« 2010年7月28日

2010年7月29日の投稿

2010年7月30日 »

児童ポルノのブロッキングが行われそうなムードになってきました。

おそらく児童ポルノの被写体となり、かつ被害者である人にとって(大人になってから自身の子どものころのポルノを主体的判断で公開するようなケースを除く)被害というのは2つあるのではないかと思います。

ひとつは本格的に蒐集癖のある人(比較的少数)に見られる気持ち悪さであり、もうひとつは興味本位で多数の人に見られる(流通する)気持ち悪さです。

この後者を食い止めるにあたってはブロッキングは非常に有効であるように思います。が、インターネットでは前者のような蒐集家は意地でも集めるだろうからブロッキングは無意味だというような主張も見受けられます。

それについてはまだまだ議論を深める余地があるように思いますが、蒐集家がブロッキングを使うことで自動的に児童ポルノに関するデータを集められるかもしれません。

方法は、ブロッキングが適用されていない国(たとえばドイツ)に自分の管理下の端末Aを設置し、同時に、ブロッキングが適用されている国(たとえば将来の日本)に自分の管理下の端末Bを設置します。

あとは手当たりしだいに同じサイトを巡回させるだけです。そういう方の集まる掲示板などからリストを取り出して端末Aと端末Bで取得できたデータを比較し、ブロックされていたらそれは国家のお墨付きを得た児童ポルノであることになります。今でも技術的に大量の画像を取得することは可能ですが、それを選別するには特殊な技術が必要と思われます。裸や人の顔くらいならば比較的容易に識別可能と思いますが、児童と成人をソフトウェアで識別することは非常に難しいでしょう。

これを回避するには世界中でまったく同じようにブロッキングの運用をせねばならず、難しいものと思います。ブロッキングをきっかけに、こうした技術を使ってより多くのデータを集める人と、そうでない人とに別れれば両者間で需要と供給の関係が生まれ、金銭によるやりとりが活発化しかねません。

さてこのようにコントロール策の弱点だけを言い逃げするのは建設的ではありませんので、何か代替案を考えてみましょう。

もし児童ポルノが「児童」であることに特別な意味を感じているとすれば、「児童」の部分をあやふやにしてしまうというのはどうでしょうか?すなわち、CGでもって「児童ポルノらしい画像」を作って大量にばらまいてしまうというものです。紙幣などでは「ひょっとすると偽物かもしれない」という思いは非常に強力に作用し、貨幣価値を暴落させたりする力があります。ブランド品も偽物が出まわると嫌悪されます。食品の産地偽装も同じです。蒐集しようとする人が本物かどうか判断がつけられないようにしてしまえば、ひょっとすると蒐集に魅力を感じなくなるかもしれません。もっとも、本物かどうかなどはどうでもいい、という人にとっては塩を送るだけなのが欠点です。

yohei

« 2010年7月28日

2010年7月29日の投稿

2010年7月30日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

山口 陽平

山口 陽平

国内SIerに勤務。現在の担当業務は資金決済法対応を中心とした資金移動業者や前払式支払手段発行者向けの態勢整備コンサルティング。松坂世代。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
yohei
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ