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ゲーム開発で学ぶ Ajax入門を読みました。

Ajax(エイジャックス)という技術を用いれば
これまで実現が難しかったような
Webサイトを作ることができます。

例えば、郵便番号と住所を入力するページで、
郵便番号を入力し終わったら自動的に
住所が表示されるようなページを作ろうとします。

これまでのWebサイトでは、郵便番号を入力して
「住所を検索して表示する」などと書かれたボタンをクリックして
Webサーバにリクエストを送信しない限りは
住所が表示されませんでした。

Ajaxのページでは必要な情報を好きなタイミングでやり取りできます。
表示されているページの裏側にサーバと情報をやり取りする
プログラムが隠れており、入力された郵便番号を元にして
サーバから住所を検索し、得られた結果を画面に反映することが可能です。

最近、世間を騒がせている年金の未入力・誤入力問題というのがあります。
パソコンの画面に氏名や住所、電話番号などの情報を入力する際に、
Ajaxによってヒントを出すことができればいくらか入力精度を向上させることが
できるのではないでしょうか。

例えば、斉藤という名前を入力しようとした場合、
画面上に「斎藤さんではないですか?」というヒントを出すこと。

ワタナベという読み方を登録しようとした場合、
画面上に「ワタベさんではないですか?」というヒントを出すこと。

これらは従来のWeb技術でやろうとするとなかなか大変なことです。
表示したいのは数10バイトの文字だけなのですが、
Ajaxを使わないサイトではページ丸ごとを再表示させなければなりません。
年金相談は、各都道府県にいくつもの事務所があり、それぞれにいくつもの窓口があります。
そのようにたくさんの窓口から発せられる大量のトランザクションを処理するには、
画面を丸ごとリロードするような設計のWebサイトでは負荷が大きくなってしまいます。
そのような場合、Ajaxにより必要な情報だけをブラウザに送出できれば効率的です。
(キャッシュサーバを立てて不変な部分をキャッシュするのも手ですが)

一方、Ajaxを支えるJavascript言語でできることは限られています。
世の中を探せばすごい人がいるもので、JavascriptによりDESの暗号化・復号化ができる
Des.jsなどという素晴らしいものを作る方もおられますが、
Javascriptはそのような複雑な計算を得意とする言語であるとは言い難いです。

Javascriptは何千万件のデータの名寄せ処理をするのにも向いていません。
それらはCOBOLやらRDBに任せるのが普通でしょう。
しかし、COBOLに接続するCUIの端末からでは入力精度を保つことは難しいです。
そういう場面では、Javascriptによる入力フォーマットのチェックや、
入力されたデータをAjaxによりサーバ上のデータと突合することが
大きな効力を発揮します。

こちらの本、「ゲーム開発で学ぶ Ajax入門」では、
MySQLとApacheとPHPが入ったCD-ROMつきで
すぐAjax学習を始められます。

サンプルコードとして、MySQLに格納した問題一覧からクイズを出すゲームなど
いくつかのゲームがついていました。内容は本格的にゲーム開発を学びたい人向けではなく、
ゲーム作りを通してAjaxの仕組みを学ぶ、という感じでした。

昔ベーマガっ子でした!という人はDr.D、影さん、つぐ美ちゃんなどを思い出しながら
Ajaxに挑戦してみてはいかがでしょうか?

yohei

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山口 陽平

山口 陽平

国内SIerに勤務。現在の担当業務は資金決済法対応を中心とした資金移動業者や前払式支払手段発行者向けの態勢整備コンサルティング。松坂世代。

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