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中国からドジョウを日本に輸入する時の話です。ドジョウを水槽に入れて空輸すると、移動中の振動で80%が死んでしまうそうです。20%の生存率を高めるために取られた対策は、ドジョウの天敵であるナマズを同じ水槽に入れることだったそうです。その結果、20%のドジョウはナマズに食べられてしまいましたが、一匹のドジョウも死ななくなり、生存率は一気に4倍(80%)になったそうです。(岡本吏郎著「稼ぐ超思考法」フォレスト出版 、124ページ)

天敵ナマズの存在で、振動による影響が相対的に低下し、振動で死ぬドジョウはいなくなった、ということになります。振動によるストレスに負けない強い生命力が育まれたと言えることができるでしょう。温室育ちのひ弱さとは対極にある強さです。

いつも心にゆとりの持てる職場環境は理想ですが、経営基盤が脆弱なベンチャー企業に危機は必ず訪れます。絶望的と思える状況を掻い潜り、生き延びた企業はとても逞しくなります。ベンチャー企業が成長の機会を得るには、果敢な挑戦が欠かせません。果敢な挑戦は失敗に終わることが多いのですが、その学習効果を生かして、挑戦なしには得られないノウハウが身につきます。

従って、黒字化していないベンチャー企業は、あえて居心地の悪さを求めていく必要があります。達成出来そうな目標ではなく、(知恵を絞らないと)到底達成できない目標を掲げることで、他社にはない収益モデルを思いつくことが出来ます。また、価値観の共有が出来ているサポーターからの苦言は、建設的に捉え成長の糧としていく必要があるでしょう。

お客さまからの意見は、期待の大きさの表れであり、大きな期待に応えてこそ、さらに大きな信頼を獲得することが出来ます。会社に関する問題点を指摘する社員は、忠誠心の高い社員です。給料だけ貰えればいいと思っている社員は、イエスマンを貫きます。本当に会社のことを考えてくれている人がどこにいるのかを知っていれば、経営者は真っ当な意思決定が行えます。

成長途上にある会社の経営者は、耳の痛い話こそ大切にする必要があります。赤字の状態で心地良さを求めていては、資金は減っていくばかりです。居心地の悪さと決別したければ、早期に黒字を達成し会社を成長軌道に乗せていくことです。苦しい時期をしっかりと乗り越えていけば、旺盛な生命力が育まれ、しぶとい経営が可能になります。居心地の悪さを、成長へのプロセスとして楽しみましょう。
2007.11.17

tsuji2005

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辻 俊彦

辻 俊彦

ベンチャーキャピタリスト。専門分野は、メディア系、ITサービス系。

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