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ブロガーズ・ミーティング@シスコシステムズ「遠隔会議は“空気が読める”か?」に行ってきました。読めました。空気。

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ロボット、CGなどでは「不気味の谷」という現象が問題になることがあります。現実に近いけれども、微妙に異なるものを人間が拒絶したくなるというものです。

テレビ電話でも圧縮やフレームレート、遅延の関係で「気持ち悪い」画像になることがあります。ほぼリアルタイムで耳から入ってくる音声と動画のずれ、圧縮ノイズのいたずらにより現実ではありえないような表情になる、などの要素が気になってしまうと、会議に集中ができない状態になります。

今日は実際にHDパネルのプラズマディスプレイを3面使って大阪など4室が結ばれた状態で会議を行いました。少なくとも「不気味の谷」現象による気持ち悪さにより会議に集中できないという現象はまったく避けることができました。1点欠点を感じたところは、カメラを通すことによりカメラの向こうの人の視線がわからないことにより、自分が他人から注目されている瞬間がわかりませんでした。それにより、腑抜けた表情をしていたり、怖い顔をしていたり、ということがあったかと思います。現実であれば視線を感じて気を引き締めるということがありますので、そこは課題になるのではないかと思います。ミーティングではテレビのようにアクティブなカメラにランプをつける、ということが考えられていました。

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本日のミーティングがもっとも盛り上がった瞬間と言えば、やはりiPhoneなどの様々なデバイスによるテレビ会議への参加でした。テレビ会議の専用端末、FOMA端末、iPhoneなどで同時に会議に参画したのですが、HDプラズマディスプレイ3面というハイスペック過ぎて日常感のないデバイスと異なり、普段手の中に納まっているiPhoneでテレビ会議に参加できるというのは非常におもしろい体験でした。なんとなく「できるかな?」と思わせてくれるiPhoneよりも、「さすがにつらいだろう」という感覚のあるFOMA端末のほうがインパクトがありました。

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テレビ会議などの経験はまさしく「経験」しないと感動が伝わらないように思います。もう少し文章力があれば、とも思いません。プロを連れてきてもなかなか難しいのではないかと思います。今日の会場ではデモンストレーション用の設備が非常に整えられているように感じたのですが、それは実際に見せることで製品の価値を強く訴求できるからではないか、と思いました。

また、シスコさんが「一歩先を行ったな」と思わせる点がありました。それはワークライフバランスに関する事柄です。テレビ会議であったり、テレワークであったりという「物理的な場所」を意識させないソリューションを自社でも展開することで、働いている時間をいっぱいいっぱいに活用することができます。あくまでやろうと思えば、の話ですが休日に仕事を片付けたり、海外の時差のある都市に行ってもその時差で働き、日本の時差でも働く、ということが技術上可能な状態になっています。そういったところでどれくらいまでその人が働くか、ですとか、これまでは働くといっても電車に乗ったり会議室に人が集まるのを待ったりというどこか「ほっ」とできる時間があったはずで、その部分(ムダとも言える)を減らしていくと、どこかの時点で弊害が出るのではないか、ということをシスコさんの社員の方と意見交換することができました。

テレビ会議などの技術により物理的な距離を取り払って働くということが身近になっていくわけですが、それにより実現されるメリットにデメリットがくっついてくることは世の常であるように思います。世の中より一歩先に到達したことにより、一歩先にその問題についても取り組めるわけですから、企業の魅力を大きくするチャンスを得られるものと思います。「テレビ会議が普及して仕事が楽しくなったね」と言われる世の中になりますように、流れ星にお願いしてみたいと思います。

yohei

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山口 陽平

山口 陽平

国内SIerに勤務。現在の担当業務は資金決済法対応を中心とした資金移動業者や前払式支払手段発行者向けの態勢整備コンサルティング。松坂世代。

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