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IBMさんのブロガーズ・ミーティング(#ibmbm)に参加して参りました。

全体のテーマは「ビジネスにおけるソーシャルメディアの影響力と可能性」ということでしたが内容は2部構成でして、

  • 東日本大震災で誰もが実感できたクラウドコンピューティングの有用性(クラウド&スマーターシティ事業 副事業部長 三崎 文敬 様)
  • 「風評分析クラウド」について(ソフトウェア事業部 Technology Evangelist 米持 幸寿 様)

という内容でした。前段で東日本大震災を振り返りつつ、その際に確認されたtwitterの有用性からtwitter上の発言を風評分析することで、企業が世の中の動きを今よりも早く正確に知ることができるのではないか、という流れで、知的好奇心を強く刺激されました。いつも通りにディスカッションも盛り上がったのですが、特に私が気になったのは2点目のソーシャルメディアの分析技術です。

永井さんが2011年2月に↓のリンク

全米クイズ王に勝ったコンピュータ「ワトソン」が提示する、新しい私たちの未来 #ibmwatson:永井孝尚のMM21:ITmedia オルタナティブ・ブログ http://blogs.itmedia.co.jp/mm21/2011/02/ibmwatson-0f63.html

でご紹介されていたように、「ワトソン」に関する技術が磨かれていたのは東日本大震災以前のことで対決が終わったのは2月の半ばのことでした。その後に3月11日があり、震災後の日本社会が混迷を深めてきてしまった流れは誰もがご存知だと思います。そういった情勢の中、少しでも先を知るという意味でtwitter等のソーシャルなストリームデータを強力な技術で分析しビジネスに活用したいというニーズが盛り上がってきたのは自然な成り行きであると思います。

ちなみにこの東日本大震災とワトソン関連技術が出会ったタイミングもおもしろいものです。折しもスラッシュドットではIBM、100 年存続の秘訣は R&D にありというトピックが立っていましたね。

こういった技術が提示されたとして、我々は何を聞けば良いでしょうか。この業界では誰もが知っている(?)究極の疑問「人生、宇宙、すべての答え」に対し作品中では「42」という回答が提示されます。私を含め読者は「なんで42なの?」と思わされるわけですが、それは究極の疑問の意味が理解できていないからだというようにして話が進みます。(「誰もが知っている」というと言い過ぎかもしれませんが実際に知名度が高くて驚かされます。なお、改めて解説するのも恥ずかしいですが、原作で回答したコンピュータはディープソート、ディープブルーの名前の由来でもあり、ディープブルーはワトソンの先輩ですね)

例えば一般消費財を作るメーカーであれば、その商品がどのような生活の中で消費されるかという日常を知るための分析が出来ますし、耐久消費財であれば不具合や改善点を知るための分析ができるかもしれません。しかしそれらをどのように質問すれば良いか、それはとても難しい問題になってくるのではないかと思います。そこをクリアし的確な質問をするためのノウハウができたとして、では得られた回答が良い悪いを含めた「結果」とすればその「原因」はどこにあったのか、というところを企業として振り返らねばなりません。もし日々の企業活動を綴ったストリームデータを一緒に分析できるようになればきっとこれまでにない価値が生まれることでしょう。

インターネットを検索してみると現時点でも様々な分析のソリューションがあります。しかし日々の企業活動を蓄積し、また、世の中のソーシャルなストリームデータをICA(IBM Content Analytics)等で分析した結果と合わせ、その因果関係を分析してきたいということになれば、フロントから基幹系までの幅広いソリューションを手がけるIBMさんしか実現できない領域が広がっているのではないかと思います。でなければ「42」ってなんなんだ?と宇宙を旅することになりかねません。

と、伝わらない人には全然伝わらない内容になってすみません。IBMさん、本日はお招きいただきましてありがとうございました。

yohei

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山口 陽平

山口 陽平

国内SIerに勤務。現在の担当業務は資金決済法対応を中心とした資金移動業者や前払式支払手段発行者向けの態勢整備コンサルティング。松坂世代。

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