ソフトウェア製品開発現場の視点

まず英語版から作ろう

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日本国内マーケットの拡大が期待できない中、これまで国内だけで販売していた商品を海外でも売り始めるというケースが増えてくると思います。国外での販売は中国や韓国だけという場合は、日本語からそれらの言語に直接翻訳するという方法もありますが、複数の国々に売りたい時は、まずは実質的な世界共通語である英語への翻訳ということを考えることは自然です。

日本語で作られたものを英語に翻訳する作業は、簡単ではありません。製品だけの翻訳だけでも大変なのに、取扱説明書や、商品説明のための Web ページの翻訳まで入ってくるとかなりの手間とコストがかかります。これらのコストや手間を少しでも減らすための方法として、先に英語版を作ってそれを日本語に翻訳するという方法をお勧めします。

先に英語版を作る理由の1番目は、翻訳者や翻訳をビジネスとしている翻訳業者の数と資質です。翻訳の件数は、圧倒的に英語から日本語への翻訳の方が多いので、多くの翻訳業者は、英語から日本語への翻訳を中心にした仕事をしています。そのため、日本語から英語への翻訳には難があるケースがあります。専門的な製品では、製品と英語の両方の知識が必要ですが、そのような人は国内で見つけることが難しく、海外の提携先などに発注しているケースもあります。そのときは、時差やコミュニケーションの問題で余分に時間がかかったりすることもあります。そのため、日本語から英語への翻訳の方がコスト高になります。

2番目の理由は、他の言語へ広げる時の容易さです。英語ができた後、フランス語、イタリア語、中国語などに言語サポートを広げようとしたときに、日本語から各言語に翻訳できる翻訳者(かつ技術的にわかる人)を捜すことは、かなり大変だと思います。英語をマスター言語にして、英語からフランス語、イタリア語、中国語への翻訳をするならば、そのスキルを持った翻訳者は格段に見つかりやすくなります。一度、それらの言語への翻訳が完了した後の修正は、マスター言語の英語に入れることが必要です。そうすることで、日本語も含む各言語への翻訳は簡単になります。

3番目の理由は、日本語での記述は曖昧性を含みやすいということです。最初に曖昧な日本語で書くと、他の言語への翻訳は、曖昧な部分を補う必要があり、翻訳作業の効率が下がります。場合によっては、翻訳者では曖昧な部分を補いきれないこともあります。最初に英語で曖昧なく表現しておくことで、その後の翻訳の質を上げることができます。

そうは言っても、母国語でない言語を使うのは簡単ではありません。しかし、正しくない表現が含まれていたとしても最初に英語で書くことは大きな意味があります。表現に間違いがあっても、英語は英語ですので、英語が母国語レベルで、技術の理解がある人にコメントをもらって修正すれば、レベルの高い英語にすることができます。日本語で書いたものを誰かに英語に翻訳してもらっていては、自分のスキルアップにはなりませんが、英語で書いてそれにコメントをもらうという方法にすれば、回を重ねるごとに英語が上達するというメリットもあって良いと思うのですが、いかがでしょうか?

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