オルタナティブ・ブログ > 『ビジネス2.0』の視点 >

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

クラウドやスマートグリッドなど、ビジネスは社会インフラ事業にシフトする

»

最近のニュースを見ていると、デフレが進み、消費者向けのビジネスにおいて苦戦している傾向が見られます。特に、デジタル家電では、サムスン電子などに押されて大苦戦をしいられています。一方、クラウドコンピューティングやスマートグリッドなど社会インフラ事業周辺のビジネスにビジネスをシフトしている傾向が見られます。

日経新聞(2009.12.12)の記事によると、   
東芝は、半導体事業は09年3月期に2800憶円の赤字に陥り、社会インフラ事業へ傾斜を強めています。設備投資計画では、総事業が06~08年の実績費で33%減らす一方、インフラ事業においては25%積み増す計画をたてています。その柱となるのが、スマートグリッドの受注に有利となり、安定成長が見込める総変電・配信事業です。東芝は、今春r以降、5000憶円の増資をしています。

日立製作所は、4月1日付で新エネルギー推進本部を設立し、2015年度に2,000億円規模の売上高を目指しています。柱となるのは、風力発電システム関連事業、太陽光発電システム関連事業、そして、スマートグリッド関連事業です(関連URL)。日立製作所は、今春以降3500憶円の増資をしています。

富士通は、10年度にクラウド・コンピューティング関連で数百億円規模の設備投資を行う考えを明らかにしています。また、09年度の設備投資計画で半導体関連を前年度比10%削減するなど大幅な見直しを実施する一方、今後の成長が見込まれるクラウド関連については、09年度の設備投資計画の約6割にあたる1千億円弱を投資することを明らかにしています(関連記事)。富士通は、11月に群馬県の館林に大型のデータセンターの新棟を開設しています(関連記事)。

NECは、11月6日、財務体質強化のために1340億円の公募増資を実施し、クラウドサービス基盤整備のための開発に400億円を投資することを明らかにしています。

その他、鉄道事業や携帯インフラ構築事業などの、社会インフラについても世界規模で積極的な投資が見られます。

大手メーカーの展開を見ていると、苦戦がしいられる中、大幅な資本増強を実施し、クラウドコンピューティングやスマートグリッドといった中長期に安定成長が見込まれる社会インフラ事業にシフトしつつあり、成長戦略を模索しています。世界規模で社会インフラ事業における激しい競争が繰り広げられる中で、日本企業がどのような成長シナリオを描いていくのか、今後の数年が大きな勝敗の分かれ道になるのではないかと考えています。

Comment(0)