化と地域的偏在が同時に進行しています。2010年から2050年の推移では、全国を≪1km2毎の地点≫でみると、人口が半分以下になる地点が現在の居住地域の6割以上を占める(※現在の居住地域は国土の約5割となっています。
人口が増加する地点の割合は約2%にとどまり、主に大都市圏に分布しています。市区町村の人口規模別で比較すると、人口規模が小さくなるにつれて人口減少率が高くなる傾向が見られます。特に、現在人口1万人未満の市区町村ではおよそ半分に減少すると見られています。
出所:国土交通省:新たな「国土のグランドデザイン」(骨子) 2014.3.28
日本は人口減少が進む一方、世界全体の人口は2050年まで一貫して増加傾向にあります。世界人口は2010年は約70億人に対して、2050年は約100億人までの増加が見込まれています。各国別の人口は、中国では2030年頃をピークに減少する一方、インドは一貫して増加し、2030年頃には中国を抜くと見込まれています。
出所:国土交通省:新たな「国土のグランドデザイン」(骨子) 2014.3.28