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あの暑かった1998年の夏にオープンキャンパスに参加してからもう13年かと思うと月日が経つのは早いものだと感じます。

【57.2%】親同伴がフツーな進学イベント、オープンキャンパス

オルタナブロガーの中村さんがオープンキャンパスに参加されたとのことでお疲れさまでした。今の高校生はネットなのかもしれませんが、自分は高校3年の1998年の夏前に名東高校の掲示板に貼り出された2つのオープンキャンパスの案内を見ていました。当時はそれほど数多くもなく、おそらくは関西学院大学の西宮上ケ原キャンパスの恐ろしく美しい芝生と時計台と青い空の写真か、もしくは同志社大学のクラーク記念館の尖塔にやられたものと思います。

当時は国公立はほとんどオープンキャンパスをしていませんでしたから他に早稲田と慶応があったくらいではないかと思います。立命館大学はその時点から視界に入りませんでした。(ポスター的な意味で)

どちらを先に見たのかは忘れましたが、「同志社大学」は従兄弟が通っていたこともあり、また、京都という立地についても一度は住んでみたいと思っていたところから進学先として非常に興味を持ちました。と同時に一緒に見た関西学院大学についてもポスターの時計台がなんとなく只者ではないオーラを発していたので記憶に残りました。

ネットなんてないですし、大学の就職部と違って高校には大学のパンフレットなんて冬頃まで置いてありませんでしたから、赤本なんかを見て情報収集をした記憶があります。あとNHKか何かから出ていた受験関連の月刊誌のようなものがありました。

この下調べを経て同志社と関西学院に行ってみたい気持ちが高まりました。日帰りとは言え1箇所で2万円くらいはかかりますので行かせてもらえるか心配だったのですが、両親には気前よく許可をもらえました。

東京のオープンキャンパスに手を出さなかったのは、おそらく兄が名古屋から東京へ一人暮らしをしていたからで、兄が東なら弟は西へ、兄が理系なら弟は文系へ、とリスクヘッジを実行しました。あまのじゃくだったのか本能だったのかはわかりません。あとせっかくの大学生活を地元に残ってジャンダラリンという選択肢もありませんでした。(かといって将来的にも戻らないつもり、というわけではありませんでした)

ともあれ名古屋⇔京都の切符と、名古屋⇔新大阪の切符を手に入れて、両方とも灼熱の夏休みオープンキャンパスに出向きます。先に同志社だったのですが、あまりに暑いので模擬授業や進学相談などの合間にクーラーが聞いていて涼しい図書室に入り、高校生向けの「新島襄とは」みたいなコーナーで伝記を読みました。うーん。江戸時代に国禁を犯して渡米した上に京都にキリスト教の大学を作るって創立者は頭がおかしすぎるだろう。しかも場所が御所と寺の間ってもう少し控え目にできるだろう、と。その突込みどころ満載な感じが自分に刺さったことを覚えています。創立者が自分ばかり棚にあげてお利口なことを言っていたら下らないですが、残した言葉が「倜儻不羈(てきとうふき)」。機種依存文字を含むのでブラウザによっては表示されないかもしれません。自分の考えをしっかり持ち、束縛されないでいようね、ということだそうです。大学までの行き帰りに通る町々も素敵な感じで、この大学に行きたいなーと思わせてくれました。

関西学院大学は新神戸からの行き帰りはこじんまりとした路線ときれいな住宅街で、坂道はそれはそれで素敵でした。キャンパスの美しさはさすが「日本一」と称されるだけあります。今でこそ超有名な某ライトノベル&アニメがありますので時代が時代なら自分も「ここがいい!」と思っていたかもしれません。また、梅田だけをぶらぶらしないでミナミのほうを、特に天王寺の周辺をうろついていたらうっかり興味を持っていたかもしれません。が、そんなことはなく、私は受験することなく同志社の指定校推薦を選ぶのでした。

当時は京都大学のワイルドさを十分に知ることができず、ただの没個性的な国立大学と思っていました。学生になってから知ったあんなことやこんなことを知っていたら、もっとずっと興味を持って京都大学を目指し勉強していたかもしれません。他には特にここという大学がないですが、それは単に自分が無知なだけと思います。

人生でさえ有限というのに高校3年生の前半分くらいという時間でしか探せない大学を、更に限定されたオープンキャンパスという時間で絞り込むのはとても難しいことだと思います。しかし今になってみれば、建物や街並みだけではない、いわゆる「校風」と言われるような微妙な違い(新島襄の設立した同志社はキリスト教主義に基づく教育を進め、日本のリーダーとなる人材の育成が重視された。一方、ウォルター・ラッセル・ランバスの設立した関西学院大学におけるそれは、日本にプロテスタント系キリスト教を普及させることだった、と私は理解しています。)も無意識に感じ取って評価をしていたのかもしれない、そんな風に思います。

偏差値とにらめっこしたい人はそういうようにすればいいと思いますし、どこでもいいから自分のやりたいことをやって楽しく過ごしたいという人は夏休みを使って今ふと思い出せる大学や街中で目についた大学に行ってみたらどうでしょうか?17年+αも生きていたら言葉にはできなくても、自分に合ったものを見つけられる力が備わっていると思います。変に大人に相談すると入れ知恵されてしまいますから、その前が勝負です。それでは良い夏休みを。

yohei

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山口 陽平

山口 陽平

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