« 2009年8月23日

2009年8月24日の投稿

2009年8月26日 »

谷川さんのここで自分の会社のことをPRするブログを書くのはかなり難しいというエントリを読みました。

その中に高橋徹さん、玉川さん、砂子さんの3人の名前があって、

(とおるさん)自身がSunのマシンやソフトウェアの強力なファンだった

(玉川さん)彼もまた、Oracleの製品のことを好きで、いいものだと実感している

(いさごさん)Microsoftのいいところをいままさにビシバシと受け取っている最中であり、その良い部分をなんとか工夫してみんなに伝えようとしている

と、分析しておられました。自分もちょうど似たようなことを感じていました。自分も含めてオルタナブロガーの皆さんは今の仕事が好きなんだなと思うことが多いです。好きだからといって満足しているか、課題感がないか、というと必ずしもそうでないとは思いますが、特にミーティングなどで直接顔を合わせて会話をさせていただくと「夢」や「想い」といった部分に触れることがあります。実際には好きだからこそ見えるマイナスの部分などもあり、それを無視してプラスの部分だけを取り上げる難しさなどが邪魔をしてブログに書くのを難しくさせているのかもしれません。

それでも「夢」や「想い」を語るのがうまい人はたくさんいて、特にそういった思いにさせられたのはやはり高橋徹さんでした。徹さんに会うまで「エバンジェリスト」という仕事がよくわかっていなかった私は、何度かお話をさせていただいているうちにとおるさんを思い浮かべて「ああいうのがエバンジェリストだ」と納得できるようになりました。(実際には当時プリンシパルソリューションアーキテクトだったはず)

谷川さんの言うとおりにとおるさんがSunのマシンやソフトウェアのファンであることは疑いようのない事実であるわけですが、それ以外にも「Sunをやめると社員番号が欠番になる」とか「Sunでは災害時の対応カードが配布されている」とか「Javaの父もXMLの父もSun社員(またはOB)だ」ということを色々と教えてくれて、Sun社自身のエバンジェリストでもあったのではないかと思います。とおるさんとの短いお別れを済ませた後、妹尾さんと2人で「あれだけ『いい会社いい会社』言えるってどんだけえー会社やねん」という話で盛り上がりました。オルタナメンバーの中でSun社のイメージ調査をしたら全国平均より高い自信があります。

さてエバンジェリストとはどんな仕事なのでしょう。各社によって定義は異なると思いますが、私は情報システムの仕事に対して3つのハートを持った人であると定義しています。

  1. 好奇心
  2. 向上心
  3. 良心

1番目の好奇心は、エバンジェリストがその企業の最新の技術を世に広めるのが使命であることからはずせない要素であると思います。率先して良いところ悪いところを把握してポジショニングを明確にしなければ、良い技術もうまく売り込むことができなくなるかもしれません。そして世の中にある様々な現場に対して「どんな仕事をしているのか」という興味を持って取り組むこともまた必要であると思います。興味を持たなくなれば惰性運転になり、惰性は小さな変化を見逃し、いつかそれが累積して大きな歪みを生みます。そういった意味で、固定化されやすいユーザ側システム部門とベンダ側SEとの間に介入して新しい技術を持ち込み、議論を混ぜっ返す人がいてくれることの意味は大きいと思います。ですので新しい技術の案内状などをもらった際に「このセミナーにお客様を案内して”その気”になられたらめんどくさいなー」と思うこともあるかもしれませんが、長期で見れば必要な刺激であることが多いように思います。

2番目の向上心は、その技術をもっと使ってもらうこと、そしてすでに使っている人にもっとすばらしい使い方があること、そして将来的にどんな高みに連れて行くことができるのか夢を語ることであると思います。どんなにすばらしい技術でも、将来の夢があまり高い位置に設定されていないことは技術者としてハートをくすぐられることがありません。Javaを学んでいれば、.NETを学んでいれば、こんなすばらしい未来があるかもしれない、小さい頃から不満だったあんなことを解決できるかもしれない、そういったドキドキやワクワクを体験させてくれそうなオーラがあって欲しいと思います。技術者は自分の人生を技術の選択に委ねざるを得ないところがありますので、迷える子羊を救うためには「俺の背中についてこい」というカリスマ精神が必要とされるところなのかもしれません。

そして最後の良心は、ノルマやしがらみから一歩はなれたところから良心に基づいて技術を薦めたり薦めなかったりして欲しいという思いです。うちの製品もいいですけど、無理に乗り換えるにはリスクが大きいですよ、とか、ミッションクリティカルな度合いが強いのでもう少し枯れるのを待ってもいいかと思います、といったことを正直に話し合える人がいてくれると嬉しいと思います。(ですのでいさごさんのお話、感動いたしました。)

実はこの好奇心、向上心、良心という3つの心は自分が普段から仕事をするにあたって心がけているものだったりします。それがなんだか自分の中のエバンジェリストのイメージにしっくりくるようだったのでここで紹介してみました。

最後に、とおるさんとの会話で思い起こされるものと言えば、世の中からバッチ処理を無くしたいというものです。夜にデータを突っ込んで朝まで待つなんて馬鹿らしい、という話から、それならSOAで再構築すりゃいい、APサーバをたくさん立てて性能に余裕を持たせてサービス連携させればいい、という話になり、Javaでインタフェースを固めればサービス間連携の開発も容易で、しかもその実行基盤にT2000というすごくいいサーバがあってコア数がすごいんだよ。GlassFishというAPサーバもあって、それぞれのサービスをXMLで結んでいくだけ、それをJavaFXで見せたらすごくきれいに見えるし、シンクライアントにしちゃえば家に帰ったって仕事できるんだから、夜間バッチなんて言われたら困るじゃない。もちろんID認証もSunで、ストレージもSunで。うんたらかんたら。で、最後に必ず「ね、すごいでしょ。ふふん。」と。

色々と思い出すことは尽きませんが、この一言以上にエバンジェリストの仕事は表す言葉はないかもしれません。「ね、すごいでしょ。」いつか言いたい、言ってやりたいと思っています。

yohei

« 2009年8月23日

2009年8月24日の投稿

2009年8月26日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

山口 陽平

山口 陽平

国内SIerに勤務。現在の担当業務は資金決済法対応を中心とした資金移動業者や前払式支払手段発行者向けの態勢整備コンサルティング。松坂世代。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
yohei
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ