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もうすぐIPA賞が開催されます。

IPAX2008
http://www.ipa.go.jp/event/ipax2008/index.html

IPA賞とは

次代を切り開く「旬」となっているITを実現している個人やグループに着目した表彰制度です。

本制度は、2005年度に創設され、本年度は、第4回目の選定・表彰となります。

IPA賞の選定においては、オープンソースソフトウェアや情報セキュリティを始めとする、IPAが注力する事業部門((1)ソフトウェア部門、 (2)オープンソースソフトウェア部門、(3)ソフトウェアエンジニアリング部門、(4)情報セキュリティ部門、(5)人材育成部門、(6)事業化支援部門、(7)IT化促進部門)ごとに受賞者を選定いたします。

情報処理技術者試験の主催者であるIPAが開催する賞で、上のような主旨によるものです。この中の(5)人材育成部門については情報処理技術者試験に関連する方の受賞が多いです。(といってもまだ3回しか開催されていませんが)

その中でも第2回の受賞者は「11歳で基本情報技術者と初級システムアドミニストレータにダブル合格」した方でした。プログラムに関連する問題は年齢にあまり関係ないと思いますが、2進数、待ち行列、MTTRの計算問題などを考えると、11歳で合格できる事に驚きます。いや、計算問題はともかく、問題文に読めない漢字などは出てこなかったのでしょうか。

さて先日、人生は、無資格・無免許というエントリで高橋徹さんが

資格は、(中略)持ってたからって、なんになるというものでもないと感じる。

と言っておられました。私もその通りだと思います。持ってたからといって何にもなりません。身近なもので例えればお金、それも紙幣と同じようなものだと思います。

紙幣は持っていても勝手に増えたりしません。勝手に減りもしませんが、インフレで目減りすることはあります。それを活かすためには投資が必要となります。資格も同じで、勝手に価値が上がることはありません。むしろ下がることのほうが多いです。資格をタンス預金にしたくなければ、資格を優遇してくれる誰か・何かに働きかけて自分を売り込む材料として活用することだと思います。そのことで世界が広がり、知識・経験が増えて実力をアップさせる事ができれば、その時にやっと資格の意味が出てくるのではないかと思います。

紙幣は交換しなくては用を為しません。北斗の拳の第一話では聖徳太子の紙幣が捨てられていました。紙幣は食べる事もできなければメモを取るスペースも少ないので実用的なものではありません。ですので食べ物や服に交換をします。資格も証明書1枚の実体のないものですので、行使しなくては役に立ちません。公的に資格を行使できる場となると、名刺に書き込んだり、提案書に書き込んだりという事があります。自分の技術力や知識を相手に伝えるためには過去の経歴や現在保有している知識を説明するのがベストですが、例えば競争入札で広く業者の参加を募る場合となると全員がそうするのは現実的ではありません。名刺交換についても30秒やそこらで伝えられる事には限界があります。そういった場合に資格を持っていることを伝えることで大きな時間の節約となり、互いの力量を把握した上でスキルについて確認し合う事ができます。(なお私は聖徳太子の紙幣を手に取った事がありません。)

紙幣は天から降って来たら嬉しいですが、やはり額に汗して手に入れたものを使うから楽しいのだと思います。資格も、業界で10年働いたら自動的にもらえるようなものよりも、努力して取得したもののほうが大切に感じられます。冒頭で紹介した11歳の基本情報技術者の方などは、まさしくこれからIT業界で働いていこうという方だと思います。資格は持っているということに加えて、資格を取得するためにどれくらい努力をしたかという点も重要です。これはまさしく、お金をたくさん持っている人が努力をした結果裕福になったのか、親の七光りなのか、宝くじなのか、という違いによって偉い人なのかそうでないのか、という点と似ていると思います。

他にも色々と似ているところがありそうですが(持っていると羨ましがられるからとにかく欲しくなる、勉強に費やした時間が報われず不良債権化するなどなど)書き切れないので最後に1つだけ。たくさん持っていることを自慢しないようにしましょう。

yohei

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山口 陽平

山口 陽平

国内SIerに勤務。現在の担当業務は資金決済法対応を中心とした資金移動業者や前払式支払手段発行者向けの態勢整備コンサルティング。松坂世代。

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