« 2007年9月15日

2007年9月16日の投稿

2007年9月17日 »

リコールナビという大量のリコール情報が集積されているサイトがあります。昨日、メーカー横断的にリコール製品を回収してくれるサービスがあると良いのにな、という旨のエントリを書いたところ、コメント欄でリコールナビの存在を知りました。

とても便利です。食品・自動車・電気製品から衣料・楽器まで幅広く情報が集まっており、思わず家にある家電を10個くらい検索してしましました。該当するものは1つもありませんでしたが、似た型番の洗濯機がリコール対象となっており、念のためメーカのサイトで確認しました。結果、リコール対象外のようで安心しました。

基本的なリコール情報は以下の要素から構成されるようです。

  • 該当商品
  • リコールになった理由
  • 対応策(交換・返金など)
  • 連絡先
  • 商品の引き取り窓口の住所・電話番号

これに加えてこちらのサイトには「友達に教える」というボタンがありました。確かに友達が使っている製品のリコール情報を見つけたら教えてあげたくなります。それよりも深刻なのは「贈答品」でリコールが発生してしまう場合ではないでしょうか。最近も北海道のおみやげで賞味期限切れ商品の再出荷などの不祥事がありました。気持ちを込めて送るおみやげの品で腹痛でも起こしたら洒落になりません。もし自分が誰かにあげた製品のリコール情報を見たら、大事にならないうちに「友達に教える」をしたほうが良いと思いました。

実は私が結婚した時の結婚祝いに親しい友達から加湿器をいただきました。特徴的なデザインにより、色々なメディアに取り上げられた製品です。友人から受け取る時に「説明書をよく読んで使うようにって店員さんが念を押してたよ」と言われました。その加湿器は水をヒーターで加熱するだけの簡単な構造なので不具合を起こしそうにないのですが、友人の指示通りに説明書を読み、念のためネットのクチコミを検索しました。そこで見かけたのはリコール情報でした。型番が違うので私の手にしたロットは対象外でしたが、半年前に同じ製品がリコールになっていました。もらった製品はその改良版のようです。

不吉なものを感じつつ、慎重に水をセットしてスイッチをいれます。「ピーピーピー」動きません。説明書通りにトラブルシューティングを行い、再チャレンジします。「ピーピーピー」動きません。再々度のチャレンジで動き始めました。しばらく使っていると加湿器のまわりの床が結露しています。蒸気の拡散力が低いために、加湿器の周りの空気が過加湿状態になっているようです。坊主憎けりゃとでも言うのでしょうか、そのような欠点が目に付き始めると他の事まで気になり始めます。もらいものとは言えだんだん腹が立ってきました。デザインが良いと言っても本体だけで電源コードは何のこだわりもない真っ黒の無粋なコードだし、音はボコボコ言ってうるさいし、大きさの割りに加湿力がないし、表面の光沢加工が甘いためか光の加減で凹凸や研磨の跡が見えて気になるし、何より構造的に水の補充がやりにくい上に原因不明のエラーになる頻度が高すぎる!

そういうわけでお客様コールセンターに電話しました。エラーが発生しまくって使い物にならない旨を伝えたところ、交換しても良くなるとは言えませんが交換しますか?という微妙な回答をいただきました。なんでも、室内の湿度を測るための湿度センサーが、水タンクの取り付け口のすぐ近くに設置されているために高頻度で湿度100%エラーが発生してしまうとか。対応した人に伺ってみると、同様の不具合への苦情は少なくないのですが、現時点では解決方法は無いとのこと。その言葉を聞いて、今度はその商品を買ったというお店に電話して返品が可能かどうか聞いてみました。不具合を伝えた上で「メーカーの人が新品に交換しても改善しないって言うのですが、返品できますか?」と聞いたところ返品OKとのことでした。その後、切り出しにくかったのですが加湿器をプレゼントしてくれた友人に事情を話して了解を取り、返品してきました。なお、現在もこの製品は販売されているようですが、バージョンアップに成功したようで良い製品に生まれ変わったそうです。

友人が気持ちを込めて送ってくれた製品が不良品だったことについて、メーカーには大きな憤りを感じました。その製品さえしっかりしたものであれば私も友人もお店の人も不愉快な思いをせずに済んだはずです。製品は気持ちを込めて贈答されることもあります。どのような製品も不良品を無くす努力は必要ですが、贈答が予期されるような商品はとりわけ不良品を無くすように注意しないと不愉快な思いをする人が増えるので気をつけなければならないと実感しました。自分も常に品質の高いシステムの供給ができるように技術を磨きたいと思います。

yohei

商品のリコールが多いですね。日経新聞の朝刊の社会面の一番下は、リコールのお知らせが載せられる事が多く、いつも注目して読んでいます。

先日、うちの息子が離乳食を始めました。と言ってもどろどろの米粥を小さじ1杯からスタートです。少量のお粥を炊くのが面倒な場合に、湯のみを炊飯器の中に入れてご飯と同時にお粥を炊くという技があるそうです。しかしうちで使っている炊飯器は圧力をかけるタイプだったので、奥さんが念のためメーカーに電話して、それができるかどうかを確認しました。結果、圧力を変化させるときに湯のみが倒れるかもしれないため、湯のみでお粥は炊かないで説明書どおりにお使い下さいとのことでした。

うちは湯のみでやろうとしていましたが、炊飯器の中にセットしてお粥を炊くための専用のカップのような商品も販売されています。うちにある湯のみと違って米や水の量の目盛りがあるため、失敗なくお粥を炊くことができるものです。しかし、私が見たことがある商品に関しては「圧力タイプの炊飯器で使用しないでください」ということは書いてありませんでした。このように、組み合わせ次第で不具合が発生するようなケースは、炊飯器メーカーが注意書きをするべきなのか、お粥カップのメーカーが注意書きをすべきなのか難しいところだと思います。

このようなリコール情報はあまりにも多すぎて消費者側が把握できるキャパシティーを超えてしまっているように思います。そこで、以下のようなサービスを提供する会社を設立するという案はどうでしょうか?

  1. あらゆるメーカーからのリコール情報を集積し、データベース化する。
  2. 民家を訪問し、無償で食べ物から電化製品まで様々なものをチェックする。
  3. リコール商品を発見した場合は、メーカーの指定に沿ったフォローを行う。
  4. リコール商品の発見数に応じ、メーカーから謝礼を受け取る。

1つのメーカーから出たリコール情報は微々たるものですが、それが数多くのメーカーから発せられる事により大量のリコール情報が出回っています。一方、家庭には様々なメーカーの商品が集まっています。そこで、あらゆるメーカーからのリコール情報を集積してデータベースを作成し、家庭訪問を行ってリコール対象商品を見つけてあげるサービスがあると双方にメリットがあるように思います。

肉まんがないときー

あるときー

メーカーは複数社が相乗りでリコール商品を探す形になり、1社あたりのコストを下げる事ができます。

家庭はリコール商品をリコール商品と知らずに使い続けるリスクを低減することができます。回収対象となる商品の不具合が重大である場合、メーカーによる家庭訪問調査が行われる事がありますが、複数社のリコール対象商品をまとめて調査してもらうことができれば受け入れの負担も軽減することができます。

「リコール商品がありますよ」ということを思い出させてあげる、ということでrecall-recollectサービスなんていう名前で始めてみたらいかがでしょうか?

yohei

« 2007年9月15日

2007年9月16日の投稿

2007年9月17日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

山口 陽平

山口 陽平

国内SIerに勤務。現在の担当業務は資金決済法対応を中心とした資金移動業者や前払式支払手段発行者向けの態勢整備コンサルティング。松坂世代。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
yohei
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ