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2009年4月28日の投稿

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 ヤマハさんからNetぼかりすα版を触らせてもらい、その成果物を2つほど、ニコニコ動画に投稿しました。

追記:29日にもう1本追加しました。

 ほかのアルファテスターの方々の作品も、YAMAHA Y2 Projectのページにリンクされています。

 追ってレビュー記事というか、使用記みたいなものをITmediaに掲載予定です。その記事に書くつもりがついつい長くなって省いてしまったイントロ部分を、せっかくなんでここに載せておこうかと思います(掲載されました)。

3分で“神調教”に? Netぼかりすα版で曲を作ってみた - ITmedia News

●DTMが開放してくれたものと「壁」の存在

 まずDTMの話からしよう。

 DTM(Desktop Music)とは、楽器や歌の入力をパソコンを使って行い、パソコン上で編集し、完成させることだ。

 ローランドがPC-9801向けに「ミュージくん」という、MIDIインタフェースと音源のMT-32と譜面入力できるソフトウェアをパッケージ化してリリースした1988年からDTMブームは始まり今に至る、とても息の長い「趣味ジャンル」だ。既に20年以上の歴史がある。何度かブレイクスルーはあったが、その最大のものはこの2年で起きている。

 それはもちろん初音ミクをはじめとする、VOCALOID技術の浸透だ。人々はわずか1万5000円でちゃんとした「歌手」を手に入れ、ニコニコ動画を足場にコミュニティーが成長し、現在は歌手・初音ミクがチャートをにぎわすほどになっている。

 楽器メーカーは、プロ向けのハイエンドな機材や高価なソフトウェアを作る一方で、DTMの裾野を広げようと常に努力してきた。PCメーカーも、DTMを一般ユーザーにも使えるようにしようと、安価に楽曲を作ることができる機材やソフトウェアを提供するようになった。

 その代表的なものが、KORG KAOSSILATOR、AQインタラクティブのKORG DS-10、AppleのiLifeに含まれるGarageBandである。ハードウェアでも、KORGのnanoシリーズのように、わずか5000円でMIDIキーボードが発売されるまでになった。

 初音ミクなどのVOCALOIDと合わせて3〜4万円あれば最低限のDTMセットを組むことができるようになったのだ。

 VOCALOIDは10万本を売り上げるという、かつての楽器や音楽ソフトとしては考えられない、桁違いのヒットを飛ばした。が、そこをさらに広げていくには、まだまだ超えなければならない壁がある。それは、楽器スキルと「時間」だ。

 例えばGarageBandやACIDでは、あらかじめ多数用意された楽器のフレーズであるループを組み合わせていくことで、手軽に楽曲を作ることができる。その作業だけならば、鍵盤を弾ける必要はない。楽器スキルはなくてもかまわない。譜面も読めなくていい。

 しかし、そこに声を吹き込むVOCALOIDの編集ソフトは、ピアノロールという方式で、脳内で楽譜やピアノの鍵盤を置き換えられる人でないと扱いが難しい。

 また、楽器スキルを持っている人でも、一定以上のレベルの歌い方をVOCALOIDに真似させようとすると膨大な時間がかかる。限られた時間ないでそこまでできるVOCALOIDユーザーはごく少数だ。

 せっかくDTMの裾野を広げてくれたVOCALOIDが、さらに広範囲に普及することの足かせになるかもしれないのだ。

●VOCALOID Editor操作の難しさ

 VOCALOID Editorは、直接MIDIキーボードで打ち込むことができない。ピアノロールに音符(横長の線だが)を1つ1つ置いていくというやり方だ。DAWソフトにVSTiプラグインを入れたり、ReWireという機能を使ってDAWソフトと同期させる方式もあるが、それでも機能は限定されたり、使えない環境も存在する。

 DAWでピアノやギター、ドラムを入力するときは、とりあえずMIDIキーボードで入力しておいて、それを後で修正するということができるが、直接それができないVOCALOID Editorは、いったんMIDIデータに吐き出してから読み込む、といったやり方をととらざるをえない。それでも歌詞は後で手入力しなければならないのだ。

 歌詞はあらかじめ用意しておいて、それを入力されたメロディーに流し込むか。1音1音、手で入れていくしかない。ずれてしまった場合には調整や、間違えたところから再度の流し込みが必要だ。自分の場合には、「どうせ歌詞は手で入れなきゃいけないなら音符といっしょに入れていってもいっしょだよな」という考えで、ベタ打ちでメロディーと歌詞を同時に入れている。だからといって作業が短縮されるわけではない。

●「ミクよりもオケ」に時間をかけたい

 楽曲としての完成度を上げるためには、バッキングの演奏そのものをよくしていかなければならないから、限られた時間では、ボーカルばかりに時間をとられるわけにはいかない。なにせ、VOCALOIDにはパラメータが多すぎるうえに、コントロールも大変なのだ。

 友人のVOCALOIDユーザーには、「ミクよりもオケの時間優先」を宣言している人もいるくらい。だからといってミクの調整がおざなりということはなく、短い時間で効果的に調整しているということ。実際にはそこが難しいのだ。

 音のつぶをそろえるために、極端なコンプ(Compressor)設定を使ったりする人もいるし、ミクの歌には魂が宿っているから素のままでいいという人もいる。

 要するに、最小限の時間で最大限の効果を上げてくれるようなVOCALOID入力・調整方法があれば、それはみんなが期待するところなのだ。そこで期待が集まっているのが「ぼかりす」。「スキル」と「時間」を大幅にカットできるからだ。

 先に述べたとおり、鍵盤楽器ができる人は、DTMソフト上でわざわざ音符を置いていくような手間はかけない。MIDIキーボードでさっと弾いて、それを編集して使う。ギタリストならば、自分で弾いたものを録音する。しかし、VOCALOIDは基本的に手入力。そこをショートカットしたいのだ。

 「それなら自分で歌った方が早いよ」。そんな人にとって、Netぼかりすはきっと福音となるだろう。出来上がったボーカルは自分の声だけでなく、初音ミクや鏡音リン・レン、巡音ルカ、がくっぽいどとよりどりみどりで、細かい「調教」をしなくても、自分が歌ったとおりに歌ってくれるのだから。

 全部を使う必要はない。「ワンポイントリリーフ」だって十分に利用価値はあるのだ。

 以下、ITmedia Newsの本編に続きます:

3分で“神調教”に? Netぼかりすα版で曲を作ってみた

関連記事:
VOCALOID“神調教”技術「ぼかりす」実用化へ、ヤマハと産総研が連携 - ITmedia News
【あれから1年】ぼかりすがやってきたよ【今日が本当のプロローグ】

koya

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松尾 公也

松尾 公也

Mac誕生前夜の1983年業界入り。
PC Magazine、PC WEEK、MacUserなどを経て、IT業界の裏道を歩みつつ現在に至る。

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