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 クリプトンの佐々木さんへのインタビューでは、初音ミクAppendは過渡的な技術であり、将来さらに優れた技術がでてきて、DBの数に意味がなくなるようなことを話していました。現状では曲中でAppendのDBを細かく切り替えることは難しいのでは、という疑問も。

 それでもやってみたくなるものです。違うパターンで3つ、1曲中でのAppendのDB切り替えをやってみました。

 今朝あげた、最新のものがこれ。

 これら3つには初音ミクAppendの全DBと初音ミクオリジナルを使っています。「±」はそれぞれのDBの特徴がよく出るような切り替え方をしています。「このまち」もほぼ同じ感じですが、Solid、Vivid、Lightを多用できる曲調なので、そちらを多く使うようにしました。でも、コメントにあるとおり「声自体をいじって声質を変えないと若干違和感はでますね」「性格の違う6つ子(7つ子)って感じ」。1フレーズで続けて同じDBを使うと、その次も同じ声質でくることを期待しちゃうんじゃないかな。

 「雨の街を」は、さらに細かい単位で切り替えています。1音ずつ切り替えている部分も多いです。上の2つはオリジナル曲ですが、「雨の街を」は、荒井由実による元歌唱があるため、おおざっぱな切り替えでは対処できない気がして。

 前回のDark Betaでは、物憂いしっとりした歌声だったのですが、今回はより汎用性の高いSoftをベースにしました。一番多く使っているのがこれです。次に多用したのがDark。主に、低音で伸ばす部分と、Softだと声が明るすぎる部分などで使っています。

 Sweetは、ささやくような部分、「ささやきー」のところはここぞとばかりに使用してます(笑) このDBだけは音量が小さいのでDYNを盛っています。ちなみに、この曲は基本的にベタ打ちで、パラメータカーブはいじっていません。OPEやGENなども基本のままで、PITのカーブも描いていません。ぼくみたいに無精でセンスがない人間には、DB切り替えによる明示的な音色変更はありがたいです。シンセのプリセット音色だけでやってる感じですかね。初音ミクに、プリセット音色が7つ用意されました、みたいな。

 切り替えで一番やりたかったポイントは、「だーれかー」の次の「やーさーしくー」で、声を張り上げるところ。Dark Betaオンリーでやったときは、全般的にはよかったのですが、ここだけはしっとりしすぎてました。「やーさーしくー」はDark→Light→Soft→Darkと細かく遷移させてます。やりすぎかもしれませんが。

 動画の左下に使用しているDBを表示していますので、(うざいとは思いますが)なにかの参考になればと思います。

 なお、オリジナルミクのみもどうぞ。イラストは前回と同じくPIAPROからミヨさんの「冬の雨」を使わせていただきました。ありがとうございます。

 実際にやってみて、佐々木さんの言葉が理解できた気がします。

「最終的に7種類の声でフィックスではないし、今後縦横無尽に増えていき、数が気にならなくなる世界になってくる。いまは(VOCALOID Editorの)インタフェースの中で(Singerを)切り替えて使わなければいけないけど、音節の中でデータベースのAからBの雰囲気へと変化していくようなことが、どこかで実装されていくと思う。そこに向けてデータベースを積み上げていく作業が必要になる」
例えば「Darkについても、ソフトなDark、ニュートラルなDark、ハードなDarkみたいな形」というのが考えられる。「今回は音の差が分かりやすく、1つひとつ名前をつけているが、1つの曲の中でシームレスに切り替えて、少し強くなった、少し弱くなったというレイヤーのような感じで扱えるようにしたい」

 Darkというのはある意味、異質なDBなので、これを中心にしたAppend Darkファミリーみたいなのが期待されるかもしれません。Darkを中心にすると、あとは明るいのしかないですからね。

 なお、ボカロPから見たDB切り替えに関しては、そそそPのブログでの解説がもっとも分かりやすく、納得できるものなので、もう一度読み返しているところです。

関連記事:
「初音ミクAppendは途中経過」――開発者が語る6つの新しい声とイメージ
【初音ミクAppend】輝ける七つの声をさっそく使ってみた【±】


koya

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松尾 公也

松尾 公也

Mac誕生前夜の1983年業界入り。
PC Magazine、PC WEEK、MacUserなどを経て、IT業界の裏道を歩みつつ現在に至る。

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