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4月12日(木)にIBMから『エキスパート・インテグレーテッド・システム(EIC)』という新製品が発表となります。残念ながら発表イベントは満席となってしまい参加ができませんが、私もライブ視聴する予定です。

IBM 専門知識を組み込んだ世界初のシステム。エキスパート・インテグレーテッド・システム。 - Japan http://www-06.ibm.com/systems/jp/expert/

さてこちらのエキスパート・インテグレーテッド・システムは詳細が非公開となっており、どのような製品なのかは現時点ではわかりません。断片的な情報をつなぎあわせるとなんとなくハードウェアに高度な運用管理機能が統合されているという方向性は見ることができます。しかしその度合や狙いは発表を待つこととなりそうです。それだけだとつまらないので勝手に事前予想をしてみましょう。

まず、エキスパート・インテグレーテッド・システムという名称からわかることです。私はアプライアンス製品のようにHWとSWが統合された製品という意味で「インテグレーテッド」という用語が使われているのかと思いましたが、上記のリンクから辿ることができるいくつかの動画を見てみるとその「統合」にとどまらないように感じられます。おそらくこのインテグレーションというのはSIのインテグレーション、何かの目的のためにHWとSWを組み合わせてシステムを作るというところまでが含まれるように思います。

メーカーが統合をするとなると機能や性能に最適な状態を作ることができますが、製品として提供する場合のマーケットの大きさを考えるために最大公約数をとりがちで、鋭く尖ったところが削れた製品となってしまいがちです。そのことがユーザからすれば性能が良くても機能に不足を感じることにつながります。これに対してSIerがHWとSWとを統合・インテグレーションする場合にはオーダーメイドで洋服を作るようなものですので機能に不足を感じることはありません。

我々が最適と思うHWとSWの組み合わせ製品、ではなく、エキスパートによるインテグレーションが自動化されたシステムであれば、ユーザからの魅力はぐっと増すのではないでしょうか?

機能面は多種多様ですので、自動化の仕組みを作ることは難しいと思われます。よって機能面に十分な体力やコストを投入できるよう、基盤構築について期間を短縮し、費用を圧縮し、また相性による性能劣化等のリスクを低減するような仕組みが実現されるのではないでしょうか?また、製品ラインナップが長期的に維持されることの保証も欲しいところです。

最初の基板設計の1回分が楽になるだけでなく、できるだけギリギリの小さめの見積もりでスタートさせ、性能に不安が出てきた所で迅速に拡張ができることへの要求もまた強まっているように思います。今動いているサーバ3台に4台目を追加するというのは簡単そうに見えて実は難しいところがありますので、これが基盤の目から見ても自動化されており、かつ開発者から見ても透過的に実現されているんじゃないかなという気がします。

あとはレファレンスモデルとして、この構成ならばDB2でどれくらいのパフォーマンスが出ているというような事例集がガバっとオープンに情報提供されていると買う側もとても安心できると思います。

yohei

オルタナトークが「新社会人諸君!」というお題です。

私が新入社員の方にお伝えしたいことは、80%で仕事をすることです。これは何も手を抜けとか、先は長いんだからゆっくりやれとか、よく新人を毒するのが好きなシニカルな先輩がいますけれども、そういうことを言いたいのではありません。

ではなぜか。それは睡眠時間や食事の時間を抜けば120%の力を発揮することなど簡単なことだからです。この前提としての100%とはなんでしょうか。私が想定する100%で仕事をする状態とは、睡眠時間や食事の時間に加えて友達とそこそこコミュニケーションをとったり、週末には婚活したりということを想定してします。

新入社員がひと通り仕事を覚えきったところで、もしそれが80%の状態であったとすれば。もし急ぎの事情や何らかの緊急事態があればひとまず100%までがんばり、それでも足りなければその他の時間を投入して一時的に120%がんばることで凌ぐことができます。最初の頃はミスもしやすいですし、見積もりも精度良くできませんし、何より自分自身が興味を持って仕事を進めるとあっという間に100%を超える量を引き受けてしまいがちです。ですので80%運転を心がけて仕事をすすめるようになると、それがどんな状態なのか、それを意識して知ることができます。100%でぴったり止められるのであれば言うこと無いですが、新入社員の間はそれが難しいので80%ということです。できない状態で仕事を引き受けてしまうのはなかなか周りに迷惑をかけがちですので、断る練習にも良いと思います。

また、人間の成長は純粋な線形に右肩上がりに伸びると言うよりは階段状に成長していくことが多いと言われます。スポーツをやっていた人はわかりやすいかもしれません。これは仕事でもそうなのではないかと感じることがよくあります。この停滞期にまどろっこしい思いがするのですが、自分で自分をごまかすためには労働時間を伸ばすと一見成長しているような感じを受けます。これを半分無意識にやると依存してしまってどんどん労働時間が伸びてしまうため、時間で区切りをつけて能率を向上させるよう仕事を進めたほうが良いように思います。

もし120%くらいの仕事ぶりが普通に感じてしまうようになると、それが将来の自分の働きぶりの基準となってしまいやすくなるように思います。すると、その次に限界を超えた何かが現れた場合には精神面や肉体面や社交面に傷を負わなくては仕事が回らないということになります。食事や睡眠がおろそかですと短期にも生産力に影響しますし、おもしろい書籍や文化に触れないと中期につまらない人間になってしまいますし、社交面をおろそかにすると更新を育てたりですとか子供を育んで社会を維持するという一つの重要な仕事が成立しません。(多様な生き方がある現代では子育てだけが生きる目的でないことは言うまでもありませんが。)

仕事というのは純粋に生産を行う時間と、自分の労働力を回復・伸長させる時間と、その両輪が咬み合っていて初めてうまく進むのではないかと思います。今風にいうとこれがワークライフバランスということなのかもしれません。

もっとも、上司が限界ギリギリまで、というよりは敢えて限界を超えて「はっはっはーこれが社会の厳しさだー」とやりたかったり、最初に痛めつけられた上司には頭が上がらないという人間の習性を利用して将来に新入社員が昇進して追い抜かされた時に世話をしてもらおうという場合もありますのでそこは十分にコミュニケーションをとってください。

本来ならば1日8時間の労働で有給休暇はフル消化といった状態を100%とすべきとは思いますが、世の中の事情としてそれを100%として置くのは現実感がないかもしれません。ということで各社各様に100%があると思いますが、中には100%が既に他社の120%を上回っているような会社もあるかと思いますので、そこは同級生同士の異業種な情報交換が大変重要と思います。

yohei

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山口 陽平

山口 陽平

国内SIerに勤務。現在の担当業務は資金決済法対応を中心とした資金移動業者や前払式支払手段発行者向けの態勢整備コンサルティング。松坂世代。

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