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ある方がPCについてこんなことをおっしゃっていました。

私(たち)があんなに大好きだったPCが、こんなに陳腐で、かつ“手間をかけさせる”存在になっていることに、改めて衝撃を覚えざるを得ない。

私は半年前、7年ぶりくらいにPCを買い換えて「おーwindows7いいねー」と思っていたところでした。しかしその一方でアプリの移行や初期設定に数日を費やしており、その手間にはうんざりしていたところでした。

それはそれとして、今年の3月に臨時収入があったことと池袋家電戦争が勃発したことをきっかけにして実家の両親にテレビをプレゼントしました。それまで実家のテレビが地デジに対応していないことを気にかけていたので、これを機に両親二人暮らしで1台あれば当面は大丈夫だろうという思いでした。

ところが先日、3月からカウントすれば2ヶ月という時期でしょうか。両親から連絡があり2台目を買ったとのこと。衝撃を受けました。発端は平たく言えばチャンネル争いであるようです。

現在私の家は3歳の息子と私と妻との3人暮らしで、リアルタイムを見るのは週に2時間もないと思います。息子用に「のりスタ」の録画を再生する時間を含めても週に10時間ほどでしょうか。

我々の世代は生まれた頃からカラーテレビが複数台あり、珍しいともありがたいとも思ったことはありません。街頭テレビから白黒、カラー化を体験した両親の世代(団塊世代)とは隔世の感があります。

その一方でパソコンと言えば友達の家か父親に頼み込んで使わせてもらった世代です。フロッピーディスクがもらえずに「電源を切れば消える」ということを認識しつつROM-BASICで儚いプログラムを組んだ経験からすれば、陳腐でも不便でも自分用のPCが1台あること、加えて言えばサブのPCや持ち歩き用のPCなど用途別に持っていればもう所有欲を満たすだけで相当に幸せです。

同じ年齢でも中高生のときにROM-BASICの儚さやWindows95をフロッピー数十枚でインストールするなどの経験をしていない人であれば大学入学時に10数万円で自分用にWindows98を買い、特にありがたみも感じないという人もいるかも知れません。かなり受け止め方に差があるようにも思います。ADSLが世に現れたときも、朝までネットしてしまったのはISDNテレホーダイにお世話になった人ではないかと思います。

もしテレビが4k2kの超ハイビジョンになったり3D化したりすればまた両親はそこに特別なものを感じことでしょう。自分はまたそれを「別に今のままでいいのに」と受け止めることと思います。自分は自分で4コアだ6コアだというたびに「おおー」と思い、不便を不便とも思わずに、陳腐を陳腐とも思わずに、OSのインストールやアプリの入れ替えを乗り越えていくことでしょう。しかしそれは一般的なことではなく、アマチュア無線や電子工作といった趣味がひっそりと(しかし根強く)縮小していったのと同じ道を辿るのではないかと思います。

yohei

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山口 陽平

山口 陽平

国内SIerに勤務。現在の担当業務は資金決済法対応を中心とした資金移動業者や前払式支払手段発行者向けの態勢整備コンサルティング。松坂世代。

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