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私の思うプロとアマの違いは持続可能である点にあると思います。

プロとは利益を得られる人物です。まず、自分が利益を得られるようでなければ持続可能な事業になりませんので、プロではないと思います。成果の素晴らしさだけで判断すると、時にアマチュアがプロフェッショナルを上回ることがありますが、持続可能でない点において違いがあるように思います。多くの場合、プロ的な成果を残すアマチュアは本来の収入源を別に持っており、そこから時間やお金を捻出して費やしています。プロは本来の事業の成功報酬によりその事業を継続しています。

また、プロに仕事を依頼した人物が満足しない場合、利益を取られる事について不満を感じます。「利益はお客様の満足に対するご褒美である」という言葉がありますが、お客様が満足していないのに自分の利益だけをしっかり取るようではその事業を継続する事はできません。

事業を継続すると言う事を考えると、常にコスト意識があることが重要であると思います。

多くのサラリーマンにとって労働というのは漠然と「疲れる」とか「しんどい」というだけで自分の財布が傷むものではありません。電車に乗って会社に行き、仕事をして帰ってくるのに特別な費用はかかりません。会社としてはこの事に対して賃金を支払うのですが、自分自身から見れば労働力を提供してその対価にお金をもらっていることになります。会社からもらう賃金に対して、「この給与ならこれくらいしか働いてやらない」とサボれる人材こそがコスト意識のある人であり、プロ的であると言えます。

釣りバカ日誌の浜ちゃんは、始業時間ぎりぎりに出社してタイムカードを押すとまずトイレの個室で釣り新聞を読みます。勤務時間以外にトイレに行く事は「損」であると言います(記憶が確かではありませんが、こんなシーンがあった気がします)。サボること自体は決して褒められる事ではありませんが、これは会社に対して自分の労働時間を売っているという思想がなければ出てこない発想ではないでしょうか。

ただ単にサボりたい人はお金をたくさんもらってもサボってしまうでしょう。しかし自身のコスト意識が高いために「こんな仕事やってられない」という行動を取る人は、きっと報酬をもらえばそれなりの仕事をしてくれるのではないかと思います。ただしこのような人材も、若いうちに頑張っておけば昇進した後から取り戻せるはずだという確証があれば長期的な視点からバリバリ働くのではないかと思います。

こういった考え方ができる人こそが、お客様に対して仕事をする際にも徹底的に無駄を排除し、お客様から得る報酬を最大に活用して成果を生むことができるのではないでしょうか。それができた時、自分が利益を取る事についてお客様が気持ちよく承認してくれるのだと思います。

また、数十年という単位で事業の継続ということを考えると、自身の子を残すために家庭を築いて(運に恵まれれば)夫婦で2人以上の子供を設けるというのもプロの条件ではないかと思います。仕事だけにすべてを捧げる人が増加した結果、社会体制が崩壊してしまったら本末転倒です。キュリー婦人のように命を賭して人々の幸福に尽くす素晴らしい方もおられますが、社会を継続させるという視点からすれば家族を大切にするという事も同じくらい大切なことで、プロになるための欠かせない条件の一つであると思います。

yohei

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山口 陽平

山口 陽平

国内SIerに勤務。現在の担当業務は資金決済法対応を中心とした資金移動業者や前払式支払手段発行者向けの態勢整備コンサルティング。松坂世代。

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