働く意義とは?
Special オルタナトーク「人はなぜ、働くのか」という題目が出ています。入社してからすでに15年以上が経ち、本テーマを機会に自分なりに働く意義を考えてみたいと思います。
ここ数年間、自分の仕事に対する価値観は大きく変化してきました。
入社してから10年間、与えられた仕事やミッションを意識しすぎるあまり、社外の活動に参加することもほとんどなく、今思うと非常に狭い視野で物事を考え活動していたと反省しています。
以下、自分なりに働くという考え方を整理してみます。
社外人脈を創り、そして深める
2006年ごろ、当時の上司からあまりにも外に目を向けていなかったのか「もっと、社外に出て社外との交流を深めるように」と言われ、しぶしぶとある企業が主催する研究会に参加するようになりました。あるテーマをもとに分科会が設置され、その中でリーダを決め、議論し作業を進め、報告書を作成し発表するということを2年間続けてきました。特に、懇親会の席では、様々な業界の話が聞け、このような活動がとても新鮮だったのを記憶しています。
このときから、もっと視野を広げ、社内の価値観だけで行動するのから、社会や市場全体を見て行動するという考え方に大きく自分の視点が変わりました。ブログもこの時期から始め、社会や市場との会話を意識するようになりました。
さらには、ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアも普及し、人とのつながりも広がり深めるなど、人脈形成に大きく役立つようになりました。
自分の専門性を「見える化」する
そして、もう一つ重要なのは、自分の専門性を自らで構築し、そしてその専門性を「見える化」することです。
数年前までは与えられた仕事・ミッションをもとに、来るもの拒まずという状態で仕事をこなし、器用貧乏に陥ることも多々ありました。上司から「それは、食い散らかしすぎだよ」とお叱りを受けることもあり、自分自身の主体性が欠落していたと反省するところがあります。
そういった状況の中、自分の専門性を見つめなおし、再構築の作業にとりかかりました。市場の成長を見ながら、自らの判断で力をいれていきたい分野を整理し、情報のインプットとアウトプットを繰り返し続け、そのプロセスをブログなどのソーシャルメディアを通じて、「見える化」「見せる化」していくことを意識し行動してきました。
ブログでクラウド関連のことを書き続けた結果、クラウド関連の本を出版することができましたが、その当時の仕事では、クラウドとはあまり関係のない業務をしていました。結果的に今は、クラウド関連の仕事をしており、これまでの土台が大きくプラスに作用しています。これまで専門性がなかった分、クラウドという曖昧で未知な部分が多い分野に、早くから積極的に足を踏み込むことができたのかもしれません。
中長期的に、自分自身の専門性を考え、そのための入念な準備とプロセス、そして「見える化」することが、市場からも評価される近道ではないかと考えています。
会社以外の肩書きを持ち行動する
私自身、会社以外に、幸運にも、ブロガー、国際大学GLOCOM客員研究員、一般社団法人クラウド利用促進機構総合アドバイザー、PTA副会長などの複数の肩書きを持たせていただき活動しています。自分の視点や立場をシフトさせ、物事を考え、情報発信し、行動することができるようになりました。また、複数の肩書きをもっていれば、お互いの立場で補完することで、情報発信の幅や人脈形成にも幅を持つことができます。会社の肩書きだけに頼らず、自分自身の多様性と専門性を見せることが、中長期的視点で見ても、大切だと考えています。
社会への貢献、業界への貢献を意識して行動する
ここ数年で、自分自身に与えられたミッションに対する業務だけでなく、社会への貢献、業界への貢献を特に意識するようになりました。社会への貢献は些細なことかもしれませんが、PTAなどの地域への活動やボランティア活動への参加を積極的にするようになりました。
また、業界においては、特にクラウド業界の発展に貢献していくことを意識しています。これまでは、競合他社の担当者の方と飲み、親しく話すことはほとんどなかったのですが、クラウドを通じて、競合他社も含めて、多くの関係者とつながりが持てるようになりました。事業者同士で消耗戦をするのではなく、業界の関係者が手を合わせて、時に切磋琢磨をしながら、業界のエコシステムを形成できるかが、グローバル化がさらに進む中において、大きなポイントになってきているのではないかと感じています。
働く意義とは
働くことの意義を見出すには、自分自身が自発的に変化し、考え行動すること。そして、与えられた範囲のミッションではなく、社会への貢献や業界への貢献を意識することで、視野を広げることが大切だと感じています。こういったプロセスを通じて行動をしていけば自然と、自分自身の働く意義を見出すことができると感じています。そして、「急ぎではないが、重要な仕事(行動)」の比率を、会社の仕事だけでなく社会に対する仕事として比率を高め、自分自身が進むべき道筋をしっかりと創っていきたいと考えています。
※担当キュレーター「わんとぴ」
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