« 2011年11月16日

2011年11月19日の投稿

2011年11月25日 »

ブロガーズミーティングに久々に参加して参りました。

『「テクノロジーの力で、町全体をスマートに~未来を支えるIBMメインフレームの価値~」ブロガーミーティングにご参加頂きありがとうございました。|AMNイベントレポート|ブログ|Agile Media Network』 http://agilemedia.jp/blog/2011/11/ibm.html

IMAG0087

ミーティングのテーマとなった2つのキーワードはこちら。

スマートシティ

メインフレーム

この2つの言葉は単純に「スマートシティを支えるための膨大な計算資源はメインフレームじゃないと(処理し切れない|システムダウンが怖い|セキュアでない)と結びつけることができます。私もイベントに挑むまではそのような気持ちでしました。ところがその予想を超える刺激がたくさんありました。

例えばスマートシティという考え方がなぜ必要になったかという話がありました。都市の人口が過密になることで下水道や警察、交通渋滞といったリソースを最適に配置することが難しくなります。それを最適に配置するためにはそれらをセンシングするデバイスが数多く必要です。それらのデバイスを処理するメインフレームのような高性能なコンピューティングリソースがあったとしても、デバイスとメインフレームとをつなぐ層が柔軟でなければ結局は硬直的な仕組みができあがってしまうことになります。

このような全体の設計を見渡してみますと、企業でこれまで行なれてきたような情報システムの設計と考え方が似ているように感じます。インプットとしてセンサーがあり、またはPCがあり、処理装置としてメインフレームがあり、またはオープン系サーバがありと言った具合です。とすればスマートシティという構想に対してITが貢献できることは単にメインフレームという資源を提供するだけでなく、仕組みをデザインする部分でもこれまでに積み上げてきたノウハウを提供できるということになります。

その処理装置を担うにはメインフレームそのものが良いのか、それともオープンな技術が良いのか、オープンの場合でもスケールをアップするのか、アウトするのか、それは様々なアプローチがあることと思います。スマートシティといっても電力から上の水道、下の水道、犯罪に交通渋滞に物流などなど極めて多くのテーマがありますので一概に言うことは難しいのですが、やはりメインフレームの強みである堅牢なセキュリティ、高信頼性、それに加えて特にI/Oの高速さを中心とした性能の高さは本命馬としてふさわしいのではないかと思います。

最後に少し技術の話題になりますが、もっとも興味深かった点はsystem zがなぜBladeCenterとしてpowerやxeonを搭載するのかというところでした。エンドユーザからメインフレームまでの行って来いを考えた時、途中にいかなる中継ポイントがあったとしてもエンドユーザからしたら「メインフレームを使う」という思いであることに間違いはありません。

とすれば、せっかくメインフレームが堅牢であったとしても途中のオープンな機器の信頼性が担保できなければ、顧客の満足度が低くなってしまいます。しかも内外で様々なシステム同士が連携するのが普通である以上、昔のようにメインフレーム+ダム端末という構成を取ることは出来ません。ならばオープンな機器を素直にメインフレームに取り込んで信頼性をあげていくというのはまっとうなアプローチであるように思います。

その一方で、社内の細かなサーバ群を集約したクラウド基盤のように、全体としては膨大な処理性能が必要になるけれどもミッションクリティカルの度合いはさほど高くないという場合にはオープンなスタイルで最高性能を求めていくというアプローチになるのかと思います。それがいわゆる「オープンメインフレーム」という形なのでしょう。

社会からの要請に対して情報システムの技術者がこのような様々なアプローチを考え実現していくことは計算資源の提供だけでなくデザインの面でも大きな貢献ができるという点に、純粋な開発からは遠ざかった身であっても自信と誇りを感じることができました。

IBM様、AMN様、貴重な機会をいただきありがとうございました。

yohei

« 2011年11月16日

2011年11月19日の投稿

2011年11月25日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

山口 陽平

山口 陽平

国内SIerに勤務。現在の担当業務は資金決済法対応を中心とした資金移動業者や前払式支払手段発行者向けの態勢整備コンサルティング。松坂世代。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
yohei
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ