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経済の状況が悪くなって、世の中が保守的なムードになってきて、アメリカの時代は終わったという話も出てきているが、昔も似たような話があった。Japan as Number One (Ezra F. Vogel) が出版された 1979 年頃は、アメリカの時代は終わって、日本の時代になるというようなことが話されていた。しかし、そうはならなかった。日本はその後しばらくの間バブル景気で潤っていたが日本の時代になったわけではなく、実際はアメリカの時代が続いていた。

社会が成熟してくると、人権を含む国民のさまざまな権利が重視されてくる。それ自体は良いことであるが、その権利を守るためという言い訳で、保護的な政策が強まってくる。結果として、新しい考え方を排除し、できるだけリスクをとらない方向へと流れにつながってきているように思える。その意味では、新しくできた消費者庁には不安要素が多い。「消費者を守る」という、それだけでは誰も反対できない建前を掲げることで、議論なしにさまざまな官製不況を作り出したり、新しいものの排除を行ってしまう可能性がある。

たとえば今、四輪の自動車は普通に使われているが、二輪のオートバイというものが存在しなかったとする。そこにある企業がオートバイというものを発明し、販売しようとしたと考えて欲しい。このとき、日本の政治はオートバイという新しい発明を受け入れて、法律を定めて育てていくことができるであろうか? もしこれが日本の発明であったなら、過去の経緯から見て、これはたぶん NO であろう。もし、すでに海外で実証済みで、それを知っている声が大きければ、YES になるかもしれない。しかし、世界をリードする国になるためには、海外のどこにもないものであっても、リスクをとって自分で始めていく姿勢が必要である。または、少なくともリスクをとって何かを実行しようとしている人を邪魔しないことが必要だと思う。

リスクがあったとしても、新しいものを取り入れて発展させていく力のある国の多くは、現在発展途上の国である。たとえばインドに行くと、法律などよりも早く社会が発展しているように感じられる。それができなければ、急激にほかの国に追いつくというような発展を遂げることはできない。そのことによるリスクはあるが、好む好まざるに関わらず国民全体がそのリスクを受け入れざるをえない。

世界をリードする国になるには、リスクをとって、ほかの誰もがやっていないことを実践していくことが求められるし、逆にそうしなければリードできない。日本が世界をリードする国になりたいのかどうか、言い換えると日本国民が日本を世界をリードする国にしたいのかどうかわからないが、現在の日本の状況を見ると、一部の分野を除いて、そのようになることは当分不可能であろう。経済ががたがたになっているが、アメリカの精神はこのくらいでは揺らがない。世界をリードする国であり続けることは疑いないであろう。

Katsushi Takeuchi

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竹内 克志

竹内 克志

電子機器のハードウェアとソフトウェアの融合を模索中。
日本およびアメリカで一貫してソフトウェアの製品開発を担当。ソフトウェアに限らずテクノロジー全般に興味を持つ。

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