« 2010年4月23日

2010年4月25日の投稿

2010年4月26日 »

アメリカのAmazonのマヨネーズ部門でキューピーマヨネーズがランキング1位の売れ行きだそうです。

『米国 amazon でキューピーマヨネーズが絶賛されてる件』
http://shirouto.seesaa.net/article/146013387.html

『米アマゾン部門売り上げ1位 キユーピーマヨネーズ大人気 (1/2) : J-CASTニュース』
http://www.j-cast.com/2010/04/25065024.html

Wikipediaの「キユーピー」にもあるとおり、日本のマヨネーズの歴史は今のキユーピーの創業者である中島董一郎氏がアメリカ留学から持ち帰ったことから始まります。カニ缶や鮭缶を販売する傍らでマヨネーズの販売を開始し、缶詰はアヲハタに、マヨネーズはキユーピーにつながっています。

今でこそマヨネーズは食卓に欠かせない存在になっていますが、マヨネーズが販売され始めた明治時代の日本には野菜を生で食べる文化はありませんでした。そこにまったく新しい調味料としてマヨネーズを売り込んでいく苦労は並大抵のものではなかったと思われます。

最近ですとラー油がブームになっていますが、ラー油は中華料理店などで見かけますし、ブームになって初めて口にしたという方も少ないでしょう。しかしマヨネーズの場合はまったく存在しないものを持ち込むわけであり、「整髪料と間違えて頭に塗ってしまった」という話が残されているほどです。そんな状況から、なんとかマヨネーズの持つ価値を知ってもらわなくてはなりません。中島氏はどのようにしたのでしょうか。

『キユーピー(2)』
http://www.opi-net.com/opiken/20051101_02.html

マヨネーズを知ってもらうため、中島氏は当時自分の商店で扱っていた商品である「カニ缶」と一緒に食べてもらう試食販売を始めたそうです。当時はカニ缶も高級ですがマヨネーズも同じく高級品であり、百貨店などで販売されていたそうです。今、ごく普通のスーパーマーケットでマヨネーズの試食販売をするのにカニ缶を使ったらなかなか元手がとれそうにありませんが、当時は高級食品という肩書きのもとでそういった売り方もできたのかもしれません。

時代は変わりましたが、今になってもやはり試食販売は有効な手段として身近な存在となっています。それだけでなくソフトウェアであっても体験版というものがありますし、基幹製品としてのデータベースを作っている企業であれば、データベースの有用性を理解してもらうためにデータの分析ツールであったり、販売予測ツールであったりという製品を売るというやり方が有効かもしれません。そう見るとデータベース=マヨネーズ、BI=カニ缶、という構図もあるのかな、と思います。

ちなみに、マヨネーズの祖である中島氏は愛知県尾西市の出身であるわけですが、諸説あるものの一説によればケチャップの祖、そうでなかったとしても古くから日本の代表的ケチャップメーカーであるカゴメの創業者の蟹江一太郎も愛知県東海市の出身ということで、なぜか愛知県はマヨネーズにもケチャップにも深くかかわりがあるという土地であるといえます。味噌は全国的に大手メーカーが少ない市場ですが、しょうゆ(イチビキ、サンビシ)も酢(ミツカン)も愛知県ですね。ソースのコーミは全国ブランドとは言いがたいですね。

『カゴメ株式会社 > 食生活・レシピ > トマト大学 > 文学部 > トマトの日本デビュー』
http://www.kagome.co.jp/style/tomato-univ/literature/debut.html

yohei

« 2010年4月23日

2010年4月25日の投稿

2010年4月26日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

山口 陽平

山口 陽平

国内SIerに勤務。現在の担当業務は資金決済法対応を中心とした資金移動業者や前払式支払手段発行者向けの態勢整備コンサルティング。松坂世代。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
yohei
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ