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日々の「ハッ、そうなのか!」を書き留める職遊渾然blog

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検索エンジンは、ウェブの価値を搾り取れるだけ搾り取る。実際にコンテンツを提供しているウェブサイトに残される取り分はほんのわずかにしかならない。検索への依存状態から脱却することは、ウェブサイトやソフトウェアを提供する企業にとって、戦略上の急務である。
Alertbox: Webを食い物にする検索エンジン(2006年1月9日)』

上記のコラムでは、検索連動型広告の意義を認めつつも、そこで行われる企業間競争によって、競争の土俵を提供している検索エンジンに利益が集中していく構図を皮肉な調子で指摘しています。

長い目で見ると、(サイトデザインの改良によって、企業が)オンライン・ビジネスによる収益を上げることに成功したとしても、その上乗せ分は結局、検索エンジンに引き渡すだけのこととなる。
(同上、カッコ書きは引用者による追記)

そうかもしれません。しかし、元々新規顧客の獲得にはコストが掛かるもの。検索エンジンという機械仕掛けの広告メディアに割安感がある限りは、使った方が合理的でしょう。

ポイントは、コラムでは明確には書かれていませんが、

新規顧客の獲得=検索エンジン
既存顧客の維持=自社Webサイト
という役割分担を意識して、相応の資源配分をしよう

ということ。コラムで「検索エンジンからの解放」という名のもとに提案されている施策

  • eメールでニュースレターを配信
  • リクエスト・マーケティング
  • 提携(アフィリエイト)プログラム
  • Newsfeeds
  • 自社製品には必ずURLを記載
  • ハードウェア・コンポーネントの提供
  • 携帯向けの機能

は、アフィリエイトを除いては自社(あるいは自社商品)が顧客に認知されて初めて可能になる施策であり、どこかに広告を打たなければならないことに変わりはありません。

開拓は検索エンジン、維持は自社サイト。そう考えると、自社サイトに求められるのは、ファミレス的「いらっしゃいませ、○○社のサイトへようこそ!」ではなく、メイドカフェ的「お帰りなさいませご主人様!」マインドということになる。のかな。

※上記でいう「自社サイト」は、パンフレット的情報提供サイトでなく、自社運営のコマースサイトをイメージしています

koji

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堀内 浩二

堀内 浩二

(株)アーキット代表。
「個が立つ社会」をキャッチフレーズに、起業・転職支援やビジネスリテラシー研修などを提供しています。 個人向けにはチャレンジ応援サイト「起-動線(きどうせん)」を運営。

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