« 2008年12月5日

2008年12月10日の投稿

2008年12月12日 »

アメリカではビッグスリーの救済が難航しているようです。

時間があったら図書館に行って今年の正月の日経新聞を読み返してみたいと思います。毎年恒例のことですが、日本の様々な企業の代表の方が今年の経済の展望を予想していたはずです。

サブプライムローンで厳しい局面があるかもしれない、というような意見は見かけたような記憶がありますが、ドル円が90円とかユーロ円が120円とか原油が1バレル40円という意見は記憶にありません。もっとも、正月のめでたい紙面ですので『今年は経済危機がやってきて100年ぶりの最悪の年になる』なんて思っても口に出さないかもしれません。

ビッグスリーの経営陣に怠慢があったのか、それとも不況が原因なのかはさておき、経営陣がデトロイトからワシントンに移動するのにコーポレートジェットを使ったことが批判されたことは記憶に新しいかと思います。その後、批判を受けて自動車でワシントン入りした際は「普通の飛行機でくりゃいいんだよ。なんで10時間もかける必要があるのか」と別の理由で批判されたとか。私もそう思いました。

さて、もし私がビッグスリーのいずれか本体の社員でブロガーだった場合、どうしたものでしょうか。これから皆さんの税金をじゃぶじゃぶと使って救済してもらい、いくらか減額されるかもしれませんがいくらかお給料をいただくことになります。となるとビッグスリー経営陣が受けたのと同様な厳しい指摘を受けるかもしれません。

アメリカブログ界のことはよく知りませんので日本のこととして考えますと、公務員の不祥事の際には「こっちは高い税金を払ってるのに」という意見をよく見かけます。特にYahoo!やlivedoorのニュースのコメント欄ではそういった主張が目立つように思います。

となると、もし今報道されているように1兆円以上の支援を行なうということになればネットに数多くの怒りの意見が書き込まれそうです。ましてや失職した人から見た場合、自分は救ってもらえないわ税金は取られるわでさぞ胸中に怨念うずまくことでしょう。

そういった方の気持ちを考えず、「ミシュラン三ツ星のレストラン行ったよー」とか「ハワイに行ってきたよー」という感じの記事を書いたら、批判の声が上がってきそうです。物騒な世の中ですので殺害予告や予告に留まらない恐ろしいことにもなりかねません。

もしも自分がビッグスリー社員でブロガーだったら、ブログを中断するかもしれません。確かにブログは楽しいですし、得る事もたくさんあります。しかしそれと引き換えに誰かをイラっとさせてしまう可能性が高いならば、そこまでして断行するものでもないと思います。何か書きたいことがあればSNSで自分とつながりのある仲間に公開すればよいでしょう。

一方で単なる社員がそこまで自重する必要があるのか、という点については迷いがあります。たまたまその会社に就職してまじめに働いてきた人が、経営陣の怠慢や市場環境の激変を理由にブログをやめたり現実世界で陰口を叩かれたりということは爽やかなことではありません。

不況は人の心を荒ませますので、ネットでも余計に不平不満を多く感じるように思います。そういったムードの中ではある程度の自重が求められる事は仕方が無いのかもしれません。願わくは速やかに不況が去り、明るい雰囲気が訪れますように。

yohei

« 2008年12月5日

2008年12月10日の投稿

2008年12月12日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

山口 陽平

山口 陽平

国内SIerに勤務。現在の担当業務は資金決済法対応を中心とした資金移動業者や前払式支払手段発行者向けの態勢整備コンサルティング。松坂世代。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
yohei
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ