« 2011年7月12日

2011年7月14日の投稿

2011年7月22日 »

3・11以降のインターネットに少し変化が訪れているように思います。

折しものiPhone/.Androidによるスマートフォン化の流れと、震災時のtwitter初めソーシャルメディア・SNSの活躍により、インターネットの利用者層が少し変わったように思います。

これまでガラケーだったり家のPCだったりという環境ではあまり長時間、高頻度にネットに接していなかった人がフィーチャーフォンをスマホに切り替えたことによりネットとの接触時間を増やしたように思います。

また、震災時の情報収集のためにひとまずtwitterアカウントを取ってみたという人がそのまま継続的にソーシャルメディア・SNSを使用し続けていることもあるように思います。

しかしそれがはっきりと感じられないのは、そういった人が活発に意見を発信するというよりは、主に情報の収集のためにそれらのツールを使っているからではないでしょうか。スマートフォンが増え、twitterの利用者が増えましたが、一方でよく目立つ意見をいう人があまり入れ替わっていないのは読者側の人が増えたからではないかと考えています。

そしてその一方で、かつてはダイヤルQ2詐欺やバナークリック詐欺のような手法が猛威を振るっていたように簡単な「釣り」により不正なアフィリエイト収入を得ようとか、そういった類のサイトが増えているように感じられます。

いくつかの手法があると考えられますが、ひとつには古くから知られているような「おもしろ画像」であったり「ハプニング画像」であったりというものを使って初心者を騙すようなやり方です。2chで話題になってから半年や1年ほどが経っていきなりtwitterで話題になる現象の理由を探っていたのですが、twitpicのように画像にコメントをつけられるサービスでは高確率で出会い系サイト等へ誘引するリンクが書きこまれていました。

バズってから不正なリンクを書き込んでいるのか、不正なリンクを書きこんでからバズらせているのかはわかりませんが、どうもそのターゲットはインターネットの「古き良き時代」を知らない人々であるように感じられてなりません。

一方で、インターネットに長い期間慣れ親しんでおり、情報収集に意欲的で、簡単には騙されなさそうな人を騙すためのしかけも増えてきているように感じられます。それは巧妙かというと、必ずしもそうでもありません。

ありそうで存在しない情報であったり、事実に嘘をおりまぜて過激にしていたりという情報を発信することで、つい検索してしまう人を引っ掛けるという手法が根強く存在します。例えて言えば、裁判員への配布資料がネットに流出することはまずありませんし、仮に出回ったとしてもYahoo!のトップニュースやtwitterのタイムラインで自分が目にするよりも前にgoogleの検索結果に出てくることはありません。

※実際にはタイミングでそういうこともあるかもしれませんが、振り込め詐欺の啓蒙のように「絶対にありません」と言って広めたほうが良いんではないかと考えます。

思えば父母や祖父母の世代では中年くらいまでは新聞やテレビなど、横並びで情報を得るのが普通でした。仕事の情報や相場関連の情報等は独自に頑張ることがあったかもしれませんが、ほとんどは情報の入手に「速度」を意識することの無い生活だったのではないかと思います。(地域コミュニティに関するもの等、生活に根ざした情報は別ですが)

それが自分たちの世代は若いうちにインターネットに触れることで情報を取得するスピードが人によって異なるということを体で理解しました。特に就職活動がバトルと化した世代では「セミナー、筆記試験の予約は早い者勝ち」というルールを叩き込まれていることかと思います。魚釣りを考えてみますと、天然の餌を敏感に見つけてよく食べる魚は大きくなれますが、釣り上げられてしまう可能性も大きいと言えます。天然の餌と疑似餌を見分けられる魚はいつまでも釣られずに大きくなることができます。

情報収集に積極的な人は初心を忘れない心がけが必要なのかもしれません。

yohei

« 2011年7月12日

2011年7月14日の投稿

2011年7月22日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

山口 陽平

山口 陽平

国内SIerに勤務。現在の担当業務は資金決済法対応を中心とした資金移動業者や前払式支払手段発行者向けの態勢整備コンサルティング。松坂世代。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
yohei
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ