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とある復興担当相の発言に対してインターネット上で失望感の強い声が数多く見受けられます。

ほぼ全面的に批判されているものを追加的に批判することは避け、個人的に思ったことを言いますと「最初にガツンと言って『こちらが上』と示したいタイプ」なのかなと思いました。なお会見の動画はYoutube等で見られるものの断片的な情報からでは判断が難しいため、本エントリはこれまで人生経験で得たことから書いています。当該会見とは関連していません。

今年から社会人になった人を含めて、「最初にガツンと言って『こちらが上』と示したいタイプ」に出くわす機会は稀にあるものです。なにか良い対処法はあるのでしょうか?

それはとりあえずで「へいへい」と聞いておくことです。というのも「ガツン」としたくなる理由は主に3点しかありません。

  1. 忙しすぎるので自分の余計な仕事が増えないように威圧しておきたい
  2. 実は小心だったり口下手だったり不安定な立場なので自分の領土を守りたい
  3. なぜここまで生き残れたかわからないような危ない性格をしている

1番目は極めて多忙な役割を任せられている人に見られるやり方です。自分の仕事を増やさないために、それが一般的かどうかはさておき自分ルールを周囲に押し付けて逸脱した人を叱り飛ばすというものです。自分ルールに巻き込むためにはまず最初に「自分には自分ルールがある」ということを認識してもらわなくてはなりません。そのために何かのルール違反を発見して厳しく指摘し、この人は何かとうるさいこだわりのある人だとインプットする儀式が行われます。

これはメールだったり電話だったりスケジュールの押さえ方だったり、ひとまずそのようにやっていますと従う姿勢を見せればそれ以上は怒られなくなります。なにしろ忙しすぎることが原因ですので、最初に期間をやり過ごして目立たないようにしていれば手を抜くことも自分の割り振りを他人に再割り振りすることも色々と目が行き届きません。行き届く人は怒鳴ったりせずに証拠を積み上げていつ何時も逃げられないような指摘をします。

このような「ガツンと行く人」にガツンといってもまったくの平行線となるばかりか、ルールに従わない人は弾かれてしまいます。戦略的に弾かれることも正解とは思いますが、折り合いをつけなくてはならない事情があるならば最初に従順な姿勢を見せておくくらいが良い付き合い方と思います。

2番目は最初に関係性を作っておかないと反撃されるかもしれないという感情に追いつめられて周囲に攻撃的になってしまうタイプです。1番目と似ているのですが特徴的な点があるので区別できます。それは衆目監視の元で怒るか、怒らないか、ということです。1番目は自分主導で進めたいという気持ちが元になっていますので二人きりでも怒ります。しかし2番目は人間関係の固定が目的ですので、可能な限り周囲に人がいる等、周到に環境を作った上で怒ります。ガツンと言い返すと自分が負けるような場面でしか、ガツンと言ってこないはずです。

二人で怒ったときに思わぬ反撃を受けると以後の関係が逆転してしまいますが、複数の人の前でだと逆ギレをすることで自分が勝ったように見せられます。「お前の行ってることなんか聞けるかばかやろー。出直してこい。」といって退席してしまう感じです。このメソッドは怒りっぱなしではなく、別の機会では懐柔してくること(特に二人きりのとき)が多いところも特徴的です。

これはそもそも明確な上下関係のない間柄で仕事配分に傾斜を作る(自分がさぼる)ことであったり、本当は自分がやる仕事から逃げたり、年下の上司になめられないようにしたり、ということが原因ですので最初だけへーへーとやっていればいずれ逃れられないようなイベントが来て徐々に関係性が逆転します。もちろん、そのイベントを一つずつ明確に捉えて「本当はどちらが上か」を周囲に示す必要があります。ここで示す先は本人ではありません。なぜなら本人は「本当はどちらが上か」をわかっているからこそ、このような暴れ方をしているからです。

3番目は本当に危ないので発見次第、距離をとることをおすすめします。情報源は信頼できる先輩と、過去の人事情報で不可解な休職が多いことくらいしかありません。

自分はそういった搦手に頼ること無く、他のビジネスパートナーとの関係を構築したいものです。

yohei

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山口 陽平

山口 陽平

国内SIerに勤務。現在の担当業務は資金決済法対応を中心とした資金移動業者や前払式支払手段発行者向けの態勢整備コンサルティング。松坂世代。

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